肩までどっぷり冬乳頭 ~甘美な怠惰になすがまま 4日目 ①~ | 旅は未知連れ酔わな酒

肩までどっぷり冬乳頭 ~甘美な怠惰になすがまま 4日目 ①~

2月中旬秘湯乳頭温泉郷大釜温泉で迎える最後の朝 旅の宿

大釜温泉で迎える最後の朝。久々の3連泊、気づけばあっという間に過ぎてしまった。もうあと数時間で、ここを去らなければならないのか。そう思うと、何とも言えぬ淋しさがこみ上げる。

まだ明けきらぬ夜の色味を残した空の下、ひとり静かにどっぷりと身を沈める露天風呂。ぬるい湯に肩まで浸かり堆く積もる雪をぼんやり眺めれば、明日も明後日もこんな穏やかな日々が続いてくれそうな錯覚が。

2月中旬秘湯乳頭温泉郷大釜温泉3泊目朝食
最後の朝風呂をゆったりのんびりじっくり噛みしめ、お腹も空いたところで朝食の時間に。焼鮭や温泉玉子、焼きなすにとろろと、どれも白いご飯に合うものばかり。すっかりお気に入りとなった桧山納豆で〆て、今日も満腹大満足で部屋へと戻ります。

2月中旬秘湯乳頭温泉郷大釜温泉から望む乳頭の銀世界
お腹を落ち着けたところで通い慣れた道を湯屋へと向かい、最後に味わう大釜の湯。大きな内湯と、大きな露天。そのふたつのみだからこそ、気ぜわしさなくじっくりお湯を愉しめる。この3泊で、すっかり日々のあれこれを解いてくれた。

2月中旬秘湯乳頭温泉郷大釜温泉白銀の雪に埋もれる小学校旧校舎の渋い宿
初めて泊まった大釜温泉、いい意味で派手さはないけれどじんわりと沁みる良い湯良い宿だった。

3泊もの時間を過ごしてしまうと、やはり別れ際には寂しさ募る。よし、違う季節にまた来よう。白銀に埋もれる渋い佇まいに再訪の誓いを託し、穏やかで濃密な時間を過ごした小さな宿に別れを告げます。

2月中旬田沢湖高原水沢温泉郷露天風呂水沢温泉
宿のすぐ上にある乳頭温泉バス停から、『羽後交通』の田沢湖駅行きバスに乗車。20分ちょっとの水沢温泉郷バス停で途中下車し、そのすぐ目の前に位置する『露天風呂水沢温泉』で立ち寄り湯を楽しむことに。

受付で入浴と和室休憩室のセット料金1,000円を支払い中へ。木を基調とした館内は明るくきれいで、畳の休憩室には電子レンジやポットも完備。お弁当等は売っていませんが、お昼を持ち込めば一日のんびり過ごせそう。

100円返却式のロッカーに荷物を預け、いざ浴室へ。大浴場には大きな湯船が2つ並び、左がぬるめ、右が熱めの温度設定。さらにその先には、大きな露天風呂がこれまた2つ。ぬるめの湯舟は1mほどの深さがあり、縁に腰掛け肩までしっかりと水沢の湯に浸かることができます。

内湯と露天風呂、それぞれの湯舟はもちろん源泉かけ流し。広々とした浴槽に満々と湛えられた源泉は水色をおびた乳白色に染まり、立ちのぼる硫黄の香りと相まって山の温泉のイメージそのもの。

少々熱めのお湯がどぼどぼと落とされる音を聞きながら、静かに舞う雪を愛でつつ包まれるいで湯の温もり。するりとした柔らかい浴感ですが、あっという間に芯からぽかぽかとよく温まるため長湯は厳禁。一旦上がって休憩室でごろりとし、落ち着いたところで再び乳白の湯に身を委ねます。

2月中旬田沢湖高原水沢温泉郷羽後交通乳頭線田沢湖駅行きバス
乳頭温泉への道中、これまでずっとずっと気になっていた水沢温泉。短い時間ながら、うつくしい湯色にシルキーな浴感、そして好みの濃い硫黄臭をしっかり満喫。次は泊りだなと良からぬ企みを描きつつ、再び『羽後交通』のバスに乗り込みます。

