世間は三連休真っ只中、たまたま日曜に暇ができたので、無性に遠くへ行きたくなり、突発的にSLに乗りに行ってきました。
思い立ったのが前日夜。そこからネットでSLの指定席を押さえ、乗り継ぎを何パターンも調べたりで、あわただしいまま就寝。
翌日、浅草7:10発の快速会津田島行きに乗るために5時に起床。あぁ、眠い・・・。といいつつ、でも心ここにあらず。もう貴婦人に逢いたい一心で会津若松へと急ぎます。
7:10、浅草を定刻に発車し、まずは缶ビールをグビっと。今日は久しぶりのチャリンコを伴わない旅なので、思う存分ヘベレケ旅行を満喫できます。
ビールも空きかけのところで北千住に到着。さすが三連休、ぞろぞろと大勢の人が車内に乗り込んできます。
東武の快速用車両は、2ドアでほとんどがボックスシート。その通路までお客さんでギュウギュウです。やっぱり遠回りしても始発の浅草から乗って大正解!
立っている人の視線を感じつつお弁当を開けることに。今回は浅草駅構内で販売している、深川めし。これは去年会津に行った際に食べて、一発でお気に入りになりました。
生姜が香る上品なアサリの炊き込みご飯に合わせるおかずは、鮭にエビフライ、シュウマイ、煮物等、スタンダードなもの。
でもコレが「イチイチ」旨い。東京圏の駅弁にしては非常に薄味で、どれも上品にまとまっています。
ご飯は驚くほどのモチモチ加減で、炊き込みでありながら薄味なのでおかずとも相性抜群。エビフライなんて、駅弁のものを食べて初めて「サクッ」と音がしました。とにかく、僕の大好きな駅弁。東武線に乗るときはこれに決まり!
ビールとお弁当を楽しみ、気がつくと列車は山の中へ。鬼怒川に掛かる鉄橋からの紅葉が美しい。
関東も今年はしっかり寒くなったので、鬼怒川の紅葉は終わりに近い感じがしましたが、それでも赤や黄に燃える山は圧巻。
快速はこの先、会津鉄道の会津田島駅まで直通ですが、僕はその先の会津若松まで行きたいので、鬼怒川温泉で乗り換え。
この会津マウントエクスプレスに乗れば、鬼怒川温泉から会津若松まで一直線!浅草からなんと乗り換え1回で行けちゃいます。よくやった、会津鉄道。
この列車も快速扱いで、全車自由席。なので乗車券だけで乗れます。実はこの車両、ちょっと前まで名鉄で走っていた特急型車両。それが引退することになり会津鉄道が譲り受けました。
引退と言っても、車齢が古くなった訳でなく、乗客減での特急行路の廃止だったので、まだまだ車両は新しくてきれい。飛騨路を駆けていたこの車両は、会津路で第二の人生を謳歌しています。
新藤原を過ぎると野岩鉄道へと入ります。ここまで来るともう紅葉はほぼ終わり。冬に向けて支度をする山に、エメラルドグリーンの水面が美しい。
栃木と福島の県境近くまで来ると、なんと雪が積もっていました。一山超えたら、もうそこは初冬。ひとつの列車で晩秋と初冬の両方を体感できました。
車窓が銀色に輝き始めたので、ここで日本酒を一杯。「日光誉」をコップに注ぎ、思いがけない冬の風情をつまみにちびちびやります。
黄色み掛かった色で、コクがあり香りもある。でもさらっと飲みやすい、美味しいお酒。一合をゆっくり、ゆっくり楽しみました。
浅草から乗り継ぐこと5時間足らずで、会津若松へと到着。現地はあいにくの雨模様。天気予報通りです。
会津若松は何度来ても街の風情がいい。意識して残された町並みではなく、生活圏の中にどっしりとした建造物が残っている。それがしっかりと溶け込んでいる。
そして今回も来てしまいました、『末廣酒造 嘉永蔵』。雨の滲む木造建築もまた、いいものです。
雨に光る若い杉玉がいい味出しています。この杉玉は、新酒ができると軒に吊るされ、街行く人はその枯れ具合でお酒の熟成を知ることができるようになっています。
この嘉永蔵で、後先考えずに3本もお土産を購入。この後重たい荷物と旅をする羽目になってしまいました。
嘉永蔵で試飲をしてちょっといい気分になったところで、会津若松のシンボル、鶴ヶ城へと向かいました。
このお城は、美しい白鶴が羽を広げたように見えることから、この名が付きました。本当に真っ白で、美しい曲線と直線で構成された大きなお城です。
故郷にこんなお城があったら、やっぱり誇りに思うんだろうな・・・。ちょっと羨ましく思います。
お堀端には、ご覧のようにとっても美しい紅葉が。冬を迎えつつある東北の、今年最後の輝きを見たような気がしました。
冷たい雨に濡れる紅葉と石垣。晴れもいいけど、たまにはこんな一人旅もいい。
駅へと向かう途中にある、『會津酒造歴史館』に立ち寄りました。ここは宮泉銘醸の蔵。ここで会社へのお土産と、SLで楽しむ日本酒を購入し、駅へと向かいました。
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