石垣島で迎える4度目の朝。今日はどんな空模様が広がっているだろうか。そう思いベランダへと出てみれば、全身を包むもわっとした空気。そういえば、例年も梅雨明け前の旅前半はこんな感じだったよな。

おととい昨日と竹富島へ渡ったので、今日はこの旅では最初で最後になりそうな真栄里ビーチへと向かう予定。その前に、まずは腹ごしらえ。昨日から食べようと決めていたカレーをメインに愉しむことに。
初日はチキンカレーが出されていましたが、今朝は石垣牛の牛すじカレー。まろやかさのなかに、ほんのりトマトの酸味が薫るカレー。そこにたっぷりと入る、ごろごろとした具。
とろっとろに煮込まれたすじのみならず、お肉もたっぷり。大ぶりの野菜も食べごたえがあり、石垣牛の良さが存分に溶け込んだほどよいスパイシーさが堪らない。
さらにサラダでも、石垣牛をたっぷりと。ローストビーフの豊かな旨味甘味が、しゃきしゃきの野菜をよりおいしくしてくれる。そして八重山そばにもラフテーを載せ、お肉三昧の贅沢な朝ごはんを味わいます。

盛っているときから多いなとは思っていたが、やっぱり安定の満腹に。でもやっぱり、食後のデザートは外せない。ふるりとなめらかな自家製のパンナコッタには、甘酸っぱいブルーベリーソースをかけて。
そして今朝のブルーシールは、島パインココナッツ。しつこくない程度に香るココナッツ、そこに南国の風を吹かせるパインの甘酸っぱさが相性ばっちり。

ベッドでごろごろ、ぱつんぱつんのお腹を落ちつけたところで海支度。バスは30分に1本出ているため、時間を気にしなくていいのもうれしいところ。タイミングを合わせて部屋を出て、『東運輸』の4系統空港線に乗車します。

博物館前から10分ちょっと、沖縄県八重山合同庁舎前で下車。そこから歩くこと約5分、ANAインターコンチネンタルに隣接する真栄里ビーチに到着。竹富のコンドイビーチとともに、必ず来たいお気に入りの海。

防砂林の奥にちらりと覗く気配に誘われ浜辺へと急げば、一気に視界へとなだれ込んでくる鮮烈さ。その質量はとてつもなく、あまりの眩さに目を開けているのも辛いほど。それにしても、朝の湿気はどこへ行ってしまったのだろう。これだから、僕はまた勘違いをしてしまうんだ。

コンドイビーチが幻想的な静の世界だとすれば、真栄里は動きのあるうつくしさ。満潮に近い海はあおの深いグラデーションに彩られ、沖のリーフの縁では白いレースのような波が揺れている。

善きところにレジャーシートを広げ、シャツを脱ぎ捨ていざ海へ。ここは遠浅ではなく、しっかりと深さのある海。押し寄せる波の鼓動は力強く、肩の深さまで進めば海水もここちよい冷たさに。
ビーチ3日目にして、このひんやり感はたまらない。火照った体をこころゆくまでしっかりとクールダウンしたら、陸に上がって甲羅干し。南国の強烈な太陽に灼かれたところで、ここぞとばかりに冷たいオリオンで我らが夏休みに祝杯を。

はぁ、今年もしあわせだ。リーフに寄せる波の音、網膜を灼く絶好のあお。海の香宿る強い風、さらさらとした砂の肌触り。そこへビールの苦味を迎えれば、文字通り五感のすべてが八重山色で満たされてゆく。

明日から予報は下り坂、多分今日が海に入れる最後となるだろう。そう思うと、ついつい欲張りが顔を覗かせる。来年まで一年分のあおさを持ち帰ろうと、思った以上に遊んでしまった。身もこころもすっかり焦がされ、名残惜しくも夏色に染まる真栄里ビーチに別れを告げることに。

サンエーやマックスバリュで内地へと密輸するじゅーしーの素の値段比べをし、13時過ぎにお昼を食べるために『ふるさと食堂』へ。ここも滞在中に一度は来たい、大好きなお店。

ここは、八重山そばもカレーもおいしいお店。ゆし豆腐アーサそばのやさしい旨さとも再会したいし、一挙両得のそばカレーセットも捨てがたい。日焼け疲れの頭をフル回転させつつ悩むことしばし、今年はずっと気になっていた野菜そばに挑戦してみることに。
オリオンビールで灼けた心身をいやしていると、運ばれてくるお待ちかねの一杯。その刹那、ふわりと鼻へと届く良い香り。あぁもうこれ、食べる前から旨いに決まっていると判るやつ。
まずは、琥珀色をしたおつゆから。やさしくも、しっかりと厚みをもったふるさと食堂の八重山そばのだし。そのベースに存分に溶け出た、いろいろ野菜の複雑な味わい。そのふくよかな旨味の洪水に、ひと口目から圧倒されてしまう。
まだ麺にはいかず、つづいてたっぷりの野菜を。甘いにんじんやきゃべつに、しゃきしゃきのもやし。そしてうれしいのが、大好物の空心菜。太い茎はじゃくじゃくと、葉はちょっとしたぬめりが食感を豊かにしてくれる。
そして満を持して、中細の丸麺を。中華麺やちゃんぽん麺とも違う、ぷりっとしつつワシワシ食べごたえのある八重山そば。旨味がふんだんに溶け込んだおつゆに負けることなく、それでいて麺の風味が主張しすぎないという絶妙なバランス。
ワシワシと麺を手繰り、しゃきしゃきと野菜を噛みしめおつゆで追いかける。危ない危ない、ピィヤーシを入れるのを忘れるところだった。一気に増す南国感を数口愉しみ、さらにコーレーグースで勝負あり。潔い辛味と泡盛の華やかさが、八重山そばを完成形へと昇華させる。
滋味深い旨さに箸が止まるはずもなく、あっという間に一滴残らず完食。全身から噴き出す汗、その勢いにも負けないほどの感激が心身の奥底から湧いてくる。

またひとつ知ることのできた、八重山そばの新たな魅力。これはまた、ふるさと食堂での悩みの種が増えてしまったな。そんな未知との遭遇の悦びが、来年もまたその次もと僕をこの島へと誘うのでした。



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