谷底に沈む岩風呂と宮城の地酒に酔いしれた夜。迎えた朝は曇り空、僕の頭も少々ぼんやり。広瀬川が造り上げた渓谷を覆い隠すように聳える山には、朝靄が掛かっています。
今回の旅では本当にぼお~っとしてしまった。朝食の写真も撮り忘れる程。なので次はもう駅の写真に移りますが、しっかりと谷底のいで湯で頭を覚まし、バイキング形式の美味しい朝食も楽しみました。
それにしても、岩松旅館の岩風呂は本当に、本当に、良かった。自然湧出掛け流し、そして江戸時代から続く歴史ある湯船。それももちろんですが、何よりその環境が抜群だった。
すぐそばを流れる広瀬川は文字通りの清流で、流れの中には岩魚の姿もたくさん望めるほど。仙台から45分。仙台を訪れる機会があり、温泉が、露天が好きならば、絶対におすすめ。苦労して山の奥まで行かずとも、全く同じ感動が味わえるお宿でした。
また行きたい。いや、また行こう!今度は万全のコンディションで思い切り味わってやる。須川高原温泉に続き、またまた宿題を残して宿を去るのでした。
電車の時間までまだ余裕があるので、駅の構内をのんびりぷらぷら。立派な対のこけしが並ぶ駅舎の横には、こんな看板が。
そうここが、日本の交流電化発祥の地なのです。戦後10年にして交流電化の試験を開始し、そのデータを基に、在来線の電化から新幹線の誕生へと繋がったという、大切な場所。
車両は高く付くが地上設備が少なくて済む、効率の良い交流電化が実用化されなければ、日本の鉄道の電化はかなり遅れたことでしょう。そして、高圧の交流のパワーが無ければ、新幹線は決して実現できなかったはず。
まだSLが一番信頼のおける長距離輸送の要だった時代。こここそが、新たな鉄道への進化の胎動が始まった場所なのです。
仙山線は仙台と山形という都市を結ぶ路線というイメージですが、実際に乗ってみると、奥羽山脈を越えるだけあり、勾配も結構なもの。だからこそ、山がちな日本をくまなく結ぶ鉄道の電化に必要なデータを取るのにうってつけの路線だったのでしょう。
そんなターニングポイントとなった仙山線を、新型の電車に揺られて仙台駅へと向かいます。
仙台駅で仙山線から仙石線へと乗り換え、一路三陸の海へ。やってきたのは懐かしい山手線の車両に装飾を施した、マンガッタンライナー。仙石線の主役です。
全身キャラクターの電車に乗り込んでみると、車内ではロボコンがお出迎え。小さい頃ロボコンの子供用パズルで遊んだことを思い出します。
震災前と同じくカラフルで元気になる電車に揺られること40分、松島海岸駅に到着。(ひどいピンボケ、すみません。)
以前は仙石線にも快速が走っていたのですが、今は仙台から東北本線を経由し高城町から仙石線に入る仙石東北ラインしか快速の設定は無いため、仙台からは全て各駅停車での旅になります。
6年振りに降り立った松島海岸。さあ海へ!とその前に、新緑の時期ならではの古刹の美しさに会いに行くことにします。
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