白銀の奥羽路 ~スキーに秘湯、冬の旅 5日目 ①~ | 旅は未知連れ酔わな酒

白銀の奥羽路 ~スキーに秘湯、冬の旅 5日目 ①~

夜明け前の鶴の湯 旅の宿

まだ夜も明けきらないうちに目が覚め、暗い中をお風呂へと向かいます。ろうそくの火も消え、昨日とはまた違う表情を見せています。

早朝の鶴の湯

紺色の世界に浮かび上がる湯屋。キリリと締まった朝の空気の中、静かにお湯へと入ります。やはり朝風呂はいい。寝ぼけた頭をすっきり覚ましてくれる。

ぬるめのお湯にじっくり浸かりながら、明けゆく空の色の変化を楽しみます。普段こんなに自然の情景、時間の移り変わりを感じたことはあるだろうか。いつもは見逃しているような、ちょっとした美しさにも気付かせてくれる。鶴の湯では本当に命の洗濯ができます。

乳頭温泉郷鶴の湯の朝食

夜もすっかり明けて朝になったところで朝食を。朝食は本陣にある食事処でいただきます。昨日のおじさんが、丁度囲炉裏空いてるから座って、と案内してくれました。部屋の囲炉裏の火は消えていたので、久々の炭火の温かさ。

温かい奴にきのこのお味噌汁、魚の甘露煮、蕗のお浸し、山菜の炒め煮ととんぶり納豆。朝から美味しそうなおかずがずらっと並びます。お風呂に入ると不思議とお腹が空くもの。朝からしっかり美味しくいただきました。

湯にけむる鶴の湯雪見露天風呂

出発の時刻までまだ余裕があるので、もう一度お風呂へ。これが今回最後の湯浴み。昨日は降っていなかった雪が、雪国の秘湯らしさを演出します。

たった一泊のうちに、何度も何度もその表情を変える鶴の湯。できることなら1週間ほど湯治に来たい。1週間いても、きっと飽きさせることなく、様々な表情、魅力を感じさせてくれるのでしょう。

決して簡単に来られるような場所ではない。次にこのにごり湯に包まれるのはいつになるだろう。そう思い、時間が許す限り、このお湯を心に刻みました。

雪に埋もれた鶴の湯

いよいよ出発の時間が。もう一度、振り返ってこの目に鶴の湯を焼き付けます。2年越しの夢が叶っての初宿泊。願っていれば、また必ずこの場所に立つことができるはず。それまで日々を頑張ろう、再訪を決意し、鶴の湯を後にしました。

いいお湯、そしていい時間をありがとう。宿の皆さん、これからもずっとこのいい秘湯を守り続けていってください。

着雪したE3系こまち号

田沢湖駅からは、再びこまち号で盛岡を目指します。雪に埋もれたこの景色も、もう見納め。まぶしい程の白銀の世界を、もう一度しっかり味わいます。

冬晴れの盛岡駅

盛岡駅に到着。秋田の雪深さに比べると、こちらの空の色はなんだか温かさがあります。帰りの新幹線の時間まで、盛岡をぶらぶらお散歩。

盛岡ぴょんぴょん舎

時刻は丁度お昼時。盛岡名物の冷麺を食べに、駅前の『ぴょんぴょん舎』に入ります。ここは前回盛岡に来た際に立ち寄ったことのあるお店。

店内にはスーツ姿のサラリーマンがたくさんいて、みんな冷麺を食べています。東京では見られない光景に、冷麺が地元の人にどれだけ愛されているかが垣間見えます。

ぴょんぴょん舎の盛岡冷麺

こちらがその冷麺。辛さは注文時に選べ、キムチを別盛りにすることもできます。スープは若干甘めの、コクのあるしっかりした味。ダシの旨味が強く感じられ、東京でありがちな水っぽい冷麺とは一線を画すもの。

麺は白くコシの強い麺。その麺がスープと絶妙に絡まり、口の中へと入っていきます。キムチも辛いだけでなく旨味の濃いおいしいキムチ。それを溶かしながら、ダシの味の変化を楽しみつつ頂きました。

東京で食べる盛岡冷麺は、韓国冷麺の出来損ないのようなものばかりで、はっきり言って嫌いな食べ物でした。

それが本場盛岡で食べる冷麺は全くの別物。こんなにおいしい冷麺だとは思っていなかったので、初めて食べたときはビックリしました。今回2度目ですが、そのおいしさは全く変わっていません。

白銀の奥羽路~スキーと秘湯、冬の旅~
白い雪をまとった安比高原の木々
2010.2 岩手/秋田
旅行記へ
1日目(東京⇒安比高原)
2日目(安比高原)
3日目(安比高原)
●4日目(安比高原⇒鶴の湯)
 //
●5日目(鶴の湯⇒盛岡⇒東京)
 /

コメント

タイトルとURLをコピーしました