鮮緑したたる奥鬼怒へ ~ゆるっととちぎ大満喫 1日目 ②~ | 旅は未知連れ酔わな酒

鮮緑したたる奥鬼怒へ ~ゆるっととちぎ大満喫 1日目 ②~

5月上旬関東最後の秘湯の異名を持つ奥鬼怒温泉郷八丁の湯レストハウスヒマーリカフェ&ガイドのウッドデッキから望む木々の鮮やかな緑 旅の宿

丸太組みの心地よい空間でランチを食べていると、お部屋の準備ができているのでどうぞとの嬉しいお言葉が。ログハウスを出て木々の鮮やかな緑を愛でつつ、お部屋へと向かいます。

5月上旬関東最後の秘湯の異名を持つ奥鬼怒温泉郷八丁の湯新館の木々の温もり溢れる階段
こちらの宿は昔ながらの和室と離れ風のログハウスのタイプに分かれており、それぞれお値段も夕食の内容も異なります。今回選んだのは、和室プラン。玄関のある古き良き本館の横に建つ新館へと進みます。

5月上旬関東最後の秘湯の異名を持つ奥鬼怒温泉郷八丁の湯ランプの灯る新館和室客室
自室を見つけ、いざ入室。うわぁ、これ、いい。ここがこれから二泊、僕の城。山小屋から始まったという八丁の湯の歴史を感じさせるシンプルな和室ながら、とても落ち着くしっとりとした雰囲気に包まれています。

5月上旬関東最後の秘湯の異名を持つ奥鬼怒温泉郷八丁の湯新館和室からの景色
窓に使われているのは、古き良き時代を思わせる木のサッシ。その向こう側にはもみじが大きく枝葉を広げ、目の覚めるような鮮烈な緑を薄暗い部屋の中まで届けてくれるよう。

5月上旬関東最後の秘湯の異名を持つ奥鬼怒温泉郷八丁の湯混浴露天風呂雪見の湯
早速浴衣に着替え、ずっとずっと想い焦がれてきた露天風呂へ。3つある浴槽は混浴で、その他に女性専用の露天風呂が設けられています。

山の宿の情緒漂う木造りの脱衣所から出ると、四角形の大きな石造りの浴槽が。この雪見の湯は、昭和4年の開業時からある浴槽だそう。無色透明ながら無数の湯の花が舞うお湯が、どぼどぼと惜しげもなく掛け流されています。

5月上旬関東最後の秘湯の異名を持つ奥鬼怒温泉郷八丁の湯石楠花の湯
3つの露天は滝に面しており、それぞれ異なる角度からその涼しげな表情を望むことが。階段を登った先にぽつんと佇む石楠花の湯は滝の落ち口のすぐ横に位置し、高い位置から望む緑の山並みや間近に感じる滝の音や冷涼がとても印象的。

こちらも硫黄の香るとろり柔らかなお湯が掛け流され、その浴感はしっとりとろけるような優しさに溢れたもの。穏やかなお湯と舞う湯の花に戯れれば、日々のあれこれなんてあっという間に溶け去ってしまう。

5月上旬関東最後の秘湯の異名を持つ奥鬼怒温泉郷八丁の湯湯上りに鮮緑を愛でつつ飲む冷たいビール
13時過ぎにチェックインできたため、最初の一浴を終えても夕食まではまだまだ時間はたっぷり。頑張って早起きしてよかった。眩しい緑を浴びつつ飲む冷たいビールに、眼を細め頬を緩ませずにはいられない。

5月上旬関東最後の秘湯の異名を持つ奥鬼怒温泉郷八丁の湯混浴露天滝見の湯
ころり転がり畳の感触を噛みしめ、湯上りに微睡む静かな時間。夢と現の境を揺蕩う至福に身を委ね、ふと目覚めたところで再びお風呂へ。

