白銀への鉄路 ~列車で行く北海道 スキーとグルメの旅 5日目 ③~ | 旅は未知連れ酔わな酒

白銀への鉄路 ~列車で行く北海道 スキーとグルメの旅 5日目 ③~

函館湯の川プリンスホテル渚亭前菜 旅の宿

お待ち兼ねの夕食。まずは前菜から。イカや煮つぶなど、北海道らしい酒菜が並びます。どれも味付けが丁度良く、これからのお料理を期待させる品々。今回は個室での食事だったので、気兼ねなく冷酒をバンバン頼んでしまいました。

函館湯の川プリンスホテル渚亭刺身盛り合わせ

食卓にドン!と鎮座するお造り。2人前にしては、随分と豪勢です。ぼたん海老に貝柱、マグロにサーモンと、これまた北海道らしい顔ぶれ。

まずは好物のぼたん海老から。あれ?なんだか様子が違うぞ?ここは観光ホテルのはず・・・。そう、「観光ホテルの食事」という先入観アリアリの状態で食べ始めたので、ビックリしてしまったのです。

地元の人にはどう感じるかは分かりませんが、内地の人間からすればビックリするくらいお刺身が新鮮で美味しいのです。

海鮮居酒屋で頼んだら・・・、と考えると、本当にこの宿泊費でいいの?と若干怖くなってしまうほど。間違いなく温泉ホテルのレベルではありません。渚亭さん、侮ってしまいゴメンナサイ。なんだか先制パンチを食らったかのよう。

肝心のぼたん海老はプリップリの甘い身がたまらない美味しさ。頭もきちんと食べられるように焼いてあり、こんなことをしてくれる温泉ホテルは初めて。濃厚な味噌まで残らず堪能することができます。

マグロもサーモンも貝柱も、もちろん美味しい。そして特に印象に残ったのが、ホッケの刺身。ホッケは開きか飯寿司のイメージばかりで、お刺身を食べるのは初めて。

火を通したときのあのホロホロと崩れる食感とジューシーさとは全く異なり、上品な脂と適度に弾力のある白身は、最初はホッケと気付けず係りの方に聞いて初めて分かりました。

イカや帆立やマグロなどの王道だけでなく、このように初めて食べる地のものに出会えることこそが、旅先での食事の喜び。今回もまたひとつ、北海の旨いものを覚えました。

函館湯の川プリンスホテル渚亭ズワイガニ

続いてはお決まりのカニ。先程のお刺身で結構グッと来ていたのですが、さすがにカニはなぁ・・・。と思っていました。

というのも、今まで北海道のお店、特にホテルでカニが出てきた場合、僕の中でいい記憶が全くと言って良いほど無かったから。その中でもズワイは...というものが多かったのです。

ところが、手にとってみると意外と重量感が。関節を折り抜いてみると、殻の中にみっちり詰まった身がプルンと出てきました。

更に手を伝うほどのジューシーなカニのエキスが流れ出て、これまたビックリ。この手のカニは、痩せて干からびボッソボソ、というのが定番。久々にカニらしいカニを手にした感触です。

食べてみれば納得の味。エキスが流れ出ていないため、カニの豊満な甘味と香りが広がります。大袈裟ではなく、ズワイを食べて美味しいと思ったのは初めて。このホテル、一体どうなっているのでしょう。

函館湯の川プリンスホテル渚亭北海カレイの塩焼き

続いては鉢肴。北海かれいとしまホッケ魚醤干しの二種類から選べます。選べるって、嬉しい♪しまホッケは東京でもそれなりのものを食べられるので、今回はカレイを選択。

カレイと言えば煮付けか干物のイメージが強かったのですが、シンプルに塩焼きされた身はふっくらホクホクで、脂が載っておりジューシー。焼き加減、塩梅共に言うことなし。今までのカレイの淡白で遠慮がちなイメージが払拭されました。それ程存在感のある焼き魚。

そう言えば、東京ではカレイは高値で売られていてあまり買う機会が無いのですが、北海道へ行くとかなりの種類のカレイが並んでおり、それだけ向こうの食文化には欠かせない魚だということでしょうか。

函館湯の川プリンスホテル渚亭知床鶏白湯仕立てコラーゲン鍋

ここまでも結構なボリュームで来ていますが、ここでお鍋が登場。白湯仕立て「知床鶏」ヒアルロンサン入りコラーゲン鍋です。

白濁したスープは鶏のダシがしっかり出ていながら臭みもなく上品な仕上がり。鶏肉は銘柄鶏らしく弾力のある旨味の濃いお肉で、軟骨入りの竹つみれがいいダシを良く吸ってくれます。これは女性受けしそうな一品。見た目よりもあっさり目なので、どんどん食べられてしまいます。

函館湯の川プリンスホテル渚亭ごっこ汁

こちらのホテルでは、夕食は和食膳プランとバイキングプランが選べ、お値段は同じ。ところが、和食膳の食事会場にも何故かバイキングコーナーが。どうやら、自由に食べて良いようで、最近たまに聞く「ハーフバイキング」というスタイルなのでしょうか。

