錦零れる秋いわて ~いで湯ともみじに染められて 3日目~

休暇村岩手網張温泉で迎える秋の雨の朝

岩手山の麓で迎える静かな朝。今日はあいにくの雨予報、外を見てみればその通り秋色の木々もしっとりと濡れています。そんな雨の朝に味わう、静かな湯浴み。目の覚めるような秋空もさることながら、秋雨の肌寒さを感じる中で噛みしめる湯の温もりもまたいいもの。

休暇村岩手網張温泉1泊目朝食
穏やかな朝湯を楽しみ、お待ちかねの朝ごはん。朝食メニューも地のものを使った品々が並びます。まずは珍しく、小岩井の牛乳で乾杯。牛乳があまり得意ではない僕ですが、こうして飲むとやっぱり旨い。コクや甘味、風味はあるのに乳臭くない。美味しい牛乳、久しぶりに飲みました。

めざしやおから、きんぴらに高野豆腐と、白いご飯を美味しくしてくれるおかずたち。そんな中、特に印象的だったのが味噌とろろ。味噌も長芋も地元のものを使っているようで、程よい粘りと芋の風味に味噌の旨味がベストマッチ。気を付けなければご飯を何杯でも食べてしまいそう。

休暇村岩手網張温泉大釈の湯露天風呂
結局ご飯を食べすぎてしまい、満腹を抱えつつ部屋へと戻ります。時間を気にせずゴロゴロできるのも、連泊のいいところ。お腹も落ち着いたところで、大釈の湯へと向かいます。

休暇村岩手網張温泉大釈の湯露天風呂
降り続く雨のせいか、湯の花の量は昨日より多め。肌に秋の冷たさを感じつつ身を沈めれば、全身を包む温もりと湯の香り。柵の外には枯色のスキー場が見え、これが白銀に染まったなら、などとよからぬ妄想を抱いてしまう。

休暇村岩手網張温泉大釈の湯大浴場
のんびりじっくり岩手の秋を露天で吸い込み、内湯に浸かって仕上げを。大きな湯船には源泉が掛け流され、沈んだ湯の花と染まった石の色合いがその成分の濃さを感じさせます。

休暇村岩手網張温泉ゴロゴロと過ごす雨の午前
心地よい火照りを体の芯に宿し、敷きっぱなしの布団で甘美な怠惰に溺れるひととき。電気も点けず布団にくるまれば、雨に濡れた緑が窓を越して心にまで滲んでくるかのよう。

休暇村岩手網張温泉網張温泉館薬師の湯へと続く吊り橋
僕が網張温泉を知ったきかっけというのが、宿から7分程山へと入ったところにある仙女の湯。滝や沢に彩られた野趣溢れる野天風呂に憧れ、いつかはこの地へと思っていました。が、今日のこの天気ではなぁ。残念ながら、次回への宿題となりそう。

休暇村岩手網張温泉湯ノ沢大橋から望む雨に煙る紅葉
でもいいや、また来る口実ができたから。なんて早くも再訪の予感を抱きつつ、別館の薬師の湯へと向かうことに。宿から続く遊歩道には吊り橋も架かり、雨に濡れる木々を愛でつつちょっとした山歩き気分を楽しみます。

網張温泉館薬師の湯
5分程の秋色散歩を楽しみ、日帰り施設である網張温泉館薬師の湯に到着。休暇村の宿泊客ならば、無料で入ることができます。

建物や浴場には木材がふんだんに使用され、山のいで湯に相応しい雰囲気。源泉は宿と同じものを使っているようですが、引き湯の距離が長いからか、若干こちらのほうがまろやかに感じます。

網張温泉館薬師の湯網張中華そば
宿とはまた違った趣の中で網張の湯を味わい、雫石方面への雄大な展望を楽しめる休憩所へ。今日はここで昼食をとることに。注文したのは、網張中華そば。その見た目通りの王道のしょう油ラーメンは、湯上りの体にすっと染み入るような素朴な旨さ。

