鉄路の響きに揺られながらの睡眠はとても心地がいい。目覚めたときには直江津を過ぎ、すっかり明るくなっていました。下車駅である柏崎駅までは、1時間を切っています。着替えや洗面など、身支度をあわただしく整え終えると、到着まで車窓を眺めて過ごします。
窓の外へと目をやれば、まだ冬の色が残る荒々しい日本海が。鉛色の空に、灰色の海。悲しみ本線日本海、ふとそんな歌が浮かぶような演歌の世界です。
時刻は6時45分、新潟県は柏崎に到着。大阪出発から8時間も経っていません。意外と近いものです。
柏崎駅から越後線に乗り換え。信越本線は柏崎から内陸へ入るのに対し、越後線は日本海近くをなぞるように走るローカル線。
車内に入れば懐かしい雰囲気が。昨年のツーデーパスの旅、山梨地区でお世話になった車両と同系列です。本当に僕はこの車両が好き。この車内に入ると、いかにも普通列車という雰囲気が旅情を掻き立ててくれます。
上下左右に容赦なく揺れるコイルバネの台車も、スプリングの入った昔ながらの座り心地の座席も、骨まで響く様なモーターの豪快な唸りも、全部、全部好き。
ローカル線らしいローカル線である越後線に揺られ、到着した寺泊駅。寺泊といえばお魚買い物ツアーで有名ですが、今回来たのは初めて。ツアーはみなバスなので、駅はこじんまりとした、のんびりした雰囲気。
駅前から『越後交通』のバスに乗り、寺泊大町を目指します。有名な魚市場通は、そのバス停からさらに歩きます。
木製の床の、これまた懐かしい感じのバスに揺られることしばし、急に視界が開け日本海が目の前に広がりました。
写真では伝わりにくいですが、荒波を立てる日本海と、海沿いらしい木造の低い家屋が並ぶ姿は、まるで昔話にでも出てくるような、そんなイメージ通りの漁村。
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