寺泊駅から大町まではすぐ。そこから歩いて7~8分ほどで、よくテレビにも出る魚市場通に着きます。まだ朝早かったせいか、どこも品出し中。
函館や札幌のような朝市をイメージしていたのですが、食堂は残念ながらまだ営業していませんでした。本当はここで海鮮丼を朝食にしたかったのですが、仕方ない。そんなハプニングもひとり旅には付き物です。
もう一つ寺泊でやってみたかったこと、それはいかの浜焼きをかぶりつきながらのウインドーショッピング。
浜焼きはもう店頭に並んでいたので、迷わず購入。サイズにより様々な値段が付けられていますが、このサイズで250円。本当に安い。
一口かじると、そのプリップリの食感に驚きます。東京で食べるいか焼きはどれも硬く、繊維が歯に詰まるようなモサっとした食感のものが多いのですが、さすがは海沿いの街、本当にプリプリしています。味付けもシンプルなので、いかの旨味や甘味をダイレクトに感じることができます。
いかを食べながら散策をしていましたが、この日はかなり風が強く、すっかりいかも体も芯まで冷えてしまいました。
そんなところに酒屋さんが。中にはたくさんの種類の日本酒が置かれており、ワンカップも充実。さらにそのワンカップを自由にお燗できるという、寒い日にはありがたいサービス。もちろん購入しないわけにはいきません。
越後鶴亀のワンカップを購入し、熱燗でいただきます。昨日散々飲んでおきながら、寝起きにまた酒かよ、というのは置いとくことにしましょう。
薄っすら日が差してきた日本海を眺めつつ飲む地酒は、これまた旨い。いか焼きとの相性もバッチリです。これは車で来ては味わえない楽しみ。
いかの次は、はたはた焼き。僕は小さい頃からはたはたが好きですが、最近は食べる機会が無く、久々のご対面となりました。
こちらも一尾150円と驚きの安さ。ふっくらと柔らかい白身と、ほんのり香る磯の香りがおいしい。冷めないうちにあっという間に食べてしまいました。
それにしても、本当に寺泊は魚が安い。カニなんてひと盛りいくら、という形で売っており、東京では考えられない安さ。高級魚ノドグロも、ここにかかれば東京の半値以下。今日が帰る日だったら、絶対に買っていたと思う。
この安さなら、バスツアーの参加費や、車で来る交通費を考えても、量を買えば充分元がとれてしまいます。年末にみんながこぞって来る理由が分かりました。
魚市場の雰囲気を満喫し、バス停に戻ります。その途中で見つけた、漁港らしい街並み。みんな車で通り過ぎていますが、こんな小さな風景を見つけられるのも、のんびり電車バス旅のいいところ。
寺泊大町から『越後交通』の急行バスに乗り、長岡駅に到着。本当は越後線、弥彦線、信越線と乗り継いで来たかったのですが、ローカル線のため本数が無く、この後の予定に響いてしまうため、ショートカットしました。
ちなみに、乗車券は大阪市内から東京都区内まで、上の経由で通しで買いました。鉄道は遠距離逓減方といい、乗車距離が長いほどキロ単価が安くなるように運賃が設定されていることがほとんど。JRもそうで、大阪市内~寺泊、長岡~都区内と打ち切って買うより、断然安くなります。
一見乗車しない部分までキップを買うのはもったいないようですが、実はこんなやり方もあるのです。乗り鉄の人にとっては当たり前のようですが、一般の人は中々知らない、お得な豆知識。といっても、一般の人はこんなに長距離、列車には乗りませんよね。
時刻は丁度お昼時。長岡駅ビル内にある、地元の名店『小嶋屋』で名物へぎそばを頂くことにします。
一番シンプルなへぎそばを注文。山菜の炒め物がサービスで付いてきました。
海藻をつなぎに使っているへぎそばはコシがとても強く、喉越しもツルンとしていて普通のそばとは全く違うもの。そばと、うっすら感じる海藻の風味を楽しみながら、どんどん手繰ります。やっぱり新潟に来たら、へぎそばです。
寺泊の魚介に名物へぎそばと、新潟の味覚を堪能した後は、再び電車に乗車。上越線で小出駅を目指します。行先に越後湯沢や水上という文字が見えてくると、この旅ももう終盤に差し掛かっていることを実感します。
もう3月だというのに、この銀世界。列車が進むごとに雪の量は増えてゆきます。さすがは新潟、豪雪地帯。春はまだまだ先のようです。
白銀の世界を眺めながら、小出駅へと向かいます。目指すは秘湯、栃尾又温泉。ずっと行ってみたかった温泉とのご対面です。
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