名古屋のひつまぶしから始まった冬の食い倒れ旅も、いよいよ最後の時。新幹線の時間までじっくり飲んでやろうと、京都の駅前近くでお店を探してぶらぶら。その中で目に留まった『一瞬』にお邪魔してみることに。
まずは鴨を食べたいという相方さんの希望で、鴨と九条ねぎの溶岩焼きを注文。熱々の溶岩プレートの上で鴨がじゅうじゅういっています。
共に載せられたねぎは生の状態で、自分の好みのタイミングで食べることができ、シャキシャキも良く焼きも味わえます。シンプルな味付けで、鴨とねぎの美味しさをしっかり楽しめます。特に九条ねぎの旨いこと。ねぎ好きにはたまりません。
続いてはから揚げを。さくさくに揚げられた唐揚げは色の通り薄味で、調味料や香辛料に邪魔されない鶏の美味しさとジューシーさを楽しめます。濃口しょう油ベースの唐揚げが好きな僕ですが、こういう唐揚げも良いものです。
お次は関西と言えば、のだし巻卵。こんなに薄い色をしているのに、だし味がしっかりと付いています。やはり関西はだしが旨い。東京へ帰りたくなくなってしまいます。
続いては揚げ出し生麩ときずし。生麩好きの僕にとってはもう最高のひと言。もっちりとした美味しい生麩に、これまた美味しいだしがしっかりと絡み、言うことありません。
そして衝撃だったのが、このきずし。所謂しめ鯖ですが、東京の酢をベースとして〆たものとは全く違い、こちらのものは塩で〆たもの。これがね、本当に旨いのです。
鯖の旨味が塩でギュッと凝縮され、嫌な酸っぱさも全くなし。もう京都の酒が止まりません。なんで東京のしめ鯖は酢なんだろうか。こっちの方が断然良いのに。
最後は、僕の好物お漬物の盛り合わせで締めくくり。きゅうり、白菜、赤かぶといったシンプルなラインナップですが、どれも丁度良い漬かり具合で美味。京都の漬物をつまみに京都の酒を飲む。そんな京都とももうすぐお別れです。
最後の最後まで、美味しいものを愉しんだこの旅も間もなく終わり。ほろ酔い気分で眺める京都タワーは、その名残惜しさをより一層駆り立てます。
そしていよいよ新幹線の時間に。今回の旅は、城崎温泉以外はほぼ全て、食べ物メインの行程。こんな旅行は初めてでしたが、どれも美味しいもの尽くしでもう大満足。幸せ気分で新幹線に乗り込みます。
そして最後の最後まで気を抜けないのが、このグルメ旅。京都駅の新幹線コンコースのお土産屋さんで見つけてしまった、大好きな英勲の純米大吟醸、一吟を衝動買い。
今の時期、それも数量もわずか、私もほとんど扱わない、そんなお土産屋さんの店員さんにすっかり乗せられてしまいました。
立派な木の箱を開けると、ちょこんと鎮座する一合瓶。やっぱり大吟醸は高いなぁ、なんてひと口飲んでみると、文字通りの衝撃の旨さ。香りが強くて甘ったるいイメージの大吟醸ですが、この一吟は、英勲の美味しさ、いいところだけを凝縮したような印象。
香りも甘味も旨味もしっかりと凝縮されているのに、全く嫌みがない。これには大吟醸嫌いの相方さんも仰天していました。英勲、期待を絶対に裏切らない酒です。
あれだけ食べて飲んでしたのに、まだ食べるのかよ。そんなことは気にせず、車内で最後のグルメを楽しみます。
というのも、前回相方さんが帰省した帰りにたまたま食べたというこの駅弁。駅弁とは思えないほど旨いと、さんざん聞かされたこの弁当。それが仕込んであったかのように2つだけ残っていたんだから、買わない手はないでしょう。
八坂邸京焼肉懐石弘というお店が出す、このお弁当。蓋を開ければ、自信の表れともいえる、大きい一枚肉とねぎ1本という潔さ。
厚めにスライスされた大ぶりなお肉。お弁当箱に入らないので、折りたたまれて載せられています。一口噛めば、牛の旨い脂がじんわりと口に広がり、本当に弁当とは思えない旨さ。
時間がたって冷えているのにこんなに旨いなんてありえない。そしてまたたれが絶品。にんにくのきいたたれは濃すぎず、牛の旨さを最大限に引き出しています。
このお店は、『ミートショップヒロ』という京都の黒毛和牛専門店が出しているお店だそう。余りにも美味しかったので、後日ここの通販で焼き肉のセットをお取り寄せしてみました。いやぁ、美味しかった。あの肉質とボリュームであの値段。牛をお取り寄せするときは、もうここしか頼まないことでしょう。
ひつまぶしから始まり、松阪牛、的矢のかき、ふぐに但馬牛、地鶏に豆腐と、どれも旨いもの尽くしで過ごした5日間。英勲片手に、その余韻を愉しみます。
今回の旅は、文字通り食い倒れ。城崎温泉以外は、ほとんど食べることだけが目的でした。その目的を果たすかのように応えてくれた、美味しいものの数々。旅費を節約した分、全部食べ物に回す。こんな贅沢な旅行も、たまにはいいものです。ごちそうさまでした!!
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