2月中旬田沢湖駅前お土産屋田沢湖市
水沢温泉郷から銀世界を愛でつつバスに揺られること27分、田沢湖駅に到着。時刻はちょうどお昼どき、駅前の『田沢湖市』に併設された『十割そば処そば五郎』で昼食をとることに。

2月中旬田沢湖駅前田沢湖市にある十割そば処そば五郎
食券を買いそば茶を飲みつつ待つことしばし、お待ちかねの比内地鶏せいろが運ばれてきます。

まずはその太さが目を引くそばを一本つるり。うわ、おいしっ!十割そばにありがちなもっそり感はなく、もちもちとコシの両立した魅惑の食感。噛んでゆけば甘味も感じ、主食としてそばを食べているという確かな満足を味わえます。

つけ汁には、甘みの強い長ねぎと旨味の凝縮された比内地鶏。その脂のコクがしょう油ベースのつゆに広がり、食べ応えあるしっかりとした麺に華々しさを添えてくれる。

つるしこもっちりの太麺をわしわしと手繰り、ときおり挟む比内地鶏のお肉。そこら辺の軟弱な若鶏には出せぬ心地よい歯ごたえと濃厚な旨味が歯と舌を悦ばせ、あっという間に一枚をぺろりと平らげてしまいました。

2月中旬田沢湖駅に名残惜しくも別れを告げる
いやぁ、旨かった。そば湯で割ったおいしいおつゆまでしっかりと味わい尽くし、お腹も心もぽかぽかと満たされ駅へと戻ります。

乳頭、玉川、後生掛、蒸ノ湯、藤七・・・。本当にこの駅は、秘湯、いや、魔境への出入口だ。何度訪れても新たな魅力で僕を誘惑する、田沢湖駅から繋がるいで湯たち。きっとまた、僕はそれらに逢いにここへと戻ってくるだろう。

2月中旬田沢湖駅振り返り最後の雪景色を望む
たくさんの想い出の詰まったこの地に別れを告げ、意を決して駅舎内へ。その前にもう一度だけ振り返り、生保内のこの白さを眼に心に刻みます。

2月中旬田沢湖駅に入線するE6系こまち号東京行き
蟹場や後生掛にも泊まってみたいし、できればふけの湯にも連泊してみたい。際限なく広がる再訪への妄想を浮かべていると、冬景色に映える鮮烈なE6系が静かに入線。

2月中旬田沢湖線秋田新幹線E6系こまち号東京行き車窓から望む日本海側へと向かう川の流れ
空いている席に腰掛け待つことしばし、こまち号は東京目指し出発。人家もまばらになり、いつしか体に感じる勾配のきつさ。ときおり現れる東から西へと向かう川の流れに、今度はいつ日本海側へと来ることができるのだろうとしみじみしてしまう。

2月中旬田沢湖線秋田新幹線E6系こまち号東京行き長いトンネルを抜ければいつも見慣れた太平洋へと向かう川の流れに
じっくりと勾配と曲線をこなしつつ、こまち号はついに長い長いトンネルへ。そこを抜ければ、僕の生まれて暮らす太平洋側へ。川の流れも西から東へと変わり、日本の背骨を越えたことを教えてくれる。

妙の湯、鶴の湯、黒湯に孫六。その全てが、忘れ得ぬ大切な宝もの。そこにまた1ページ、新たに刻まれる温かな良き想い出。何度訪ねても、訪れる者を飽きさせぬ乳頭温泉郷。大釜温泉でまた新たな魅力を思い知り、より一層あの魅惑の地への想いは強まるのでした。

肩までどっぷり冬乳頭 ~甘美な怠惰になすがまま~
2月中旬白銀に埋もれた乳頭温泉郷大釜温泉純白の雪と黄金のいで湯
2024.2 秋田/岩手
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●1日目(東京⇒大釜温泉)
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2日目(大釜温泉滞在)
3日目(大釜温泉滞在)
●4日目(大釜温泉⇒水沢温泉⇒盛岡⇒東京)
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