あおさ全力、やいまな日々。~肌もこころも夏焦がれ 8日目 ②~ | 旅は未知連れ酔わな酒

あおさ全力、やいまな日々。~肌もこころも夏焦がれ 8日目 ②~

7月上旬夏の石垣島最後の最後まで夏色を愉しみ、白保のバス停から東運輸で南ぬ島石垣空港へ 旅行記

空港のすぐ近くに位置するとは思えぬほど、静かな空気感の漂う白保の集落。ここで今年最後の夏色を全身に受け取り、名残惜しくもこの島を去る時間に。

7月上旬夏の石垣島8日間満喫した石垣島とも別れのとき南ぬ島石垣空港に到着
今年も本当に『東運輸』のみちくさフリーパスにはお世話になったな。白保小学校のバス停から最後のバスに乗り込み揺られること8分、ついに南ぬ島石垣空港へ。

7月上旬夏の石垣島南ぬ島石垣空港のシーサー君に別れを告げる
シーサー君、今年も最高潮の夏をありがとう。もしかしたら、8度目にして一番熱く、そしてあおい日々だったかもしれない。八重山での輝きを胸に、また来年逢える日まで頑張ろう。

7月上旬夏の石垣島南ぬ島石垣空港展望デッキから望む今年最後の肉眼で見るあおい海
シーサー君へのご挨拶を終え、屋上にある展望デッキへ。肌を撫でる島の風、網膜を灼く鮮烈なあお。この身をもって、生でこの島を感じることができるのもこれが最後。来年への種火を胸へと宿すべく、もう一度だけ胸いっぱいに八重山の空気を吸い込みます。

7月上旬夏の石垣島南ぬ島石垣空港搭乗待合室から望むうちなーの翼JTA日本トランスオーシャン航空B737那覇行き
この日は保安検査場が混んでいたため、余裕をもってゲートを通過。待合室で旅の終わりに付きものの若干の感傷に揺蕩っていると、僕らを那覇へと連れてゆくうちなーの翼がスポットに到着。

7月上旬夏の石垣島南ぬ島石垣空港JTA系売店コーラルウェイで購入した新ぱち農弁当
本当に、残すところあとわずかだな。8日間という濃密な日々にこころを染めていると、相方さんがおいしそうなお弁当を発見。知念商会の近く、八重山農林高校の生徒が考案したという新ぱち農弁当を夕食に買って帰ります。

7月上旬夏の石垣島南ぬ島石垣空港JTA系売店コーラルウェイ限定販売の新ぱち農弁当中身
南ぬ島石垣空港の搭乗待合室、JTA系の売店であるコーラルウェイでしか買えないというこのお弁当。たまたま数か月前にテレビかなにかで見て知っていたので、わくわくしつつ帰宅後にいただきます。

右上は、石垣島産パパイヤンブサー農高味噌のせ。ンブサーとは煮物のことだそう。これまで生や炒めた青パパイヤは食べたことはありますが、煮物は初めて。上品なおだしを吸い、あのしゃきしゃき感とはまた違ったジューシーさ。乗せられたお味噌がコクを与え、はやくも泡盛にドンピシャな味。

その左は、からし菜の出し巻きたまご。しっかりとした卵の味と優しいだし、そこに青菜の風味の香るからし菜と、三位一体のおいしさを味わえます。

左下はほっとする味わいが旅の余韻に沁みる、お母さんの人参しりしり。ゴーヤや紅芋、オクラといった島野菜は素焼きにされ、石垣島の塩でシンプルに味付け。これが生の良さを残した絶妙な火の通し加減で、お弁当に入っているレベルとは思えない充実した野菜感。

月桃の葉に包まれた三元豚のラフテーは、赤身の旨味や白身の甘味を活かす必要十分な味付け。冷めているのでとろとろとは行きませんが、その分凝縮感が増し豚好きには堪らぬ旨味の塊に。

左上には、農高産米味噌漬けローストチキン。ふっくらジューシーに焼かれた鶏に、しっかりと宿る味噌の香りと旨味、豊かなコク。中央の紫色は、紅芋うむくじ天ぷら。紅芋とでんぷんを混ぜて揚げたもので、お芋の素朴な甘さや風味が八重山での日々を思い出させるよう。

さらに、このお弁当は豪華な二段重。泡盛を呑めと言わんばかりのおいしいおかずのほかに、じゅーしーがたっぷりと詰められています。ひと口頬張れば、ほらもう八重山が恋しくなる。穏やかで優しい表情をしたじゅーしーに、思わず目頭が熱くなる。

ちょっとこれは、想定を遥かに超える逸品だった。こんな石垣色豊かなレシピを、高校生が考えたなんて。それもこの味と内容、ボリュームで1,200円。石垣から帰る日の夕飯はもうこれ一択だね!と言いつつ、旅の想い出に浸りながら一品一品大切に味わっていただきました。

