美味しい牛たんに舌鼓を打った後は、仙台市内を回ってみることに。今回利用したのは、仙台市バスが運行する『るーぷる仙台』。市内の名所をレトロ調のバスが結びます。通常は30分間隔での運転ですが、8月は夏休み時期ということもあり20分間隔での運転が実施されていました。
600円の1日乗車券を購入すれば何度でも乗り降り自由で、乗車券を提示すると割引等を受けられる施設もあるため、名所めぐりに便利でお得なバスです。
レトロ調のバスに揺られること約15分、瑞鳳殿前で下車。住宅の建ち並ぶ奥に、なにやら鬱蒼とした森が広がっているのが見えます。
深い森に包まれた坂道を上り、たどり着いた瑞鳳殿の入口。辺りは静寂に包まれ、マンションのすぐ裏手にこのような荘厳な雰囲気の森があることに驚き。
杉の大木に守られるかのようにして続く石段。ここまで来ると下界の音は全く伝わってこず、あるのは静寂のみ。凛とした空気が張り詰めるこの雰囲気に、ここが仙台市街であることを忘れてしまいます。
長い石段を登り、拝観料を払っていざ中へ。この奥に、政宗公の眠る瑞鳳殿があります。
門の手前には、大きな笹飾りが。特徴ある仙台の七夕祭りは、政宗公が婦女に対する文化向上のため奨励したとも言われており、時代を経て形は変われど、日本でも有数の盛大なお祭りとしてこの地に生き続けています。
こちらが政宗公の眠る霊屋、瑞鳳殿。絢爛豪華な装飾が目を奪う、桃山様式の廟建築です。現在の建物は昭和54年に再建されたもの。
国宝にも指定されていた瑞鳳殿は、惜しくも戦火で焼失してしまったそう。その後大変な調査、発掘を経て再建されました。この建物からは、政宗公に対する仙台の人々の想いのようなものが力強く伝わってきます。
併設された資料館で、政宗公の文化人としての一面に触れ、遺骨と対面し、更に山の奥へと進みます。そこには二代藩主忠宗公の眠る感仙殿と、三代藩主綱宗公の眠る善応殿が並びます。こちらも昭和60年に再建されたもの。
政宗公を初めとする三代の藩主が眠るこの経ヶ峯。死期の近付いた政宗公は、この山に登り、ここを廟とするよう命じたそう。深い森に包まれたこの場所には、静けさと力強さが溢れていました。
再びるーぷる仙台に乗車すること約15分、仙台城跡に到着。そこでは立派な姿の政宗公が、去年と変わらず迎えてくれました。
近くの青葉城本丸会館に併設された『青葉城資料展示館』では、雀や枝豆のゆるキャラがナビゲーターとなり、CGによって再現された仙台城の姿を見ることができます。そこで再び政宗公や仙台城下についてちょっとお勉強。
今まで政宗公について全く何も知りませんでしたが、独眼竜や伊達男といういかにもといったイメージとは違う一面に触れるにつれ、どれほど人として魅力のあった人物であったのかをうかがい知ることができます。ゆるキャラの話す内容なのに、思わずうるっときてしまうような場面も。歴史好きでなくても思わず見入ってしまいました。
政宗公が大陸の都市を理想として造り上げたと言われる仙台城下。時代が変わり、その姿が変わっても、東北一とも言われる輝きを持つ大都市には、ただの都市には無い潤いと安らぎが今でもしっかりと根付いているように思えます。それは仙台藩祖、伊達政宗公の理念が今でも息づいているからなのでしょうか。
文化人でもあった政宗公が造り上げた仙台という街。他の大都市では感じたことのない緑と文化の薫る安らぎに、僕はすっかり虜になってしまいました。
そんな仙台の街の魅力に触れた後は、再び仙台の食の魅力を満喫することとします。
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