休暇村岩手網張温泉雲に隠れる秋色の岩手山
薬師の湯で湯浴みと食事を楽しみ、宿へと戻ることに。吊り橋を渡り階段を登り切れば、背後には幾重にも重なる色付く山々。山頂を隠す分厚い雲から下り来る靄が、秋色の山並みをより一層幻想的に。

休暇村岩手網張温泉2泊目夕食
部屋に響く雨音にぼんやりと心溶かされ、気が向けば湯屋へと通う穏やかな午後。連泊のもつ魔力にすっかりとやられたところで、気付けばあっという間に夕食の時間。楽しい時間とは、本当に速く過ぎてしまうもの。

今夜も山の幸を中心に、色々なものを少しずつ。ほたてひもの黄金和えはコリっとぷちっとの食感が美味しく、三陸産のわかめはからりと唐揚げに。ぱりっとした食感の後に広がる磯の香りは、初めて体験する旨さ。これ、絶対酒のつまみ。

ペンネには小岩井の乳製品が使われ、コク深いミルクの風味がたまりません。そして目を引くのが、盛岡名物のじゃじゃ麺。自分でうどんをさっと湯通しし、肉味噌を掛けて出来上がり。麺喰いの僕は、案の定おかわりしてしまいました。

休暇村岩手網張温泉2泊目夕食岩手産しいたけとりんごの天ぷら
そして今夜も、美味しい岩手県産のステーキと天ぷらを。しいたけは肉厚で香り豊か、噛めばジュワっと旨味が溢れます。そして衝撃的旨さだったのが、りんごの天ぷら。

名産地岩手だけあり元々のりんご自体が美味しいのでしょうが、衣と油気を纏ったりんごは絶品のひと言。生でも煮えすぎでもない絶妙な火の通りは、天ぷらという調理法だからこその仕上がり。もちろんこれも、おかわりです。

休暇村岩手網張温泉2泊目夕食せんべい汁ときのこご飯
地酒片手に味わう、地のものたち。そんな夕餉を締めくくるのは、秋らしいきのこご飯と郷土料理であるせんべい汁。小麦からできた南部せんべいは汁を吸い、麩でも麺でもない独特な旨さに変化。他に喩えようのない魅惑の食感は、食べる者を虜にしてしまう。

休暇村岩手網張温泉夜のお供に龍泉八重桜特別純米
食卓一杯に並ぶ旅館料理や、一品ごとに供される会席風。旅先ではそんな夕食を好む僕ですが、これだけ地のものが揃うならバイキングもいいかもしれない。変な先入観は持たないほうがいい。そんな当たり前のことを、身をもって実感。

食後の満腹感も収まったところで、今夜のお供を開けることに。まずは岩泉は泉金酒造の、龍泉八重桜特別純米を。名水で知られる龍泉洞の水で仕込んだというお酒は、その印象の通りすっきりと清らかな飲み口。一口飲めば、旨味や香りとともにすっと五臓六腑に沁みてゆきます。

休暇村岩手網張温泉夜のお供にわしの尾北窓三友
続いては、八幡平のわしの尾が醸す北窓三友。岩手山の別名巌鷲山から名付けられた鷲の尾は、僕の好きな銘柄のひとつ。岩手山の湧水で醸された純米酒は日本酒らしさのあるしっかりとした味わいで、それでいながら飲み飽きない旨い酒。

休暇村岩手網張温泉大釈の湯へと通ずる廊下に灯る提灯
古の時代、蔓草の網を張り魑魅魍魎から守ったとされる網張温泉。藩政時代には、山岳信仰により一般人の立ち入りを制限するために、南部藩が網を張ったという言い伝えもあるそう。

それほどまでに、古くから守り続けられてきた山のいで湯。季節天候により様々な色に変化するというそのお湯は、人々の目に不思議なものとして映ったのかもしれない。

今回は雨の秋色の中、ささにごりの湯だった。それならば新緑や白銀の中、違う色にも出会ってみたい。そんな妄想と湯の温もりに染まりつつ、雫石での静かな夜は過ぎてゆくのでした。

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