仙台・塩竈ふらり旅 ~グルメにお酒、ときどき歴史 2日目 ①~

東北本線E721系

2日目は漁港と歴史ある神社の街、塩竈を目指します。仙台駅からは東北本線に乗車。本当ならば仙石線に乗る予定でしたが、いとこが東北本線に乗ってみたいというので、昨日の夜に携帯片手に予定を組み替えました。

当日、いとこには内緒で知らん振りしつつ東北本線のホームへ向かうと、いとこは大喜び。鉄のココロはよ~く分かるので、ついつい頑張ってしまいました。

東北本線夏の車窓

在来線の車窓から眺める田んぼは、新幹線のそれよりもよほど近くに感じられ、青々とした柔らかい稲が今にも薫ってきそうなほど。去年もこんな風景、一緒に飽きるほど眺めたなぁ。時が経つのはあっという間です。

塩釜駅

仙台駅からあっという間、東北本線の塩釜駅に到着。東北線には塩釜や松島といった海沿いを連想させる駅がありますが、どちらもあるのは高台の方。海沿いの観光地を訪れるには仙石線が便利です。

マリンゲート塩釜

塩釜駅から『しおナビ100円バス』に揺られ、海の方へと向かい、たどり着いたマリンゲート塩竈。去年会社の仲間と松島からの遊覧船を下船した場所です。

3月の大震災でここも津波に襲われたそうで、1階の半分を占めていたお土産コーナーは今は閉まり、ロビーで数店が営業されています。ここで塩竈の製塩所が震災復旧後の一番塩で作った結晶が入ったストラップを購入しました。

乗船場へ出てみると、奥には陸に打ち上げられたままの船が。ここへ来るまで、東北線の車窓からは積み上げられたがれきが、バスの車内からは1階部分が筒抜けになってしまった建物たちが、バスを降りればがれきとなった車を運ぶトラックが、未だ消えた信号機の下で交通整理をする警察官たち・・・。そんな衝撃的な光景を嫌というほど目にし、当然ながら大きなショックを受けました。

ですが、そんな大惨事に見舞われ、その深く酷い爪痕が残る街角を、街の人々はすでに普通に歩いているのです。いや、きっと心の中は普通な訳は無いでしょう。それでも、ここでの暮らしを立て直すという目標に向かって、力強く生活を送っていられるのでしょう。

覚悟をして来た「つもり」でした。ここで目にした光景は、自分が知っていた「つもり」の惨事の何百倍、何千倍、何万倍、想像を遥かに超えていました。

360°、どこを見ても津波の傷痕が。目を背けても、またその先に同じ光景が。そんな状況の中で、ここに住む方々は日常生活を送っているのです。この悲惨な状況が「日常」となってしまわぬよう、一日も早い復旧を願うばかりです。

塩釜水産物仲卸市場

マリンゲートでお土産を購入し、再び『100円バス』に乗って『塩釜水産物仲卸市場』へ。塩釜の漁港近くにある巨大市場です。

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塩釜水産物仲卸市場内部

中へ入るとその大きさとテレビで見るような迫力に思わず圧倒されてしまいます。正直、函館や札幌など一般人向けの市場のようなものを想像して行ったので、これほど本格的な卸売市場だとは思っていませんでした。営業時間も早朝から昼過ぎまでと、まさにプロ仕様。

ここでは市場で好みのものを買い、食堂でご飯とお味噌汁だけを買って食べるマイ海鮮丼を楽しめるのですが、この日は営業終了間際に行ったためほとんどが売れてしまっていました。うぅん、残念。今度は朝早くに来て豪華な朝ごはんを食べたいものです。

塩竈元気工房絆の館

市場を出てお昼を食べるところを探してぶらぶら。市場の目の前にある『元気工房絆の館』という海鮮丼のお店にお邪魔することに。

塩竈元気工房絆の館海鮮丼ともっきり

おしゃれな店内で地元のお酒、浦霞のもっきりをのんびり楽しんでいるところに、注文した海鮮丼が到着。

大きなえびやつぶ貝、赤貝、まぐろにサーモンなど、色々な具材が満載。下には大きな数の子まで隠れています。これで1000円ちょっと(だったはず?)はお値打ち。美味しい海の幸と浦霞を一緒に愉しむ。この上ない贅沢です。

穏やかな塩竈の海

美味しい海鮮丼に舌鼓を打った後は、バスの待ち時間を利用して岸壁へ行ってみました。そこには去年と同じく穏やかな海が広がっていました。もう二度と、牙を剥いて欲しくない。穏やかな海を眺め、そう願わずにはいられませんでした。

塩釜港

横を見れば、津波の被害を受けた塩釜港も復旧し、船が停泊していました。塩釜といえば漁港、というほど僕の中では海の幸のイメージの強い街。その心臓部である漁港の復活した姿を目にし、これからの復興への光を見た気がしました。

津波の傷痕が濃く残る沿岸部。正直、僕らのような観光客が訪れていいものかどうか、かなりの葛藤がありました。

実際訪れてみると、想像を遥かに超える爪痕が。1階が津波で筒抜けになってしまったアパートの2階にはまだ人が暮らしている。波の力で壁がくの字に曲がってしまったお店も、そんな状態のままで営業している。

そんな状況の中で自分は一体どう振舞えばいいのか。壊れた建物と隣り合わせで暮らしている人々を目の当たりにし、出発前に抱いていた葛藤はより一層強くなりました。

それでも、僕はここを訪れて良かったと思っています。復興のためになる。不謹慎だ。地元の方も、訪れる方も、考えは様々で正解など無いでしょう。

ですが、僕が実際に行って強く感じたことは、去年訪れたときにあった観光客の姿は皆無で活気が失われているということ。去年は梅雨時の平日にもかかわらず、松島への遊覧船のお客さんがたくさんいました。

観光客が観光気分丸出しで凄い、酷いと騒いだり、被災した街並みをパシャパシャ撮るなど、人々の生活に土足で踏み込むようなことは絶対してはダメ。でも被災者の方々へ不快な思いをさせないようにしつつ現地を訪れることは決して悪いことでは無いと思います。

観光客で賑わっていた街から観光客が消える。それだけで街の復興は減速してしまうのではないでしょうか。だからこそ、地元の方々の邪魔にならないようにしつつ訪れる。

僕はこの、実際に現地へ行くという行為自体が、被災地のためにも、自分のためにも、何かしらの力になると思っています。マリンゲートのお土産屋さんの方も、そうやって来てくれる人が最近増えて嬉しいとおっしゃっていました。

人で賑わう街には自然と活気やパワーが生まれてきます。その一端を僕らのような観光客が担えれば。旅行、そして東北を愛するものの一人として、純粋にそう思います。

仙台・塩竈ふらり旅~グルメにお酒、ときどき歴史~
風になびく仙台七夕まつりの吹き流し
2011.8 宮城
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