海風に吹かれながらの散歩で冷えた体を温めるため、爽快な青さに染まる海辺の露天風呂へ。出たり入ったりを繰り返しのんびり満喫していると、なんだか急に怪しい雲行きに。浴衣に着替え宿へと戻る頃には、ぽつりぽつりと降り始める雨。
あっという間に本降りになったな。危ないところだった。そんなことを考えつつ、急変した空模様を見ながら味わう湯上りのビール。しばらくすると、窓の外の様子に変化が。よくよく見てみると、雨の中に大粒の雪が混じっています。
狐の嫁入りのような、さっと姿を現した名残りの雪。それも束の間、雨も雪も止み再び明るさを取り戻す空。海辺の露天に幾度か通っているうちに、あっという間にもう夕刻に。
愉しい時間というものは、本当にあっという間に過ぎてしまうもの。気づけばもう日没の時間。分厚い雲の流れる空模様に期待はしていなかったものの、雲と水平線の隙間からこの日最後の輝きを魅せる夕陽の姿が。
そして今夜も、自分の好きなものを選んで味わう宴の時間。まずはお刺身を中心とした魚介から。
いかと鮑の水物は、ほんのり磯の香りを感じる控えめな味付け。素材の味を活かす水物は、青森に来たら食べたい郷土の味。ギバサの五色和えはその特長であるネバネバがおいしく、お酒のアテにもいいですが白いご飯にも合いそう。
大ぶりのこごみの天ぷらは食感が良く、深浦産の藻塩が山菜の風味を引き立てます。鮑の天ぷらも、コリっとした食感と共に広がる磯の香りがおいしい一品。
岩木高原豚のホイル焼きは、豚の脂の甘さとそれをまとった野菜をぽん酢ベースのたれでさっぱりと。豚の角煮は余分な脂を落としつつとろっとろに煮込まれ、味付けの塩梅も僕好み。
やっぱり今日も食べすぎた。それでも食べたい、のっけ丼。今日は鱒子と深浦サーモンを合わせて即席の親子丼に。間違いのないおいしさに、危うくお替りをしてしまうところだった。
最後に青森県アイスで〆て、今宵も大満足で夕餉を終えます。ここからは、お湯と静かな夜に揺蕩う時間。そのお供にと開けるのは、五戸で醸された八戸酒類の如空特別純米酒金ラベル。角のない優しい飲み口の旨い酒。
続いて開けたのは、黒石は中村亀吉の亀吉特別純米辛口酒。辛口とはいいつつするりと飲めてしまう味わいで、ちょっとしたフルーティーさも感じるおいしいお酒。
黄金に染まる露天に浸かりつつ、ぼんやり見上げる満天の星空。寄せては返す波音に、呼応するかのように往来する灯台の灯り。その続きは、自室で酒を傾けつつ。
いい夜だな・・・。そんな素直な感想を抱きつつ、瞬く星たちを飽くることなく見つめるのでした。
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