今日もすっきり、6時前に起床。早速大浴場へと向かい、旨塩味の温泉で体の芯から温まります。のんびり朝風呂を楽しんでも、朝食の時間まではまだ余裕が。旅先での早起きは、間違いなく三文以上の得。
気持ちの良い朝風呂を楽しみ、すっかりお腹も減ったところで朝食の時間に。焼鮭やぜんまいの煮物、しそ巻きにひじきといった、ご飯に相性ピッタリの和のおかずが並びます。
美味しい和朝食をしみじみと味わうひととき。朝のこんな余裕など、旅先でなければ味わえない贅沢。
視線を窓の外へと向ければ、もう間もなく来る雪の季節に向けた冬支度が。素朴な山里の風情が、朝食を一層美味しくしてくれます。
今回初めて訪れた、大塩裏磐梯温泉のホテル観山。近代的な外観とは裏腹に、お湯と味でしっかりと会津の山の風情を満喫させてくれました。また違う季節に来てみたい。そう思えるお宿との出会いは、こうして旅をしている者にとっての醍醐味です。
今日は雨が降ったりやんだりの忙しい天気。小雨に濡れつつバス停で待っていると、『磐梯東都バス』喜多方駅行きが到着。
雨に濡れる車窓をぼんやり眺めていると、ふと雨がやみ空にも明るさが。車窓には晩秋の色に染まった会津盆地が広がります。
そのまま駅へは行かず、途中の北町郵便局バス停で下車。ここから歩いて蔵の街の風情を味わいながら、駅を目指します。
まずはバス停のすぐ近くに位置する、おたづき蔵通りへ。幾多もの蔵が点在する喜多方において、蔵造りの街並みを味わえる貴重な一画です。
喜多方の街を歩くと、笑ってしまうくらい多くの蔵を見かけます。その様式は様々で、「男四十にして蔵のひとつも建てられないようでは男ではない」という喜多方の旦那衆のこだわりが伝わってくるよう。
喜多方は蔵の街であると同時に、酒の街。街には数多くの酒蔵が点在します。美味しい喜多方ラーメンを作る水は、もちろん旨い酒も醸す。こちらはクラシックを聴かせて造る蔵粋というお酒で有名な小原酒造。以前飲んだことがありますが、澄んだ柔らかい印象の美味しいお酒でした。
喜多方の街を歩くと蔵に目が行きがちですが、こんな渋い佇まいの建物もたくさん残っています。大きな屋根に木の骨組みが外に見える独特の家。この建物を見ると、会津へ来たんだという実感が湧きます。
大通りから一本入って裏の通りへ。雨上がりの濡れた石畳と白い蔵を照らす太陽。生活感を感じる小径をのんびり歩き、暮らしに溶け込んだ蔵の姿を味わいます。
あてもなくふらふらと歩いてゆくと大きな酒蔵が。積まれた通函と渋い蔵、そして煙突が、現役の酒蔵として働く力強さを感じさせます。
表へと回ってみると、レトロなネオンサインが印象的な渋い建物が。以前喜多方を訪れた際にも印象に残った吉の川酒造店。ここのお酒も飲みましたが、力強く旨いお酒でした。
ひと際存在感のある、金田洋品店のレンガ蔵。重厚な煉瓦積みには装飾が施され、明治時代の美意識が込められています。
店頭に新鮮な野菜が並べられたこの蔵は、三十八間蔵というそう。その名の通り奥行三十八間も続く蔵の並びは壮観のひと言。
通りから路地へと目をやれば、そこには渋い飲み屋街が。マーケット横丁と横断幕の掲げられたこの横丁。きっと夜には良い風情で呑助を誘ってくるに違いありません。今度は素泊まりで喜多方、かなぁ。
そして再び酒蔵が。清川酒造が見学無料と甘い声を掛けてきます。やっぱり今度は喜多方泊だ。酒造巡りをして試飲に明け暮れてみたい。酒にラーメン、誘惑だらけの街、喜多方。
喜多方の街を歩いていると、大げさではなく蔵が珍しいものに感じられなくなるほど蔵が建っています。その蔵も座敷や倉庫、店舗など使われ方も様々。街のスポーツ用品店まで、蔵なのです。
蔵と味わい深い建物が並ぶ喜多方の街。その街並みを一層渋いものにする、独特の店構えの定食屋さん。こういうお店のかつ丼、えび天、美味しいんだろうなぁ。
こちらは前回塀の外から眺めた、若喜商店のレンガ蔵。公開されていたので、今回は間近で眺めてみることに。
重厚なレンガ蔵にはバルコニー風のポーチが備えられ、その入口の上部は優美なアーチ型。中に入ることは出来ませんが、内部は贅を尽くした和風の座敷になっているそう。
その若喜商店の表側に回ると、これまた渋く味わいのある店構え。緻密なタイル張りが、昭和初期のハイカラな雰囲気を今に伝えます。
味わい深さに満ち溢れた喜多方の街歩きを楽しみ、駅へと戻ってきました。まだ列車の時間まで余裕があるので、気になっていたお店へ行ってみることに。途中にはこれまた歴史を感じさせる佇まいの喫茶店が。
その気になるお店というのが、このJAファーマーズマーケットいいでの四季駅前店。ばんえつ物語で通る際に何度も眺めた石造りの大きな蔵が印象的。
築90年以上にもなるという石蔵は、以前米蔵として使われていたものだそう。そとの重厚な佇まい同様、中も歴史を感じさせる空間となっています。
新鮮な地元の農産物が並ぶ中、僕はここでお正月用の黒豆を購入。飯豊産の黒豆は身の詰まりが良く、風味も濃いとても美味しい黒豆。僕好みに少し固めに煮た飯豊の黒豆で、いいお正月を迎えることができました。
店舗の隣の棟には鮮やかに紅葉した蔦が絡まり、石の質感を彩ります。
今回もどっぷりと浸かった、喜多方の街の風情。やっぱりここは時間をかけて歩いて楽しむのが大正解。歩みを進めるごとに現れる蔵の多さ、そしてその用途や形の多様さに、飽きることがありません。
次回は喜多方に素泊まりだ!ラーメン食べて、試飲して、夜はマーケット横丁で飲んだくれ。そんなプランが、この街を離れる前から浮かぶのでした。
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