滝つぼのすぐ脇に位置する滝見の湯は、3つある露天の中でも一番の大きさ。落ちゆく水の姿を愛でつつ手足を伸ばしてぼんやり浸かれば、ふっとこころの奥へと涼風が吹き込むよう。

5月上旬関東最後の秘湯の異名を持つ奥鬼怒温泉郷八丁の湯開湯時からある男性専用内湯
露天風呂にはシャンプー等はないため、頭を流すために内湯へ。男湯の渋い風合いの浴槽は、雪見の湯とともに開業以来からのものだそう。ふたつに仕切られた石造りの湯船には、とろんとした柔らかなお湯が掛け流されています。

5月上旬関東最後の秘湯の異名を持つ奥鬼怒温泉郷八丁の湯湯上りにランプを眺めながらぼんやり過ごす新館和室
いやぁ、いい湯だ。どの浴槽も無色透明の単純温泉ながら、温度や浴感、湯の花の量がそれぞれ違う。そして何より嬉しいのが、肌への即効性。到着後2回の湯浴みで、あっという間につるすべになってしまった。

5月上旬関東最後の秘湯の異名を持つ奥鬼怒温泉郷八丁の湯1泊目夕食
翳りゆく部屋で存在感を増すランプの灯りをぼんやり眺めていると、お待ちかねの夕食の時間に。一斉に開始とならないようずらして時間が指定されており、この日は17時半と少し早めの時間からいただきます。

食卓には、おいしそうな山の幸がずらり。早速地酒を頼み、ひとり嬉しい宴の開始。まずは前菜から。よもぎ豆腐にはふき味噌が乗せられ、ふわっと香るよもぎの清涼とふきのほろ苦さが相性ばっちり。口の中に春の風が駆け抜けます。

ごぼうとれんこんのきんぴらは、ほっくりとした食感とじんわり広がる根菜ならではの風味が堪らない。鴨のパストラミにはマスタードのソースが掛けられ、これまた地酒を誘う旨さ。日光といえばの生湯波にはだしのきいた餡が掛けられ、とろんとした豆の風味が舌の上でとろけます。

焼き物は、火の付いた陶板で自分好みに。山の宿に来たら食べたい岩魚の塩焼きは、ちょうど良い塩加減とほくほくの身がうれしいおいしさ。

分厚く切られた日光HIMITSU豚は、ぷりぷりとした甘い白身が豚好きには堪らない。ぽん酢や柚子胡椒、こく旨のからかんべ味噌と合わせる調味料により、また違った表情を味わえるのも嬉しいところ。

そして驚いたのが、揚げ湯波の旨さ。表面をこんがりきつね色になるまで焼けば、そとはサックサク中とろもちに。熱が加わり一層引き立つ豆の香りと旨味に、日光まで来てよかったとそう素直に思えてくる。

熱々を運ばれてきたのは、かぶに鶏団子、ミニトマトの蒸し物。薄味のおだしにトマトの旨味と酸味がほどよく溶け出し、心身の奥から温まるような沁みいるおいしさ。

5月上旬関東最後の秘湯の異名を持つ奥鬼怒温泉郷八丁の湯1泊目夕食メインの合鴨とサニーレタスのしゃぶしゃぶ
いやぁ、どれも旨いぞ。ほくほく顔で盃を重ねていると、今夜のメインである合鴨とサニーレタスのしゃぶしゃぶが。鉄鍋にはられたおだしを煮立て、つけだれとして適量を器にとってからいざしゃぶしゃぶ。

薄く切られた合鴨は、あっという間に良き頃合いに。赤身には合鴨ならではのしっかりとした濃い旨味が詰まっており、それでいて臭みがないのが驚き。分厚い白身には滋味と甘味が詰まっており、野性味ある赤身との共演に思わず笑みがこぼれてしまう。