7月上旬夏の石垣島南ぬ島石垣空港うちなーの翼JTA日本トランスオーシャン航空B737那覇行きはボーディングブリッジを離れトーイング
帰りは時間の都合上、那覇での乗継便。僕らを本島へと連れてゆく飛行機は、機内整備も終わりいよいよ搭乗開始。また来年、必ずだよ。そう強く強くこころに誓い、うちなーの翼へと乗り込みます。

7月上旬夏の石垣島南ぬ島石垣空港うちなーの翼JTA日本トランスオーシャン航空B737那覇行き滑走路始端から望む石垣のあおい海
ボーディングブリッジが外され、動き出すB737。滑走路の始端までたどり着き、180°方向転換し待つそのとき。唸りはじめるエンジンの高鳴りに涙を堪えつつ、それでも変わらぬあおさで輝く石垣の海を眼にこころに灼きつけます。

7月上旬夏の石垣島南ぬ島石垣空港うちなーの翼JTA日本トランスオーシャン航空那覇行きB737型機は滑走を経て身軽に離陸
その刹那、一段と昂るエンジン音とともに滑走を開始。小型機ならではの身軽さで、あっと思ったときにはもう離陸。あぁ、本当にこれで石垣島と離れてしまった。僕と愛する島との唯一の接点であったタイヤが地を離れる感覚は、何度味わっても胸にくる。

7月上旬夏の石垣島南ぬ島石垣空港を離陸したうちなーの翼JTA日本トランスオーシャン航空那覇行きB737型機は器用に旋回し眼下に広がる青い珊瑚礁を望む
その身軽さで、ぐいぐいを高度を上げてゆく飛行機。意を決したように左へ旋回すれば、眼下には先ほどまで肉眼で受け止めていた鮮烈なあおさに染まる白保の海が。

7月上旬夏の石垣島南ぬ島石垣空港を離陸したうちなーの翼JTA日本トランスオーシャン航空那覇行きB737型機から望むうつくしい石垣島
最後の最後まで、この島のうつくしさを見せつけるかのように旋回を続けるうちなーの翼。深い色味をした青い外海、そこに突如として浮かぶ碧い珊瑚礁。八重山の島々は、宝もの。この光景を初めて見たあの日を、僕は決して忘れない。

7月上旬夏の石垣島南ぬ島石垣空港を離陸したうちなーの翼JTA日本トランスオーシャン航空那覇行きB737機窓を彩る石垣島の美しい島影
35歳で初めて訪れてから、あっという間にもう8度目の夏。通えば通うほど、飽きるどころか魅かれてしまう。機窓を流れる島影に、毎年積み重なりゆく島での想い出。その事実があるからこそ、また来年へと向け歩きだせる。

7月上旬夏の石垣島南ぬ島石垣空港を離陸したうちなーの翼JTA日本トランスオーシャン航空那覇行きB737機窓に石垣島最北端平久保崎が見えついに別れのとき
切なくも、温かい。自宅から離れること2千キロ。でも確実に、眼下に流れる景色に厚みが増してゆく。いつもなら島の果てと寂しく見送る平久保崎も、今年ようやく鮮烈なあおさで白地図を塗り替えられた。

遠ざかりゆく平久保崎を見送り、ほっとひと息。今年もここまで満喫しちゃったんだから仕方ねぇ、来年の旅費のために一旦東京へと出稼ぎに行ってやっか。これがこのときの僕の素直な心境。こう思えるようになったのも、愛する八重山という地とめぐり逢えたからこそ。

ひとり旅という趣味を手にし、仕事に悩みつつ何とか乗り越えたあの日々。思い返せば、当時は旅とは即ち現実逃避、逃避行の意味合いが強かった。でも今は、決してそんな気持ちでは旅しない。35歳にして僕の人生観を変えた八重山との出逢いは、間違いなくそんな大きな転機のひとつ。

旅の終わり、愛する地とのしばしの別れ。それが寂しくないかと問われれば、今でも寂しいに決まっている。でも年々、その質が変化している。現実へと引き戻される哀しい別れではなく、次へとつながる温かい切なさだと思えるように。

ありがとう、今年も本当に良い夏を過ごさせてもらいました。そしてまた、来年のために頑張らねば、だな。また次逢いたいと思える地が待っている。その希望とこの旅で出逢えた全力のあおさを胸に、とめどなく湧きあがる温かな感傷にただじっくりと向き合うのでした。

あおさ全力、やいまな日々。~肌もこころも夏焦がれ~
6月下旬夏空の石垣島最北端の平久保崎から望む八重山ブルーの水平線と白亜の灯台の絶景
2024.6-7 沖縄
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●1日目(東京⇒石垣島)
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●2日目(石垣島・竹富島)
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●3日目(石垣島ドライブ)
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●4日目(石垣島滞在)
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●5日目(石垣島・竹富島)
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6日目(石垣島滞在)
7日目(石垣島滞在)
●8日目(石垣島⇒東京)
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