会津発、信夫へ続く銀鉄路。~冬の福島・湯季味旅 2日目 ④~ | 旅は未知連れ酔わな酒

会津発、信夫へ続く銀鉄路。~冬の福島・湯季味旅 2日目 ④~

2月中旬冬の会津若松鶴ヶ城去り際に振り返りもう一度 旅グルメ

初めて訪れることのできた、銀世界に彩られる鶴ヶ城。白さを競うかのような雪との共演に心奪われ、去り際に振り返りもう一度だけその優美な姿を眼に心に灼きつけます。

2月中旬冬の会津若松鶴ヶ城白く凍てつくお堀
退城は、歩き慣れた北出丸から北口へのルート。でもやっぱり、僕の知っている姿と違う。白く凍てつくお堀に、会津の冬の厳しさを感じられるからなのかもしれない。

2月中旬冬の会津若松鶴ヶ城端正なお堀端の石垣
いつもは豊かな緑に彩られるお堀端も、今日は黒々とした常緑樹と鈍い色をした石垣が織りなすモノクロームの世界。雪国の持つ冬ならではの枯れた情緒に、今は心を委ねて歩いていたい。

2月中旬冬の会津若松鶴ヶ城凍てつくお堀端と桜の木
秋という季節が終わり、色を失いやがて白銀に埋もれてしまう。その雪が段々と解け暖かくなれば、草木や花が一斉に色彩を放ちはじめる。だからこそ、雪国の春というものが格別に美しいのだろう。お堀端に並ぶ立派な桜に、そんな旅を好む者の勝手な妄想を重ねてみます。

2月中旬冬の会津若松宮泉の酒蔵
鶴ヶ城に別れを告げ、次なる目的地を目指して会津若松の街を歩きます。するとすぐに現れるのが、宮泉の立派な蔵。今日が最終日なら、ここでおいしいお酒を買って帰れるんだけどなぁ。車を使わぬ旅で唯一、ちょっとばかり残念に思う瞬間です。

2月中旬冬の会津若松重厚な造りの会津若松市役所
約5年ぶりに感じる街の空気感に心弾ませ進んでゆくと、会津若松市役所の重厚な姿が。御年85歳。今なお現役で庁舎として活躍し続ける古老は、この街の変遷をずっと見つめてきたことでしょう。

2月中旬冬の会津若松元祖輪箱飯田季野
鶴ヶ城から街並みを愛でつつ歩くこと10分ちょっと、『元祖輪箱飯田季野』に到着。うなぎやそば、ソースカツ丼など色々食べたいものはあるけれど、会津若松へと来たら絶対に、絶対に外せない僕の大好きなお店。

2月中旬冬の会津若松元祖輪箱飯田季野けっとばし輪箱飯と鰊の山椒漬け
おすすめの地酒をちびりとやっていると、お待ちかねのけっとばし輪箱飯と鰊の山椒漬けが運ばれてきます。会津名物の鰊の山椒漬けは、身欠きにしんと山椒の葉をしょう油や酢で漬け込んだもの。噛みしめれば鰊の旨味と程よい山椒の香りがじんわりと染み出します。

続いて、輪箱飯に付いてきた馬のもつ煮を。ぷりっぷりの馬もつは全くクセがなく、よく煮込まれた根菜と共に頬張れば口中に広がる旨味の洪水。これに会津の酒が合わぬ訳がない。メインに行く前に、もう気分は最高潮。

そしてお待ちかねの、けっとばし輪箱飯。もう馬鹿の一つ覚えのようですが、僕はこのお店でこれ以外の輪箱飯を食べたことがないのです。鮭や山の幸のものも、きっとおいしいに決まっている。でも、それでも。僕はこれを差し置いて他のメニューを選べない。

ふたを開ければ、湯気と共に立ちのぼる食欲を誘う香り。馬肉とごぼうを煮たものがたっぷりと載せられており、その塩梅がまた絶妙。甘辛すぎず、でもしっかりとご飯を誘うこの味付け。馬やごぼうの風味も損ねることなく、素材の味わいが最大限活かされています。

そして何より、その効果に目を見張るのが「輪箱飯」という食べ方。蒸し上げられた熱々のご飯にはほんのりと木の香りが移り、具材との一体感もまた見事。別盛りの定食でもなく、載せただけの丼でもない。蒸気の力が、この一品を最高の味わいへと昇華させているに違いない。

2月中旬冬の会津若松街に溶け込む蔵
いやぁ、旨かった。何度訪れても、また食べたくなる。5年ぶりとなるけっとばしとの逢瀬に酔いしれ、気づけばあっという間に掻き込んでしまった。もうこのためだけに会津若松まで来てもいい。そう思える大好物の余韻に浸り、ホクホク顔で駅を目指します。

2月中旬冬の会津若松歴史ある建物が点在する街並み
やっぱり会津若松、好きだなぁ。優美なお城や旨い酒、おいしい郷土の味に風情ある街並み。久々に歩くこの街に、僕の今の旅のスタイルの原点を見る気がする。

2月中旬冬の会津若松道沿いに並ぶ歴史ある建物
どちらかといえば、点在する著名な観光地を結ぶよりも、立ち寄った街を歩いてみるような旅が好きな僕。そんな今の僕を形作ったのは金沢であり、そしてここ会津若松。

2月中旬冬の会津若松雪に映える白い土蔵
初めてこの街を歩いたときに感じたのは、古き良き建物が生活の中に溶け込んでいるということ。歴史的価値のある建物をこれ見よがしに遺すのではなく、自然と街並みに馴染んでいる。そんな空気感が、僕の心にすっと刺さったことを思い出す。

2月中旬冬の会津若松歩いて楽しい味わい深い街並み
これまで幾度も訪れ、その度ごとに懐かしく、そしてより好きになる会津若松。初となる冬の季節は、また新たな一面を僕に魅せてくれた。

桜咲く春、酷暑の夏。そしてその年最後の輝きを放つ秋。どの季節も良いけれど、雪国にしか宿すことのできない冬の情緒というものは、その季節に来なければ決して味わえない贅沢なのかもしれない。

初となる冬の会津若松。そこでの旅情に心酔し、より一層この街を好きになってしまうのでした。

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