そんなおいしい合鴨を一層引き立てるのが、このおだし。絶妙な薄口でありながら素材の旨さを引き立て、そんなおだしや合鴨の旨味をまとったサニーレタスがまた旨いこと。

いや、ちょっとこれには驚いた。合鴨をこんな食べ方したのは生まれて初めてですが、これほどまでにおいしいなんて。これがもっと濃いつゆなら、また印象は違ったはず。最後にご飯におつゆを掛け、ねこまんまで〆たのは内緒です。

5月上旬関東最後の秘湯の異名を持つ奥鬼怒温泉郷八丁の湯食後にゆったりと過ごすログハウス風のレストハウス
山の幸を素材を活かしながらご馳走へと昇華させた夕餉に、お腹もこころも大満足。早めの食べ始めだったため、外にはまだ明るさが。このまま部屋に戻るのも何となくもったいないので、木の温もりに包まれたレストハウスで食後のひとときを過ごすことに。

5月上旬関東最後の秘湯の異名を持つ奥鬼怒温泉郷八丁の湯レストハウスヒマーリカフェ&ガイドのテラス席で感じる夕刻の風
あぁ、なんて贅沢なんだ。こんなにたっぷり愉しんだのに、時刻はまだ19時前。その時間的ゆとりが、こころのゆとりにも繋がるのだろう。食後に吹かれる夕刻の風が、こんなにも心地よいとは。

5月上旬関東最後の秘湯の異名を持つ奥鬼怒温泉郷八丁の湯夜のお供に燦爛純米酒
あとはもう、お酒といで湯に揺蕩うのみ。そんな山奥の一軒宿の夜にと選んだのは、益子町は外池酒造店の燦爛純米酒。純米らしいお米感がありながら、すっと流れてゆくおいしいお酒。

5月上旬関東最後の秘湯の異名を持つ奥鬼怒温泉郷八丁の湯新館和室を照らすぼんやりとしたランプの灯り
いい宿だな。頑張って来て良かった。早くも八丁の湯の持つ世界観に溶けゆく、穏やかな夜。部屋を照らすランプは、こう見えて調光調色可能なLED。山小屋から続く情緒を残しつつ、便利さもしっかりと。これは人気も出るはずだわ。

5月上旬関東最後の秘湯の異名を持つ奥鬼怒温泉郷八丁の湯夜のお供に門外不出特別純米酒6割磨き
どこまでも深く静かな夜。じっくり穏やかに流れる時間を彩る、下野の酒。続いて開けたのは、小山市は西堀酒造の醸す門外不出特別純米酒6割磨き。しっかりとお米の味わいを感じつつ、飲み飽きしない旨い酒。

5月上旬関東最後の秘湯の異名を持つ奥鬼怒温泉郷八丁の湯ライトアップされた滝と新緑を愛でつつ浸かる滝見の湯
ランプに照らされぼんやりと酒を飲み、こころが欲したら再びお湯へ。ひんやりとした夜の空気、耳を愉しませる滝の音。眼を染める緑の鮮やかさを浴びつつまろやかなお湯に浸かり、自分というものが溶けて解けゆく様をただ俯瞰するだけ。

5月上旬関東最後の秘湯の異名を持つ奥鬼怒温泉郷八丁の湯湯上りに静けさに包まれたレストハウスへ
片道6時間かけてたどり着いた、最奥の関東。自分の暮らす街と同じ地方とは思えぬ静けさと湯の温もりに包まれ、じんわりじんわり、夜の深い部分へと沈み込んでゆくのでした。

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鮮緑したたる奥鬼怒へ ~ゆるっととちぎ大満喫~
5月上旬関東最後の秘湯の異名を持つ奥鬼怒温泉郷八丁の湯朝日を浴び輝く滝を眺めながら浸かる雪見の湯
2024.5 栃木
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●1日目(東京⇒八丁の湯)
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2日目(八丁の湯滞在)
●3日目(八丁の湯⇒鬼怒川温泉⇒栃木⇒佐野⇒東京)
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