白銀への鉄路 ~列車で行く北海道 スキーとグルメの旅 5日目 ①~ | 旅は未知連れ酔わな酒

白銀への鉄路 ~列車で行く北海道 スキーとグルメの旅 5日目 ①~

夜明けの羊蹄山にかかるかさ雲 旅行記

ニセコでの最後の朝。この日は宅急便を出さなければならないので、少し早めの起床。まさに明け行くパステルカラーの空に、傘雲が掛かる羊蹄山が美しく映えます。

羊蹄山に登る冬の朝日

朝食を食べて部屋に戻ると、丁度羊蹄山から太陽が顔を出すところでした。ダイヤモンド羊蹄とはいきませんでしたが、山体から輝きを放つ姿には、神々しさすら覚えます。

ありがとう、羊蹄。ありがとう、ニセコ。今年もいい時間を過ごさせてもらいました。また必ず、戻ってくるからね。そう心の中で声を掛けました。

函館本線冬の比羅夫駅

帰りもローカル線の旅。倶知安までの丁度良いバスが無かったので、タクシーで最寄の比羅夫駅に出ます。ひらふ第一駐車場からは15分ほどの距離。タクシー代もそれほど掛かりません。

この駅は無人駅ですが、駅の宿ひらふという宿として駅舎が利用されています。この日は宿泊客が居なかったのか閉まっていましたが、ホーム直結の宿として有名で人気があるようです。

夏にはホームで列車を見ながらのバーベキューや、丸太の露天風呂などを楽しめるようなので、一度泊まってみたい宿です。

比羅夫駅に住む猫しま太郎

駅の待合室には、しま太郎という猫がまったりくつろいでいます。名前になんだか親近感が湧いてしまいます。この猫は偶然に迷い込んだ猫らしく、それ以来駅舎で飼われているようです。寒い冬でも、電気毛布を敷いてもらってヌクヌクまったり。

比羅夫駅より望むニセコグランヒラフスキー場

駅からグランヒラフは、直線距離では本当に近い。リフトの降車案内の放送も聞こえ、泊まったホテルや滑り降りるスキーヤーまでも見えています。

今年は本当に雪が良かっただけに、とても後ろ髪を引かれる思いで列車を待ちます。休みが無期限にあるならば、今にでもあそこに戻りたい。こだまするスキー場の音が、ニセコへの想いを高ぶらせます。これはもう、来年も絶対に来るしかない。そう決意するのでした。

真冬の函館本線キハ150

スキー場をのんびり眺めていると、ガラガラと軽快なエンジン音を響かせて列車が到着。のんびり揺られて長万部を目指します。

函館本線より冬のアンヌプリ

雪の林越しに見るニセコアンヌプリ。行きは雪で全く視界がなかったのですが、帰りはきれいな景色を堪能することができました。

この先列車は、グランヒラフ、ニセコビレッジ、アンヌプリ国際と、ニセコユナイテッドのゲレンデを順々に眺めつつ進みます。

函館本線の車窓から眺める冬の羊蹄山

反対側には、大きな頭を出す羊蹄山が。いつも恥ずかしがり屋の羊蹄山ですが、今年は惜しげもなくその姿を見せてくれました。

少しはなれたところから見る羊蹄山はまた違った美しさ。大きな山体がより一層際立ち、蝦夷富士の名に相応しい威厳を感じさせます。

由布の函館本線雪原と羊蹄山の車窓

雪に埋もれる畑と家並み。低い山の連なりの先には、まだ羊蹄山が見えています。段々と小さくなる羊蹄山とアンヌプリ。さっきまであの麓にいたのが嘘のように、遠い景色へと変わっていきます。

噴火湾ブルーのキハ183特急北斗

単行のディーゼルカーにのんびり揺られ長万部に到着。ここからは特急北斗に乗り換えて函館を目指します。

この特急は、僕が道内で初めて乗った特急列車。小さい頃に見た北斗は、白とオレンジ、赤という斬新なカラーリングと、くの字に折れた先頭がとても格好よく、どうしても乗りたいとダダを捏ねたことを思い出します。それからしばらく経ち、初めてディーゼル特急に乗ったときの喜びは、今でも忘れられません。

