濃厚チカラ湯、ほくほく泉。~秋のはじまり松之山 3日目 ③~ | 旅は未知連れ酔わな酒

濃厚チカラ湯、ほくほく泉。~秋のはじまり松之山 3日目 ③~

10月上旬初秋の清津峡渓谷トンネル入口坑口 旅行記

日本三大峡谷のひとつに数えられるという清津峡。その散策には、この『清津峡渓谷トンネル』を利用します。早速僕も入口で入場料を払い、いざ入坑!

10月上旬初秋の清津峡渓谷トンネル様々な色でライティングされる坑内
かつては川沿いに遊歩道が整備されていたそうですが、落石事故により通行止めに。地盤のもろさや国立公園内という制約もあり、新たな遊歩道の整備は断念。その代替として、このトンネルが建設されました。

10月上旬初秋の清津峡渓谷トンネル妖しい雰囲気の坑内
以前は普通のトンネルだったようですが、十日町周辺で開催されているアートイベントに合わせてリニューアルされたそう。坑内はエリアにより妖しい色味でライティングされ、清津峡にまつわる展示を交えつつ750mの道のりを飽きることなく歩けるようになっています。

10月上旬初秋の清津峡渓谷トンネル素掘りモルタル吹付の妖しい坑内
進んでゆくごとに雰囲気を変化させる坑内。中にはモルタル吹付の素掘り部分もあり、妖艶な照明と流れる音響により何とも言えぬ独特の世界観。桃色に照らされ凹凸を浮かべるトンネルは、地球の体内というものを強く感じさせるよう。

10月上旬初秋の清津峡渓谷トンネル第一見晴所
全長750mのトンネルには途中3ヶ所の見晴所が設けられており、そこから清津峡のダイナミックな景色を望めるようになっています。

10月上旬初秋の清津峡渓谷トンネル第一見晴所から眺める渓谷美
第一見晴所から外を見てみれば、斜めに伸びる無数の柱状節理とそれを削る川の流れ。谷には崩れた岩が堆積しており、いやここに遊歩道は無理だろうと否応なしに納得させられるような厳しさを感じます。

10月上旬初秋の清津峡渓谷トンネル第二見晴所の独特な世界観
清津峡の迫力に圧倒されつつ進んでゆくと、続いて第二見晴所に到着。岩盤と緑にむかって収束してゆくストライプに、思わず吸い込まれてゆきそうな錯覚が。

10月上旬初秋の清津峡渓谷トンネルマジックミラーで外が見える第二見晴所のトイレ
中央に佇む銀のカプセル、実はトイレ。渓谷側の個室は上半分がマジックミラーになっており、中からは外が丸見えに。外からは見えないと分かってはいるものの、実際使ってみると妙な居心地の悪さと背徳感に襲われます。

10月上旬初秋の清津峡渓谷トンネル第二見晴所から見下ろす清らかな渓谷と見事な柱状節理
独特な世界観に目が行きがちですが、ここからの眺めもまた圧巻そのもの。見下ろせば美しい青さを湛える水の流れと、それに突き刺さるようにして連なる柱状節理。

10月上旬初秋の清津峡渓谷トンネル第二見晴所から望む絶壁
視線を横へとずらせば、圧迫感すら覚えさせるような絶壁が。この岩盤を、長い年月をかけて水の流れが削り続けている。今この瞬間も、極僅かずつではあるが峡谷は成長を続けています。

10月上旬初秋の清津峡渓谷トンネル第三見晴所
さらに奥へと進み、第三見晴所へ。散らばるミラーとオレンジの灯りが、怪しげな雰囲気を醸し出しています。

10月上旬初秋の清津峡渓谷トンネル第三見晴所から眺める見事な柱状節理
第三見晴所の目の前には、ごつごつとはっきりとした角をもった見事な柱状節理の壁が。垂直ではなく斜めに突き刺さるように並ぶ独特の景観が、清津峡の迫力を一層深めているのかもしれない。

10月上旬初秋の清津峡渓谷トンネル第三見晴所に迫る断崖絶壁
視線を上げれば、首が痛くなるほどの高さまで聳える断崖絶壁。取り付く島もない。ひとりでにそんな言葉が浮かんでしまうような圧迫感。

10月上旬初秋の清津峡渓谷トンネル終点のライトケーブ
坑内に満ち溢れる妖艶な世界観と、清津峡を包む幽玄な世界。その対比を愉しんでいるとあっという間の750m、ついに終点のライトケーブに到着。僕は「映え」とかには全く興味がないのですが、この光景には思わず息を呑んでしまう。

灰色に満ちた坑内、その先に広がる岩盤の重たい色味。それらを一層深めるかのような今日の曇天が三位一体となり、胸の奥へと沈み込むような迫力をもって押し寄せてくる。

10月上旬初秋の清津峡渓谷トンネル終点ライトケーブから望むダイナミックな峡谷美
水盤部分は左右が浅くなっており、そこを歩いて先端まで行ってみることに。その先に広がるのは、幾重にも重なる分厚い岩壁と、それを刻み続ける清津川。

川の流れる方向に、斜めに傾く柱状節理。奥へ奥へと誘うような独特な光景に、意識が遠くへと行ってしまいそう。ふと我に返り川沿いに目をやれば、へばりつくようにして残る遊歩道の廃道が。

ひえっ、トンネルでなければ僕は無理だわ。鉛色の空と黒々とした岩盤、そして絶えず轟く水の音。威圧感すら覚える自然の造り上げた造形美に、畏れという感情が自ずと湧いてくる。

初めて訪れた清津峡。人工物であるトンネルと、それを彩るアートという人間の創り出した概念。でもそれらはやっぱり自然には敵わない。マグマの造り出した柱状節理、それを刻む水が生んだ峡谷美。自然が一番アートなのでは。そんなことを思いつつ、壮大なこの光景を眼に心に焼き付けるのでした。

濃厚チカラ湯、ほくほく泉。~秋のはじまり松之山~
10月上旬初秋の松之山温泉凌雲閣力漲る濃厚な湯
2022.10 新潟
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