ぐっすり休み、清々しい朝を迎えました。この日は晴天。昨日の雨とは違い、キラキラとした朝日が旧館を照らしています。
温泉での目覚めといえば、気持ちの良い朝風呂。共同浴場の上の湯が男湯になっていたので、連絡通路を通って目指します。
こちらは近代的な造りの浴室。昨日の下の湯のひなびた雰囲気とは違い、明るいタイル張りになっています。
朝日を浴びながら、ぬるいお湯に体を浸しゆっくりと心を落ち着けます。この長湯をできるのも、これが最後。栃尾又の不思議なお湯と不思議な入浴法を、心ゆくまで楽しみます。
栃尾又のお湯はとても胃腸に良いようで、満腹だったお腹もすっかりペコペコに。お風呂でいい汗を流した後は、お待ち兼ねの朝食。ホッとするような和のメニューが並びます。
このお膳の他に、サラダやオリジナルのヨーグルト、ラジウム納豆などがテーブルに並べられており、自由に取ることができます。
特においしかったのが、ラジウム納豆。こだわりの原料豆を、栃尾又自慢のラジウム泉に浸して納豆にしたものだそうで、他の納豆に比べてとてもふっくらしています。豆の味や香りも濃く、本当においしい。お土産も売っているので、買って帰りたいぐらいでした。
自家製ヨーグルトも、トロッとプルンと、なんとも言えない食感とまろやかさ。こんなところにオリジナリティーを感じられるのも、このお宿のいいところかもしれません。
食後のコーヒーを囲炉裏端で。宿泊者は、ロビーに置いてあるコーヒー、どくだみ茶、ラジウム泉を自由に楽しめます。コーヒーは昨日とは違う銘柄が用意されており、こんなところにも、宿のおもてなしの心遣いが感じられます。
まぶしい雪を眺め、せせらぎの音を聞きながらのコーヒーは、また格別。もう何泊かしたい、そんな衝動に駆られてしまいます。
バスの時間まであと1時間ちょっと。もういちど、この自在館のお湯を楽しみたいと思い、露天を貸しきりました。昨日の雨模様とは打って変わった清々しさ。朝日を照り返す雪が、視界を真っ白にします。
この自在館には、他には無い不思議な雰囲気がある。なんとものんびりした、ふんわりした優しい雰囲気。心の底からのんびりできる、癒しの空間。今まで味わったことの無い素朴さ、心地よさが印象深い、本当にもう一度来たいと思える、そんなお宿でした。
いつかは湯治をしてみたい、そんな風に思わせてくれた自在館ともお別れ。3軒の旅館がひっそりと寄り添う栃尾又温泉に別れを告げ、バス停へと向かいます。
再び『南越後観光バス』に乗り、小出駅へ。自在館は、予約をすれば新幹線の浦佐駅や、その途中の小出駅に送り迎えをしてくれます。今回は在来線の旅で時刻が合わなかったので路線バスを利用しましたが、HPで接続の新幹線が書いてあるので、それに合わせれば行きも帰りも楽チン。
バスに乗り込み、おそらく今シーズン最後であろう、深い雪景色を目に焼き付けます。3月でもこんなに雪が残っているとは思わなかった分、本当に嬉しい。青い空と白い雪、何度見てもきれいな組み合わせです。
中部~関西~甲信越と、地域を股に掛けてきたこの旅も、いよいよ残りわずか。終着地である関東を目指し、小出駅から上越線に乗り込みます。
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るるぶ
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