想い焦がれて夏つがる ~ヤーヤドーに逢いたくて 2日目 ③~ | 旅は未知連れ酔わな酒

想い焦がれて夏つがる ~ヤーヤドーに逢いたくて 2日目 ③~

8月上旬夏の弘前坂の上から眺める岩木山 旅グルメ

また新たな表情を魅せてくれた弘前城に別れを告げ、土手町方面目指して歩く午後。いやぁ、今日は暑い。坂を登り汗を拭き、ふと振り返れば優美な裾野を魅せる岩木山。

8月上旬夏の弘前旧弘前市立図書館
津軽藩の城下町として、古くから栄えた弘前の街。街中にも洋館が点在していますが、追手門広場には移築された洋館が2棟保存されています。まずは左右に配置された優美なドームが印象的な、旧弘前市立図書館に入ってみることに。

8月上旬夏の弘前旧弘前市立図書館八角形の塔屋に沿って上る階段
木造の温もりと歴史を感じる室内。2階へと続く階段は、八角形の塔屋に沿ってのびる独特の形。

8月上旬夏の弘前旧弘前市立図書館普通閲覧室
120年近く前に建てられ、昭和6年まで図書館として使われたというこの建物。2階には津軽地方の出版物が並べられ、かつての面影を感じられるよう。

8月上旬夏の弘前旧弘前市立図書館波打つ古い硝子
窓辺に立てば、隣の洋館を映す古い硝子。現代のガラスには出せないこの波打つ景色、好きなんだよな。

8月上旬夏の弘前旧弘前市立図書館午後の陽射しが溢れる塔屋内の部屋
階段室とは反対側の塔屋内は部屋として使われ、ぐるりと配置された窓からは午後の柔らかな陽射しが溢れる穏やかな空間に。

8月上旬夏の弘前旧弘前市立図書館陽射し溢れる閲覧室
開けた窓からそよぐ風、カーテン越しに差しこむ穏やかな陽射し。こんなところで本を読んだら、きっと寝てしまう自信が僕にはある。そう思わせるような、古い洋館ならではの優しさに包まれています。

8月上旬夏の弘前山車展示館
歴史ある洋館の温もりに触れ、続いてはすぐ隣に位置する山車展示館へ。弘前八幡宮の祭礼で藩政時代から運行されていたという山車がずらりと保存され、奥にはねぷたにも出陣する津軽剛情張大太鼓も保管されています。

8月上旬夏の弘前旧東奥義塾外人教師館
追手門広場に保存されているもう一つの洋館、旧東奥義塾外人教師館へ。下目板張りに整然と並ぶ窓、そこにのびる一筋の煉瓦の煙突が印象的。

8月上旬夏の弘前旧東奥義塾外人教師館ローズピンクの壁紙に彩られた優美な室内
1階は喫茶室になっていますが、2階は往時の暮らしを感じられる見学スペースに。重厚な調度品や優美な装飾の施された室内は、これが建てられた明治時代にはそれはハイカラなものであったことでしょう。

8月上旬夏の弘前旧東奥義塾外人教師館室内に設けられた物干しスペース
窓辺には室内の物干しスペースが設けられ、一年の大半が雪に覆われる弘前での暮らしの大変さが伝わるよう。

8月上旬夏の弘前旧東奥義塾外人教師館窓辺にはブランコが
さらにこちらの窓辺には、梁からぶら下げられたブランコが。雪国ならではの大変さはありつつも、明治時代にこの住居をあてがわれた外国人教師。この地での暮らしは、一体どのようなものだったのだろう。

8月上旬夏の弘前旧東奥義塾外人教師館洋館の中に潜む和の押し入れ
弘前の地で外国人を迎えるために造られた重厚な洋館の中で、それでも和の部分が薫るのも面白いところ。部屋の奥には見慣れたふすまと押し入れが、ひっそりと隠れています。

8月上旬夏の弘前旧東奥義塾外人教師館重厚かつ優美な洋館の室内
初めて弘前を訪れたときに感じた、あの感覚。失礼ながら、本州最北端に位置する津軽の地に、明治からこんなハイカラな文化に溢れていたなんて。古くから城下の中心として栄えてきた懐の深さに、あのときの僕は一目惚れしたのかもしれない。

8月上旬夏の弘前郷土料理しまや
久々にじっくりと弘前の街を歩き、ホテルへと戻りクールダウン。時刻も丁度良い頃となり、今宵の宴の舞台となる『郷土料理しまや』にお邪魔します。

8月上旬夏の弘前郷土料理しまやいかボール
店内へと入ると、おしゃべりの好きなお母さんが手料理を出す地元のお店といった雰囲気。ボードに書かれたお品書きのほか、カウンターに並ぶ料理から選ぶというスタイルです。

まずは瓶の黒ラベルをプシュッと開けてもらい、おいしそうないかボールを。うちはイガメンチじゃなくていかボールなの。と言われつつ出してもらいましたが、その通りよりいかの食感が詰まった凝縮感で、こんがりとした風味も相まってお酒にピッタリ。

8月上旬夏の弘前郷土料理しまやほたてと高野豆腐の煮物
続いては、青森といえばの帆立と高野豆腐の煮物を。もうね、この感じ、大好きなんだよね。シンプルイズザベスト。無駄な甘ったるさのない、素材から染み出ただしとしょう油の風味の活きた潔い味。これが津軽の酒に、合わぬ訳がない。

8月上旬夏の弘前郷土料理しまや手作りのきゅうり漬け
おいしい料理とお話し、そして旨い豊盃を愉しんでいると、良かったらこれ食べる?と手作りのきゅうり漬けを出していただきました。しっかりと漬け込まれ、余分な水分が抜けたきゅうり。カリポリとした食感と漬物ならではの旨味に、余計に豊盃が進んでしまう。

8月上旬夏の弘前郷土料理しまや棒鱈の煮物
続いて頼んだのは、棒鱈の煮物。濃すぎず薄すぎず、必要十分の塩梅で煮られた棒鱈は、ほっくりとした身に宿る凝縮感ある味わいが美味。いい意味で派手さはないが、地元の味。

お隣の地元の方やお母さんとのお話も愉しみつつ、旨いつまみに進む酒。楽しい時間はあっという間に過ぎ、気づけばねぷた出陣の時間を過ぎてしまった。でも、まあいいや。もう少しだけ、飲んでいこう。遠くに太鼓の音を感じつつ、豊かな時間に身を委ねるのでした。

想い焦がれて夏つがる ~ヤーヤドーに逢いたくて~
3年ぶりとなる弘前ねぷた夜空に浮かぶ為信公
2022.8 青森/岩手
旅行記へ
●1日目(東京⇒弘前)
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●2日目(弘前滞在)
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●3日目(弘前⇒青森⇒盛岡⇒東京)
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