晩秋しみじみ信濃路へ ~紅葉と翡翠に染まる旅 4日目 ④~ | 旅は未知連れ酔わな酒

晩秋しみじみ信濃路へ ~紅葉と翡翠に染まる旅 4日目 ④~

11月中旬の須坂秋色に彩られる墨坂神社芝宮の境内 旅行記

初めて訪れる須坂の街。次はどんな景色に出会えるのかと歩いてゆくと、広い交差点の角に溢れる秋色を発見。天高い空と色づく木々との共演に、誘われるかのように歩みを進めます。

11月中旬の須坂秋の気配漂う墨坂神社芝宮
市街地の中にありながら、立派な木々に守られる墨坂神社芝宮。重厚な石鳥居と葉を落とした大木との対比は、秋の暮れの気配を感じさせるかのよう。

11月中旬の須坂墨坂神社芝宮の立派な石の太鼓橋
鳥居をくぐると、こんもりと見事なアーチを描く太鼓橋がお出迎え。石橋に宿る渋い色味と、一面に積もる落ち葉の枯色。それらを照らす西日の輝きに、郷愁を感じずにはいられない。

11月中旬の須坂秋色に染まる墨坂神社芝宮の拝殿
心のすくような秋空のもと佇む、立派な拝殿。土台にはぼたもち石が用いられ、経た時の長さを感じさせる木の風合いと共に、静かなる荘厳さを漂わせます。

11月中旬の須坂荘厳な彫刻を施された墨坂神社芝宮の拝殿
お参りしようと近づけば、目を引く入母屋に施された幾多もの彫刻。空を翔ける鳳凰に、海を泳ぐ立派な亀。それらを守るかのように獅子や象が睨みを利かせ、その繊細かつ重厚な美しさに思わず見入ってしまう。

11月中旬の須坂墨坂神社芝宮境内の大銀杏
お参りを終え、落ち葉を踏みしめ歩く境内。晩秋の気配が漂うなか、今年最後の輝きを放つかのように一身に染まる大銀杏。秋だなぁ。本当に、秋だなぁ。これまでいくつもの旅先で秋を感じてきましたが、その度ごとにこの季節が好きになってゆく。

11月中旬の須坂蔵の点在する街
静かな境内で存分に秋色に染まったところで、再び歩みを進めます。ここ須坂は、本当に蔵の多い街。先ほど歩いた蔵の町並みだけでなく、進むごとにいくつもの蔵に出会います。

11月中旬の須坂旧小田切家住宅に咲く大輪の菊
かつての豪商のお屋敷であったという、旧小田切家住宅。現在は収蔵品の展示やカフェなど、複合的な文化施設として公開されています。その立派な長屋門を覗いてみると、可憐な菊の奥に連なるいくつもの建物。これらは明治時代に建てられたそうで、当時の繁栄を偲ばせます。

11月中旬須坂街に多く残る蔵
あてもなく、のんびり歩く秋の午後。地図も見ず、気になる方向に曲がってみれば、歴史を感じさせる街並みが迎えてくれる。歩いていて楽しい街だから、もっと先へと進んでみたくなる。

11月中旬の須坂独特な佇まいの枠屋の建物
街並みに溶け込む白壁の土蔵が目立つ中、一風変わった独特な佇まいの建物が。大きなうだつが目立つこの町家は、明治時代に建てられたものだそう。

11月中旬の須坂枠屋の美しい窓の格子
得も言われぬ雰囲気に近づいてみると、窓には装飾の施された格子が。富士山に扇子、帆掛け船・・・。これ、僕の好きなやつ。何となく、6年前に訪れたあの宿と通ずるものがある。

11月中旬の須坂いたるところに蔵の点在する街
ふと思いつきで訪れた、初めての須坂。ほとんど予備知識もなく立ち寄った街が、こんなに歩いて楽しいところだったなんて。こんな思いがけない発見があるからこそ、旅はやめられない。そんな旅の悦びを今一度教えてくれる須坂の街歩きは、まだまだ続きます。

晩秋しみじみ信濃路へ ~紅葉と翡翠に染まる旅~
秋色の風情にあふれる善光寺
2020.11 長野
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●1日目(東京⇒長野⇒熊の湯)
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2日目(熊の湯滞在)
3日目(熊の湯滞在)
●4日目(熊の湯⇒小布施⇒須坂⇒長野⇒東京)
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