心ゆくまでやいま色 ~島々あおく、溶けゆく日々。4日目 ⑤~ | 旅は未知連れ酔わな酒

心ゆくまでやいま色 ~島々あおく、溶けゆく日々。4日目 ⑤~

6月下旬梅雨明け直後の小浜島長い階段を登り切れば鮮烈なあおさが迎えてくれる大岳展望台 旅行記

麓から直登するかのように続く階段を登り切れば、そこに広がるのは言葉を失うこの絶景。網膜を灼く無限のあお、山の頂に吹き渡る島の風。この瞬間全身を駆け巡った鮮烈さは、この夏を象徴するような大切な宝物。

6月下旬梅雨明け直後の小浜島360°の大パノラマを愉しめる大岳展望台から竹富島方向を望む
さすがは小浜島最高峰の頂に位置する大岳展望台、見渡す限りの大パノラマ。360°、どこを見ても視界を満たす豊かな緑と八重山のあお。竹富島方向を眺めれば、温かな色をした海のグラデーションが広がります。

6月下旬梅雨明け直後の小浜島360°の大パノラマが広がる大岳展望台から石垣港方面を望む
視線を左へと移せば、遠くに望む石垣の街。あの中に、僕らが泊っているホテルも見えているはず。それほどの距離感なのに、ここから望むあおさはこれまでに出逢ったことのない表情をしている。

6月下旬梅雨明け直後の小浜島360°の大パノラマが広がる大岳展望台から望む嘉弥真島と名蔵湾
北東方向にはうさぎの住む無人島として有名な嘉弥真島、さらにその先には名蔵湾。日本最大とされる石西礁湖の北端が見え、その内外の色の差に珊瑚礁が八重山のあおさを創り上げているということが手に取るように感じられる。

6月下旬梅雨明け直後の小浜島360°の大パノラマが広がる大岳展望台から北方向青い東シナ海を望む
真北を望めば、そこに広がるのは真っ青な海。もうこの先には、島はない。珊瑚礁も尽きただただ続く東シナ海は、八重山の温もりに包まれるあおさとはまた違った表情をしている。

6月下旬梅雨明け直後の小浜島360°の大パノラマが広がる大岳展望台から西側由布島と西表島を望む
西側には、思った以上の近さに浮かぶ西表島。その手前の地続きのように見える細長い島は、水牛車で渡る由布島。小浜島との境、左右にうっすらと続く青の濃い部分がヨナラ水道。別名マンタウェイの通り、マンタが回遊する場所なのだそう。

6月下旬梅雨明け直後の小浜島360°の大パノラマが広がる大岳展望台最後にもう一度鮮烈なあおさを眼に心に灼きつける
東西南北、その全てが豊かなあおさに満ちる世界。ここで出逢えたこころを灼く無限のあおさを、僕はきっと死ぬまで忘れることはないだろう。7度目の八重山の夏にして、初めて眼にすることのできた新たなあおさ。その鮮烈さをこころに刻み、展望台を後にします。

6月下旬梅雨明け直後の小浜島大岳近くに咲く美しい月桃の花
あまりの壮絶なあおさの余韻に浸りつつ、港目指して歩く長閑な道。ふと電信柱の横へと目をやれば、可憐に咲く丸っこい白い花。そういえば、月桃の花を見たのは初めてかもしれない。

6月下旬梅雨明け直後の小浜島風になびく草原の先には牛たちが佇む小高い丘
海のあおさとともに、僕にとっての小浜島の印象となったのが吹き渡る風。草の絨毯を駆ける風、その先には牛たちの佇む小高い丘。子供の頃に飯田線の車窓で出逢って以来、ふと現れる風の姿を無性に眼でこころで追ってしまう。

6月下旬梅雨明け直後の小浜島風にしなやかに揺れる草原と海へと続く一本道
竹富島が混んでいそうだから。そんな思い付きで急遽訪れることとなった小浜島。でももしかしたら、僕らはこの島に誘われたのかもしれない。そう思えてくるほど、眼に映るものすべてが鮮烈で、体験することすべてが新鮮で。

6月下旬梅雨明け直後の小浜島のどかな緑と碧い海との鮮烈な対比
ピンポイントで今日でなければ、また違う印象になったのかもしれない。それほどまでに小浜島は、初めて訪れる僕らを鮮やかさに満ちる全力の夏で迎えてくれた。

6月下旬梅雨明け直後の小浜島初めての島での大賢の余韻に浸り、後ろ髪を引かれつつ港を目指す
この短時間なのに、これほどまでにこころを灼くような時間をくれた小浜島。ここで過ごした濃密な夏を、大切にしまって生きていこう。

八重山の島々には、それぞれ違う空気が流れている。石垣、竹富、西表、由布、そして波照間。これまで訪れた島たちも、豊かな個性に溢れていた。

そしてまたひとつ、出逢うことのできた新たな島。小浜島に吹き渡る爽快な空気に満たされ、改めて八重山の懐の深さを思い知る。

ちょっとこれは、想像を遥かに絶するほどだった。自分では抱えきれぬほどの感動を胸に、残りの時間を噛みしめるように港へと歩くのでした。

心ゆくまでやいま色 ~島々あおく、溶けゆく日々。~
6月下旬夏の小浜島大岳から望む壮絶な青さ
2023.6 沖縄
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●1日目(東京⇒那覇⇒石垣島)
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8日目(石垣島滞在)
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