鬼怒川温泉駅で乗り継ぎ、野岩鉄道の上三依塩原温泉口駅に到着。先日降った大雪がまだそこかしこに残り、気温もなかなかの寒さ。いいんです、温泉は寒ければ寒いほど、その気持ち良さが引き立つのです。
この上三依塩原温泉口より、このコミュニティーバス『ゆ~バス』で塩原温泉郷を目指します。
塩原温泉と言えば那須塩原が玄関口と思われがち。新幹線も停まる駅で、自治体の名前も那須塩原市となったので、そう思うのも自然なこと。
ですが、塩原温泉郷へ向かうには、この上三依塩原温泉口駅も意外と便利。バスの乗車時間や運賃、ここまでの鉄道の運賃を考えると、新幹線より東武線経由の方がおすすめです。
バスに揺られること30分足らず、塩原温泉バスターミナルに到着。今夜の宿はまだ先のバス停が最寄になりますが、初めて泊まる塩原温泉なので、折角だからと歩いてみることにします。
歩き始めると、いたるところで温泉が流されている光景を目にします。それだけ湯量が豊富だという証。これから向かう温泉への期待が膨らみます。
小さい頃から大型観光ホテルのCMのイメージの強かった塩原温泉。一口に塩原温泉といっても、11の湯本が点在する広いエリアの温泉郷で、それぞれで泉質や趣が異なるそう。
その証拠に、メインの通りから宿へと入る道へと踏み入れば、先ほどまでの建物や車の多さが嘘のように、ひっそりと静まり返る山深さ。塩原のイメージがすっかり変わりました。
一気に山の温泉の雰囲気が濃くなったところで、今夜の宿である『明賀屋本館』に到着。
そう、ここのお風呂に入りたかったのです。このお宿を知らなければ、きっと僕は塩原へは来ることが無かったかもしれません。それほど、一目見て惚れてしまったお風呂があるのです。
逸る気持ちを抑えつつ、寒さにかじかむ手で何とか宿帳を書いてチェックイン。通されたお部屋は渓谷沿いで、窓の外からは心地よい川音が聞こえてきます。
窓の外は山と深い谷。その急峻さは驚くものがあり、狭い平地と山肌を、お隣の旅館と分け合っています。下へと目をやれば、深い谷底にあるあのお風呂へと延びる通路が。想像以上の秘境感に、温泉に入る前からテンションが上がります。
いよいよ、恋焦がれてきたあのお風呂と対面の時。何度旅をしても、このワクワク感が堪りません。
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