新しい顔を見せてくれた、今日のコンドイビーチ。幻想的な世界感を充分に浴び、再び集落へ。海の鮮やかな感動もさることながら、経年を感じさせる珊瑚の石垣が連なる姿もまた、この島が別世界であるということを強く実感させるよう。
石垣や赤瓦と共に目を引くのが、元気に茂る草木や花。時には石垣を覆うほど繁茂する植物は集落に彩りを与え、一層の南国感を漂わせます。
珊瑚に草木、板壁に赤瓦。竹富島の集落は自然の材料で形作られ、今自分が活かされている時代にこんな奇跡が残されているということに感動を覚えざるを得ない。
目に映る全てのものが、天然色。風雨に耐えた石垣や家屋を守る、草木の色彩。穏やかな色彩がベースとなっているからこそ、咲き乱れるブーゲンビリアの色も一層鮮やかに。
心の底から竹富の美に満たされたところで、今度はお腹も竹富の味で満たすことに。今回はANAのわくわくチケットというクーポンを購入したので、そのチケットでランチを食べられる『お食事処かにふ』にお邪魔することに。
こちらのお店は島の食材を使ったカレーや定食など、メニューが豊富。チケット利用時は、数種類の特別セットから選びます。今回僕が選んだのは、そばセット。軟骨ソーキそばとトロピカルジュースが組み合わされています。
本当に麺喰いだよなぁ。そんな自分にちょっと呆れつつ、まずはおだしをひと口。これまで食べた八重山そばと比べ、しっかりと感じる強めのだしが印象的。続いて麺を。こちらもこれまでよりも太い麺で、この麺に合わせるならこのだしの濃さだと納得。丁度良いバランスに保たれています。
そして上に載った旨そうな軟骨ソーキを。自分でも何度か豚軟骨は煮てみたのですが、それとは比べ物にならない柔らかさ。お肉は口で軽やかにほどけ、軟骨はぷりんとろっとした魅惑の食感。少々濃い目の味付けがそばに味の変化を与え、また新しい八重山そばの魅力を実感します。
半日間、たっぷり満喫した竹富島。初回のような強烈な鮮やかさはありませんが、ゆっくり、のんびり過ごすには今日くらいの天気がベストなのかもしれません。上陸する度に、好きになる。そんな竹富島に別れを告げ、『安永観光』で石垣島へと戻ります。
曇天ながらもかなり焼けた。竹富の余韻をホテルで一旦冷まし、お腹もすいたところで街へと繰り出します。今夜の気分は焼肉。ということで前から気になっていた『山ちゃんの部屋』へと入ってみることに。
まず注文したのは、塩で食べる牛タンとツラミ。牛タンは脂の甘味と程よい食感が美味。初めて食べるツラミは牛の頬肉ですが、煮込んだものとは全く違った印象に驚き。筋肉質ながらサシが入り、程よい弾力と濃い旨味がたまりません。
続いては大好物のレバーと丸腸を。久々に味わう牛レバーはプリッとした食感と凝縮された旨味が美味しく、脂ののった丸腸は焼くと溢れる甘い油が説明不要の旨さ。これらは石垣牛のホルモンが使われ、新鮮で臭みもなく石垣牛らしい上品な濃厚さが味わえます。
大阪仕込みを売りにするこのお店。独特な味噌だれがとても美味しく、気を良くして更に追加注文。小腸やロースの定番の美味しさもさることながら、特に印象に残ったのが豚の味噌漬け。
沖縄産の豚肉を使ったというこの一品。甘め濃い目の味噌に漬けこまれた豚は焼けば香ばしさが一気に際立ち、味噌の香ばしさと豚の脂の甘さの競演は旨い以外の言葉が浮かびません。
石垣牛のお肉やホルモンをお手頃価格でたっぷり味わい、大満足でホテルへと戻ります。満腹のお腹も落ち着いたところで、新しいお酒を開けることに。今回はお隣宮古島の沖之光を買ってみました。柔らかな飲み口で、すっきりと飲みやすい美味しいお酒。
本島、宮古、そして八重山。それぞれ文化も言葉も食べ物も違えば、泡盛の味も当然違う。いつかはお隣、宮古にも。初の本島を垣間見た今回の旅で琉球の広さを知り、そんな欲望が湧いてくるのを実感するのでした。
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