松島から爽快な船旅を楽しむこと50分、この旅最後の目的地である塩釜港に到着。塩竈の海の玄関口たるマリンゲート塩釜は、船から降りた人、そしてこれから乗る人で賑わっています。
松島海岸駅に降り立った時の曇り空はどこへやら、太陽が燦々と降り注ぎ暑いくらい。塩釜港から本塩釜駅を通り越して歩くこと20分ちょっと、陸奥国一之宮、東北の守り神である鹽竈神社の入口に到着。
鳥居からまっすぐに伸びる石段は、見上げる程の長さと角度。他にも坂になった参道もありますが、やはりこの表参道を登ってお参りしたい。
決心して登り始めるも、すぐに息が上がります。そして更に堪えるのが、石段の中腹から勾配が増すということ。
長く勾配のきつい石段は深い森に覆われ、とても静かな空間。葉擦れの音に混じって聞こえる、自分の鼓動と息遣い。こうして内と向き合いながら登る。この感覚は表参道を歩いてこそ感じられる。
滴る汗を拭いながら石段を一歩一歩踏みしめ、ようやく門の下に到着。海抜の低い下の道から一気に登るからこその、爽快感と達成感に包まれます。
上がった息を整え、まずは御神木にご挨拶。天を目指してまっすぐに伸びる杉は、幹の太さもさることながら、レンズに収まりきらないほどの高さに圧倒されます。この神社の歴史の深さを体現する、圧巻の杉の巨木です。
青い空と、深い緑を背後に建つ、朱塗りの拝殿。すぐ下には交通量の多い県道が走り、周囲は塩竈の市街地が広がる。そんなことを微塵も感じさせない、深山幽谷をも思わせる、荘厳な空間。その静かな空気に心洗われ、穏やかな気持ちで参拝します。
訪れる度に厳かな心持ちにさせられる鹽竈神社をあとにし、お隣の神社へと歩きます。その途中には、かわいい眼をした撫で牛さんが。
撫でると牛が涎を垂れ、それが長く続くことから、商売繁盛のシンボルとされています。もちろん僕も、優しくなでなで。逢う度に、穏やかな気持ちにさせてくれます。
鬱蒼とした木々に包まれた参道を歩き、お隣の志波彦神社に到着。先程の鹽竈神社の神様が海の守り神であるのに対し、こちらの神様は農耕の神様だそう。
豊かな山の幸をいつも味わわせてくれる東北の地。今回も海の幸、山の幸を楽しませてくれた東北への感謝を胸にお参りします。
海と大地、両方の恵みが詰まった東北という地。その豊かな場所を守る神様にお礼とお願いをし、そして再訪を誓うのでした。
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