夏油川が作りあげた谷の底、河原に位置する夏油温泉の露天風呂たち。すぐ隣には清らかな水がさらさらと流れ、その両側にはまばゆいばかりに色付いた木々が立ち並びます。
源泉のある場所に建てられた露天風呂は野趣満点。それぞれ温度や浴感の違う、個性あふれる4種類のお湯を楽しむことができます。こちらはそのうちの2つ、真湯と目(女)の湯。
真湯はほんの少しの濁りを感じ、かすかに硫黄の香りも漂うお湯。初夏に訪れた際は若干熱めでしたが、肌寒さを感じるこの時期はまさに適温。広い湯船に浸かりながら、心ゆくまで錦秋の景色を楽しむことができます。
目の湯は崖沿いに作られた小さめの湯船。温度はぬるめで、川を渡る冷たい風に頬を撫でられいつまででも入っていられそう。
前回は雪解け水が勢いよく流れていた夏油川も、今の時期は穏やかにさらさらと流れます。秋の穏やかな陽をきらきらと映す川を彩る、色づく木々たち。
色彩に溢れる木々は、まるで夏油川を包み込むかのように覆い、奥には秋色に染まった山が見え隠れ。
今の時期でしか味わえない、自然の創り上げた美しい色彩に埋もれる夏油温泉。こちらは4つの露天風呂の中でも一番濃いと言われる大湯。
前回は激熱で足先だけほんの少しの入浴でしたが、今回は3分程浸かっていられる程度までになっていました。
濃いと言われるだけあり、熱さに耐えてじっと浸かれば、じんじんと感じるほど体に浸みてきます。熱さと濃さで温まり方もすごく、湯上り後しばらくは汗が止まりません。
お風呂の眺めをお伝えできないのが本当に残念。湯けむりの先を彩る、溢れんばかりの色彩の洪水。初夏の若々しい緑も魅力的でしたが、紅葉に彩られたこの眺めは圧巻。魅力、というより魔力とでも言いたくなるほど。
錦を纏った夏油の湯は、体のみならず心まで温めてくれました。
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