晩冬、早春、上悦泉。~銀嶺の懐へ 2日目 ①~ | 旅は未知連れ酔わな酒

晩冬、早春、上悦泉。~銀嶺の懐へ 2日目 ①~

上越線211系水上行き 旅グルメ

日帰り温泉ながら指定席のベッドでぐっすりと眠り、よく温まる温泉を楽しもうと露天風呂へ。すると予報通り、あいにくの空模様。空から落ちる大粒の雨に打たれつつも、体をシャキッと起こしてくれる朝風呂を楽しみます。

起きたときはタクシーを呼ぼうかと思うほどの強い雨足でしたが、出発時には傘もほとんどいらないほどの小降りに。駅まで歩くので、このタイミングでの天候の回復はありがたい。

一晩過ごした『天神の湯』から歩くこと30分、井野駅に到着。ここから再び上越線の旅の続きが始まります。

上越線車窓に広がる利根川と残雪の山並み
再び強まった雨足もまた収まり、上牧駅に着く頃には薄っすらと青空が。眼下には上流域であるにもかかわらず雄大さを見せる大河利根川が流れ、その奥には残雪美しい山並みといったこのうえない車窓。本当はボックスシートで見たかった。115系王国の群馬も、もう昔のこと。

上越線E129系長岡行き
井野駅から国鉄最後の近郊形である211系に揺られること1時間、温泉場として有名な水上駅に到着。ここで最新のE129系に乗り換え、一路越後の国を目指します。ここも以前は115系天国。もう僕の好きな時代は遠のくばかり。

上越線水上から湯檜曽へと向かう雪景色
まだ新車の匂いのする列車に乗り込み、ボックスシートを確保して発車を待ちます。しばらくしてちょっとした衝動と共に、ホームを滑り出す電車。何と言おうと、結局新型は快適なことには違いありません。

水上駅を出ると、一段と深くなる雪景色。利根川を渡る鉄橋からは、朝日にきらめく水面と、進路を阻まんと立ちはだかる上越国境の山の壁。これほど地方の隔たりを感じさせる車窓というのも、珍しいのではないでしょうか。

上越線新清水トンネルを抜け見え隠れする越後の山並み
程なくして車窓は闇に染まり、長い長い国境のトンネルへと入ったことを教えてくれます。日本一のもぐら駅で有名な土合を過ぎ、関東地方ともしばしの別れ。

長い闇に目が慣れた頃、車内に溢れる鮮やかな光。新清水トンネルを抜け、列車は遂に新潟県へと入ります。土樽を過ぎ、右へ左へと進路をとりながら高度を下げようとする上越線。その先には、白く輝く新潟の美しい山が見え隠れ。

上越線名物越後中里の旧型客車
標高差を埋めるためには、たくさんの距離を稼がなければならないという鉄道の不器用さ。それを強く実感させるように、車窓を右往左往する白銀の山々。

そんな上越線でしか見られない美しい風景を眺めていると、お待ちかねの越後中里駅に到着。ここを通ったらやっぱり見たい、雪に佇む旧型客車。こうして車窓越しに見れば、まるでこの列車との離合を待っているかのよう。

上越線E129系車窓を彩る鮮やかな銀嶺
現役さながらの風情漂う旧客に旅情を噛みしめ、ふと反対側の窓へと目をやればこの景色。車窓は鮮やかな銀嶺一色に染めあげられ、上越線に乗るならば絶対にこの時期しかない!と思わせるほどの感動を覚えます。

3月頭雪まだ残る越後湯沢駅
白銀の鉄路を楽しむこと30分ちょっと、僕にとって関所ともいえる越後湯沢駅に到着。ここまで来てこの駅を素通りすることなど、出来はしないのです。

越後湯沢駅ぽん酒館ずらりと並ぶ見事な酒ラベル
なぜかと言えば、これだから。越後湯沢駅の構内には、『ぽんしゅ館』という大人の夢の国があるのです。入口には見事に並ぶ新潟地酒のラベル。これを見ただけでも、脳内アルコールがじわり、じわり♪

越後湯沢駅ぽんしゅ館利き酒越乃室
酔いどれ天使の人形に自分の姿を重ねつつ中へと入ると、入口すぐ横にお目当てのお店である『利き酒越乃室』が。もう何度このブログに登場したでしょうか。でも懲りずにまた載せてしまいますよ。

越後湯沢駅ぽんしゅ館利き酒越乃室酒自販機がずらりと並ぶ店内
受付で500円を払い、5枚のコインを受け取り店内へ。壁にはずらりとお酒の自販機が並び、新潟県内すべての酒蔵が揃うというその種類の多さは圧巻のひと言。

お酒の種類にもよりますが、普通はコイン1枚で小さなおちょこ1杯分。ちびちびとやりながら次のお酒を物色する。ここは本当に大人のワンダーランド。

更に呑兵衛に嬉しいのが、塩と味噌の無料試食。塩は全国各地のものが取り揃えられ、味の違いを楽しむのもまた一興。味噌は新潟のもので、コク深い旨味が一層お酒を美味しくしてくれます。

越後湯沢駅がんぎどおりへぎそば小嶋屋
小さいおちょこ5杯分でほろ酔いになったところで、少し早目のお昼を食べることに。同じく駅ビル内のがんぎどおりにある『小嶋屋』にお邪魔します。

越後湯沢駅がんぎどおり小嶋屋天ぷらへぎそば
長岡店には2度ほど行きましたが、こちらのお店は初めて。日本酒の続きをちびちび愉しんでいると、お待ちかねの天ぷらへぎそばが運ばれてきました。

やっぱり美味しい、ここのへぎそば。つなぎに布海苔を使っているだけあり、思い切りつるりとした食感とほんのり香る海藻の風味が特徴的。普通のそばでは決して味わえない、新潟ならではの唯一無二の味。

天ぷらもからりと揚げられており、歯ごたえ抜群のへぎそばとの相性もピッタリ。塩で食べてもいいのですが、そばつゆに付ければつゆに油のコクが合わさり、へぎそばを一層美味しくしてくれます。

早春の上越線車窓を彩る白銀の山並み
日本酒とへぎそばで無事に関所を潜り抜け、越後湯沢から再び上越線に乗車します。窓の外にはうず高く積もる雪と、白銀の山々。ほろ酔い気分で眺める車窓は、一味も二味も違います。

晩冬の上越線魚沼平野と魚沼の銀嶺
今日は本当に晴れてよかった。8年前に初めて目の当たりにした、絶景と言うべきこの車窓。これから向かう温泉もさることながら、この景色見たさにこの旅を決めた、そう言っても過言ではないほどの圧巻の眺め。

のんびり揺られる上越線。白く染まる魚沼平野の先には、どこまでも連なる鮮やかな銀嶺。トンネルばかりの新幹線では決して味わえないこの絶景に、これが息を呑むということだのだと、今一度強く実感するのでした。

晩冬、早春、上悦泉。~銀嶺の懐へ~
上越線車窓に広がる雄大な銀嶺
2018.3 群馬/新潟
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●1日目(東京⇒甘楽⇒富岡⇒高崎)
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●2日目(高崎⇒越後湯沢⇒栃尾又)
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3日目(栃尾又滞在)
4日目(栃尾又滞在)
●5日目(栃尾又⇒浦佐⇒塩沢⇒東京)
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