感碧Summer! ~やえやまのなつやすみ 3日目 ②~

夏の竹富島そば処竹乃子

1年ぶりの竹富の青さを浴び、心も焼かれたところでお昼の時間に。コンドイビーチから集落の中心方面へとのんびり歩き、今年も『そば処竹乃子』にお邪魔します。

夏の竹富島そば処竹乃子テラス席で風を感じながら飲む冷たいオリオンビール
こちらには店内とテラスの2種類の席があり、順番待ちの名簿に記名する際に選べるようになっています。そして僕らは、今年も迷わずテラス席へ。

まずは腰掛け、冷たいオリオンビールを。灼熱の陽射しはパラソルで遮られ、テラス席には想像以上の涼しい風が吹き渡ります。あぁ、この感覚。2年前、生まれて初めて沖縄の地に降り立ち、水牛車と三線の感動の余韻に浸りながら味わった感覚が甦る。あの時五感全てに走った電流に、自分の知らなかった南国属性をはっきりと認識したのです。

夏の竹富島そば処竹乃子テラス席で食べる八重山そば
あの時に受けた鮮烈な衝撃を思い出しつつ、カリカリポークつまみに感じる喉への冷たい刺激。この八重山の鮮やかさを、こうして再び三度と味わえるという幸せに心ゆくまで浸ります。

珊瑚の石垣の外に広がる眩しさと幸福感に心酔していると、お待ちかねの八重山そばが運ばれてきました。まずはスープをそのままひと口。すると広がる、穏やかな滋味。

2年前、生まれて初めて口にした八重山の味が、このそばだった。東京で食べる沖縄そばとは一線を画す、調和のとれた柔和な味わい。かつおだしがでしゃばることもなく、口に含めば何だしベースなのかと考える間もなくすっと体に浸透するような優しさ。その初めての感覚に、一瞬にして八重山の味が自分好みだと直感したことを思い出します。

何か突出するものがない、適度なバランスというものを体現したかのようなスープ。そんな穏やかさにピッタリと合う、独特な八重山そばの麺。つるっと、しかしいい意味で小麦のもさっと感を味わえる麺は、食べてみなければ分からない唯一無二の存在感。

優しいスープと素朴な麺の協演を楽しんだ後は、そばには欠かせないコーレーグースとピィヤーシを好みの加減で加えます。その途端、がらりと変わるその味わい。

竹富島の珊瑚でできた石垣に自生するという島胡椒をひいたピィヤーシは、ふわっと広がる優しい華やかな風味が印象的。島唐辛子を泡盛に漬けたコーレーグースの辛味が全体をピリリと引き締め、ふんわりと漂う泡盛の香りとアルコール感が独特の旨味を添えてくれます。

あぁ、やっぱり旨いなぁ。八重山そばは本当に旨い。お昼は毎日八重山そばでいいや。いや、八重山そば「が」いい!そうしみじみ思いつつ旨さを噛みしめていると、あっという間に完食。温かいそばに誘われ噴き出た汗も、石垣越しに吹く風を感じれば心地よさすら感じます。

夏の竹富島珊瑚の石垣と赤瓦、彩りを添えるハイビスカス
旨かった!また来年!!竹富島に来たら絶対に食べたいそばを心から味わい尽くし、お店を後にします。

食後の満足感と風が汗を乾かす感覚を楽しみつつ歩く、竹富の集落。珊瑚の石垣の渋さに映える、鮮やかな赤瓦。揺れるハイビスカスが、時が止まったかのような静の世界に、生という華を添えるよう。

夏の竹富島鮮やかな陽射しの下木陰で休む牛たち

竹富島の象徴ともいえる古くからの街並みを抜け、港方面へとのんびり、ぷらぷら。目にも眩しい鮮やかな陽射しの下には青々とした草地が広がり、木陰には牛たちが涼を求めて集います。

夏の竹富島草を食む2頭の馬
僕の知る牧歌的風景とは全く違う、もう一つの牧歌的光景。陽射しの強さがそうさせるのか、それとも植生が違うからか。そもそも、それらを含め感じる全てが自分の日常のには無いものだからか。

何だろう、この八重山を包む独特な空気は。それがものすごく心地よく、それを味わいたいがために遠くてもこうして来てしまう。僕にとってここへの旅は、夏に無くてはならない生き甲斐のようなものになってしまったのかもしれない。

安栄観光ぱいじまに乗船し竹富島から石垣港を目指す
やっぱり竹富島は最高すぎる。ほんの数時間の滞在だったはずなのに、持ち帰る充足感は計り知れない。流れる時間軸が明らかに違うとしか考えられない。島に漂う穏やかさを心にしまい、竹富島を離れます。

安栄観光ぱいじまは竹富港を離岸し島が遠ざかる
エンジンが高鳴ったかと思えば、船はゆっくりと離岸。幸せの詰まった竹富島が、少しずつ遠ざかってゆく様を見つめます。でも今回は全く切なくない。だって、ここへ通うためにあのホテルを選んだのだから。

石垣の島影を見ながら爆走する安栄観光ぱいじま
初めての八重山で初っ端に訪れ強烈な感動を受けたのが、竹富島。前回は旅の終わりをここで締めくくり、今年は行きやすいようにと市街地滞在へ。2度3度と訪れても色褪せない、この感動。そして回を重ねる毎に増す、安らぎと愛着。

僕はもうすっかり中毒になってしまったのかもしれない。訪れる度に大きな癒しをくれる竹富島に感謝し、爆走する船に揺られ石垣島へと帰るのでした。