憧れの島。初の沖縄にして初の離島、更にその先のあの島に来てしまうなんて。そうこの島は、竹富島。沖縄の古き良き姿を残しているという、有名な島です。
粗く積まれた珊瑚の石垣、屋根は特徴的な赤瓦、そしてそれらを強烈に照らす青空に、絵に描いたような入道雲。言葉を失くす、久々にこの感覚を味わいます。
竹富島の港に着くと、レンタサイクルや水牛車の送迎車が数多く停まっており、自分の利用したい施設の車を見つけてその場所まで送ってもらいます。
今回は、余りにも有名な竹富島名物である水牛車を運行する、『新田観光』にお世話になることに。今回車を曳いてくれるのは、ベテランの水牛、さぶろう君。島巡りのコースを熟知しているとのことで、バス程の長さの車を、石垣ひとつも崩さず細い集落の道をゆっくり曳いてゆきます。
賢いさぶろう君の背中越しに眺める、竹富島の集落。古い家並みやシーサーを眺めるだけで、ここが本当の沖縄なんだと心酔してしまいます。そしてガイドさんの語る観光案内。沖縄独特のイントネーションを生で聴いている。僕は今、沖縄に居る!ここに来てようやく実感が湧いてきたようです。
30分程掛けて集落内を一周する水牛車ツアー。その締めには、三線の生演奏で唄う安里屋ユンタが。三線の独特の響きに乗せて聞こえてくる言葉を聞けば、理屈抜きにして目頭が熱くなってくる。
この景色、この空気、この暑さが、きっとそうさせるのかもしれない。僕が三味線で理由なき感動を覚えるのは津軽三味線以来初めて。無条件に心に沁みてくる、そんな音色は一生忘れられない大切な宝物。
羽田を発ってから6時間後には、竹富島に染まっていた。何だかもうずっと沖縄にいるような錯覚に襲われそうな濃厚さ。そして記念すべき初の沖縄グルメを。『そば処竹乃子』であの名物を味わっちゃいます♪
時刻は丁度お昼時。席が空くのをしばらく待ち、ようやく対面できた、八重山そば。本場の八重山そばは初めてなので、もう食べる前からワクワクが止まりません。
そして待望のひと口目。まずはおつゆから。かつおだしがベースとなっていますが、いわゆる鰹臭さ、主張は余りなく、物凄く優しい味わい。胃に辿り着く前に体に染みてゆきそう、そんな穏やかさ。
麺は独特の食感で、中華麺をもっとしっかりさせ、茹で置きしたという感覚。でものびている訳ではなく、しっかり食べ応えのある麺。いやぁ、こりゃ旨い!
何も入れずに愉しんだ後は、沖縄独特の香辛料を入れて愉しみます。まずはピィヤーシ。初めて目にするこの粉は、竹富島の石垣に自生する胡椒の仲間だそうで、辛味よりも独特の香りが特徴。振り入れると一気に南国感が増します。
そして極めつけは、何と言ってもコーレーグース。これを入れるのと入れないとでは、全く違う食べ物。それ位、沖縄そば、八重山そばには欠かせない調味料です。
泡盛の独特の香りとアルコール感、そして島唐辛子の華やかな香りと潔い辛さ。もうね、コーレーグース込みのおそばだと思うんですよ!そう力説したくなるほどのマリアージュ。
初の沖縄グルメに八重山そばを選んで大正解!テラス席で汗を流しつつ一気に平らげ、独特な表情をしたシーサーにごあいさつしお店を後にします。
いやぁそれにしても本当に旨かった。こうして記事を書いているだけで、あの味が恋しくなる。気軽に食べに行けない距離なのがひどく悲しく思えます。
石垣島への船は頻繁に出ているので、帰りの時間を気にせず少し集落の外へと足を延ばしてみることに。まず向かったのは、島の西側に位置するコンドイ浜。絵に描いたような白いビーチの先には、見たことも無い色をしたきれいな海。
その美しさに居てもたってもいられず、早速海へ。こうなるだろうと思い、家から畳表のサンダルで来て大正解。最初サンダルで飛行機?と思いましたが、羽田の一角だけみんなビーサン姿。沖縄に来るなら、間違いない選択です。
延々と広がる遠浅の海は、どこまででも歩いて行けそうなほど。海水は想像以上に温かく、まるでぬる湯の温泉のよう。そんな清らかな海を心地よく歩きますが、足元にはご注意を。ものすごい数のナマコがいるので、踏んでしまわないように気を付けます。
すると、空からぽつぽつと雨が落ち始めました。すぐに屋根のある場所に避難すると、程なくして南国を強く感じさせるスコールが。
東京の雷雨のようなものではなく、さっと来て、サーっと雨を降らせて、さっと去ってしまう。単なる雨なのですが、何だか外国に来ているような、僕の知っている雨とは違う表情をしています。
そしてスコールの去った海へと入ると、先程とは違い心地よい冷たさが。沖縄の天気の変わりやすさを垣間見た気がします。
美しいコンドイ浜を楽しみ、南下してカイジ浜へ。こちらは看板に書いてある通り星砂の浜とも呼ばれ、有名な星の砂が見つけられるそう。こちらは遊泳禁止になっている分人も少なく、静かに海を眺めることができます。
僕も早速星の砂探しを始めますが、これがなかなか見つかりません。周りの人も同じようで、見つけられたらラッキーなのかもしれません。
その代わり、足元にはたくさんの珊瑚が色々な形で目を楽しませてくれます。こんなに当たり前に珊瑚が落ちてるなんて。これまで出会ったことの無い浜の姿に、今自分が別世界にいることを強く感じます。
水牛車と美味しい八重山そば、そして美しい海を味わわせてくれた竹富島。そんな竹富島さんぽはまだまだ続きます。
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