温泉で心地よい汗を流し、涼しい風に吹かれた後は、いよいよ待ちに待った夕食です。前回と同じような時期に訪れましたが、今回はメニューがすっかり変わっていました。工夫を凝らした料理がたくさん並びます。
ますのたたきや山菜の天麩羅など、山の幸を満喫できるメニュー。また、名物の信州牛は夏らしく冷しゃぶで登場。手前の白いものは、きのこのスープが入ったポットに生地をかぶせて蒸し上げた、こちらのご自慢のお料理。
前回来たときもそうでしたが、ホッとする美味しいお味です。季節感やご当地感を感じさせる献立で、それぞれきちんと作られておりとても美味しくいただきました。
配膳も昔ながらの「お膳」スタイルで、浴衣の袖を気にしながら冷酒と共に頂くという、絵に描いたような温泉宿の夕餉。味覚だけでなく心まで満足、満足。
〆はこちらもご自慢の焼きおにぎりのお茶漬け。特に僕のようなお酒のイケる口の人には嬉しい限り。様々なお料理をちょっとずつ頂き、最後にサラッと〆る。もう言うことなしです。
お腹一杯食べたら、腹ごなしに夜の温泉街へと繰り出します。渋の街はオレンジ色のナトリウムランプに照らされていい雰囲気に。湯本旅館の建物もその風格に磨きが掛かります。
昼の顔もいいですが、やはり渋のよさと言えばこの夜の雰囲気。ライトに照らされた石畳が鈍く光り、なんとも言えない艶っぽさがあります。
前回来たときは夜に縁日が開かれていました。今回はありませんでしたが、きっと夏休みの時期に行われるのでしょう。
そして夜の金具屋。夜に見るとますます千と千尋の世界に見えてきます。ここは有名なだけあり、昼も夜も僕のように撮影する観光客が絶えません。風情のあるいい建物ですが、道路側に泊まっている宿泊客は、ちょっと落ち着かないかもしれません。
一通り渋の街を散策し、再び大湯へ。こうやって散策と入浴を思いのまま繰り返すことができるのも、渋の魅力の一つ。
大湯の上には足湯が設けられています。外湯同様とても熱いのですが、水を入れることができるので適温に調整して入れます。
ここで缶ビール片手に、のんびり火照った体を冷まします。ボーっとしていると2組のグループが入れ替わりでやってきて、しばしのおしゃべり。
普段人見知りの僕でも、こうやって旅先の温泉では自然と話せてしまいます。旅の魔力、といったところでしょうか。一人旅も意外と全く寂しいものではありません。むしろ、知らない人との出会いがあり、友達同士の旅行では味わえない面白さがあります。
鈍く光る湯本旅館を眺めながら、今度はいつ来ることができるのだろうか・・・。そんなことを考えつつ、渋の夜は更けていきました。
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