そのころはスーパー北斗は無く、この北斗が花形列車でした。今となっては面影もありませんが、ばあちゃんちの最寄り駅のホームに、オレンジと赤のラインが引かれた長編成がいっぱいに停まる姿は、勇ましくもあり、優雅でもありました。まだまだ国鉄型が元気いっぱいだった時代です。

冬晴れの噴火湾

そんな小さい頃の回想をしているうちに、すぐに噴火湾が見えてきました。今日の噴火湾も穏やかで暖かい色をしています。

色が塗り替えられ座席も変わり、5両編成に縮められた今でも、壁やデッキ、走りにと随所に国鉄を感じ取れます。

巨体を左右に揺らして豪走するスーパー北斗も好きですが、延々と長い時間、札幌と函館の都市間輸送を任されてきたこの北斗も大好き。荒削りな乗り心地が、北の大地に良く合います。

森付近の噴火湾と対岸の山並み

森付近では海と列車が最接近。噴火湾沿いの街並みが、青い海と空を隔てています。あの中にばあちゃんの住む街もあるはず。またばあちゃんに会いに来なきゃ、そんなことを思いつつ、青と白に包まれた車窓をぼんやり眺めます。

厳冬の函館本線雪原と駒ヶ岳

まっ白に雪をかぶった荒々しい火口が印象的な駒ケ岳。快晴の今日はその姿を存分に楽しめます。大きくえぐれた山頂付近が物語るとおり、この駒ケ岳は活火山。

この特急列車が走る沿線には、有珠山、昭和新山、恵庭岳という活火山が列を成し、最近でも噴火を繰り返しています。帆立が有名な噴火湾。この火山が海を取り囲む姿が名前の由来となっています。噴火でできた湾、ということではありません。

正式には内浦湾といいますが、海沿いに特徴的な火山が並ぶ姿を見ると、やはり噴火湾という名前がしっくりきます。

冬晴れの函館駅

噴火湾に駒ケ岳、雪原となった大沼小沼など、次々に変わる車窓を楽しんでいるうちに、あっという間に函館に到着。快晴の空が出迎えてくれました。

冬のはこだて自由市場

ホテルのチェックインまでまだ時間があるので、市内をてくてく散歩してみます。途中にある『自由市場』に入ってみることに。

山海の幸が並ぶはこだて自由市場内

時刻は昼過ぎ。半分ほどのお店が品物を売り切って閉店していました。観光客向けのお土産品も置いていますが、この自由市場はどちらかというと地元の台所的な雰囲気。今夜のおかずになりそうな新鮮な魚が並んでいます。

どれも美味しそうで、買って帰れないのが辛いところ。北海道の魚の美味しさを知っているだけに、悔しさは倍増です。ごっこにカジカに鮭・・・。お腹空いた~。

冬の函館市電

途中から市電に乗車し、湯の川温泉電停を目指します。函館や広島など、路面電車のある街に訪れたら、やはり1回は乗っておきたいもの。

路面電車から眺める街並みは特別で、車内にはほんわかとした雰囲気が漂っています。最近東京にも路面電車復活か!?というニュースがありましたが、是非そうなって欲しいものです。

モーターの唸りを足元に感じながら、レトロな市電に揺られて眺める車窓。市電のある街ならではの旅情を感じつつ、湯の川温泉に到着。今夜は夜景を眺めながらの温泉三昧です。

白銀への鉄路 ~列車で行く北海道 スキーとグルメの旅~
羊蹄山に登る冬の朝日
2011.2 青森/北海道
旅行記へ
1日目(東京⇒青森)
●2日目(青森⇒ニセコ)
 /
●3日目(ニセコグランヒラフ)
 /
●4日目(ニセコグランヒラフ)
 /
●5日目(ニセコ⇒湯の川温泉)
 //
●6・7日目(湯の川温泉⇒函館⇒東京)
 ///

コメント

タイトルとURLをコピーしました