咲花駅から2時間半、濃密な汽車旅の末に到着した、喜多方駅。ホームへと降りると、駅長さんや観光協会といった大勢の人々に混じり、僕の大好きなあかべぇがお出迎え。一気に会津まで来たという実感が湧きます。
ばんえつ物語は喜多方駅でたくさんの乗客を降ろし、汽笛一声響かせてゆっくり、ゆっくりと旅立ってゆきます。
これまで途中で下車することがなかったので、このC57180を見送る寂しさは初めて。会津若松までもう少し。あとひと踏ん張り、頑張るんだよ!そしてまた、逢いに来るからね!
あぁ、貴婦人が行ってしまった・・・。そんな寂しい気持ちで改札を抜けると、駅構内でSLの乗客向けにきんつばが振る舞われていました。
中身は小豆と落花生の2種。今川焼きのような生地に甘さ控えめな餡がよく合い、昼食前ですがぺろっと平らげてしまいました。
東京から新潟経由、足掛け3日をかけて辿りついた喜多方駅。ここへ降りたつのは5年振りのこと。前回の想い出が一瞬にして蘇ります。
喜多方観光は明日に取っておくことにし、まずは喜多方と言えばのアレで腹ごしらえ。駅から歩いて7分程の『源来軒』にお邪魔します。こちらのお店は、大正時代に中国からやってきた方が屋台から始めたお店だそう。喜多方ラーメンの元祖、とも言われています。
瓶ビールを飲みつつ待つことしばし、お待ちかねのラーメンが登場。チャーシュー、メンマ、なるとにねぎと、これぞシンプルな中華そばという姿に期待が膨らみます。
まずはものすごく澄んだきれいなスープをひと口。もうね、やっぱり喜多方は水が違うんだと思うんですよ。
これほど透明感があるのに、鶏がらのコクや旨味、そしてしょう油の香りがものすごく詰まっている。美味しい水だからこそ美味しいだしが取れ、旨味や香りの邪魔をしない。水の柔らかさを感じる丸みのある美味しさ。
そして麺をすすれば、やっぱり旨い!つるっつるもっちもち、口当たりと喉越しの良い麺。これも美味しい水のなせる業なのでしょう。こんな美肌な麺はなかなか味わえません。
今回2度目の喜多方ラーメンでしたが、もうすっかりその旨さの虜に。ご当地ラーメンが乱立する中ではインパクト小さ目でしょうが、この清らかな旨さというものは、素材と水が良いこの土地ならではのもの。
これは絶対に現地で食べなければ味わえない美味しさ。お土産を買って帰ったとしても、スープを割る水や麺を茹でる水が現地のものでなければ、きっとこの澄んだ味わいにはならないはず。
最近では様々なご当地ラーメンが流行る中で、奇をてらわず、それでいて現地ならではの旨さをしっかりと味わわせてくれる。有名どころの喜多方ラーメンのブレない旨さに、喜多方にまた来ることができて本当によかったとしみじみ思います。
期待を裏切らないホッとする美味しさに芯から温まり、駅へと戻ります。駅前の酒屋さんで今夜のお供を仕入れていると丁度良い時間に。ここから『磐梯東都バス』の裏磐梯ロイヤルホテル行きに乗車し、今宵の宿を目指します。ちなみにこの路線は本数があまりなく、季節によっても時刻の変動があるようなので、お出かけ前にはHPで要チェックです。
前回喜多方を訪れた際に泊まった熱塩温泉。今夜もその温泉に負けず劣らずのしょっぱい温泉。山塩の生まれる源泉に冷えた体を浸す瞬間を想像し、宿の到着が今か今かと待たれるのでした。
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