もうこれまで結構な量を食べていたので、そんなバイキングを利用するお腹の余裕もありません。が、どうしてもひと品、食べておきたいものを発見。ごっこ汁です。

ごっことは、ホテイウオという魚の北海道での呼び名で、見た目はと~ってもグロいお魚さん。ぶよぶよヌメヌメ系が苦手な人は、検索しないでね。

このごっこは産卵を迎える冬が漁期のようで、スーパーなどでも普通に並んでいます。函館朝市にもたっぷり居ました。

そんな北海道の味、ごっこ汁があるとなれば、無理を押してでも食べてしまいます。厚いゼラチンが特徴の身は見た目ほど臭みも無く、淡白な旨味がたっぷり。ハタハタに似た卵は、噛めばプチプチとした強い食感がこれまた美味。

ごっこからいいだしがしっかり出るので、味付けはシンプルなもので、ごっこの旨味をしっかり感じることができます。温泉ホテルでごっこ汁を食べられるとは思ってなかったので、嬉しい大誤算。

函館湯の川プリンスホテル渚亭馬鈴薯饅頭

続いては馬鈴薯饅頭。きたあかりを使用したお芋の風味しっかりのお饅頭に、バター風味のほんのり洋風な餡が掛かっています。

バター風味の餡ということで好みは分かれるかもしれませんが、僕は好きな味。これまで和食メインだったので、いいアクセントになっています。

自分では思いつかないような組み合わせや調理法を、外食によってプロから学ぶのがなんちゃって家庭料理人の醍醐味。そうやって蓄積したものを組み合わせ、自分好みの料理を組み立てるのが楽しいのです。

函館湯の川プリンスホテル渚亭選べる〆のお食事

この他に、何故か写真を撮り忘れていた、契約農家無農薬ほうれん草サラダもあり、大満足の献立。生で食べられるほうれん草は、アクは無いのにほうれん草の風味がとっても濃く、本当に美味しいほうれん草でした。

〆はこれまた選べる嬉しさ。白米、釜飯、おそば等、計5種類位から選べたように記憶しています。自分の好みや気分、お腹の具合に合わせて選べるのは本当に嬉しいところ。

函館湯の川プリンスホテル渚亭デザート

もう無理ッス!!という程食べ、フォアグラ状態に。旅先での贅沢な苦しさを楽しみつつ、最後のデザートを。

抹茶のババロアは甘さ控えめでくどくなく、食後のデザートとしてぴったり。カボチャのロールケーキは、しっとりふわふわの生地からカボチャの風味が漂い、クリームとの相性もバッチリ。ケーキ屋さんで出せそうなほど。

北の山海の幸をふんだんに取り入れた大満足の夕食。いい意味で予想を大きく裏切られ、嬉しい夜となりました。

ところで、今回のプラン、おいくらだと思いますか?二間を繋いで改装した和洋室。部屋には露天と足湯付き。アメニティーもしっかり揃い、そしてこの夕食。

これだけ揃って、なんと15000円ちょっと。これを高いと思うか、安いと思うかはそれぞれの価値観なので、なんとも言えません。ですが、関東で考えれば、露天風呂付き客室ではあり得ないお値段。部屋代だけと考えても良い位です。

だからこそ、食事に関しては全く期待していませんでしたが、この内容。従業員の方もとても印象が良く、なぜこのお値段でこれだけのものが提供できるのか不思議なほど。

僕は最近秘湯にすっかりハマってしまい、普通の温泉ホテルの感覚は持ち合わせていないかもしれません。もっと高級なところを泊まり歩いている方から見れば、どうってこと無いかもしれません。

ですが、僕にとっては値段以上のものがありすぎて、ビックリしてしまいました。ビックリを通り越して、感動とでも言いましょうか。また来たい、僕にはそう思えるホテルです。

函館湯の川プリンスホテル渚亭客室露天風呂で夜景を見ながら日本酒を

部屋に戻り、トド状態でゴロゴロしてお腹を落ち着けます。なんとか満腹状態を過ぎた頃、いよいよ露天風呂付き客室の本領発揮。部屋を出ずとも気が向いたときにお風呂に入れるので本当に気が楽。そしてそして、露天風呂酒を楽しめるのが一番のポイント。

いいお湯いい夜景のお供に選んだのは、金滴酒造北の純米酒。北海道限定発売のお酒です。トゲが無く飲みやすいお酒ですが、香り、甘味、旨味はしっかりと詰まっています。バランスの良く取れているという印象のお酒。

函館湯の川プリンスホテル渚亭街側客室露天風呂から夜景をひとり占め

露天風呂からはこの夜景が一望の下に。ちびりちびりやりながら、肩まで浸かったり半身浴したり。熱くなれば冷たい風に吹かれ、再びお湯へ。バスローブもあるので、出たり入ったりも思いのまま。こんなことを延々2時間ほど繰り返しました。

お湯も夜景もお酒も、全て自分のもの。こんな贅沢な時間があるでしょうか。秘湯とはまた違った温泉の楽しみを見つけてしまいました。

今まで経験したことの無い温泉での過ごし方。この先も滅多に無いであろうこの機会を、余すことなく存分に満喫するのでした。

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白銀への鉄路 ~列車で行く北海道 スキーとグルメの旅~
羊蹄山に登る冬の朝日
2011.2 青森/北海道
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