想い焦がれて夏つがる ~ヤーヤドーに逢いたくて 2日目 ④~ | 旅は未知連れ酔わな酒

想い焦がれて夏つがる ~ヤーヤドーに逢いたくて 2日目 ④~

8月上旬夏の弘前津軽の夜を染めるねぷた 旅の宿

旨い酒と郷土の味の余韻を残しつつ、お囃子に導かれて土手町へ。すでにそこには、津軽の夜を染めあげる灯りの洪水が。

8月上旬夏の弘前郷土料理しまやでもらったニッカシードルロゼ
毎年弘前のねぷたを楽しみにしていると話していたら、郷土料理しまやのお母さんが帰りがけに「良かったらこれ飲んでね!」とくれたニッカシードルのロゼ。そんなことされたら、余計に弘前が好きなってしまう。

8月上旬夏の弘前ゑびすや履物店の津軽塗の下駄を履いてねぷたを見る
そしてもうひとつ、足に感じる津軽の温もり。東京で履いている下駄がちびってしまったので、今年も『ゑびすや』さんで津軽塗の下駄を購入。「弘前に来てくれるだけでありがたい」と端数をおまけまでしてくれ、弘前の人の優しさが心に沁みる一日に。

8月上旬夏の弘前夜空を燃やすねぷた
ようやく今年、こうして弘前へと戻って来ることができて本当に良かった。3年ぶりに目にするねぷたの灯りに、やはり僕にはこのお祭りが必要なのだと改めて実感。

8月上旬夏の弘前ねぷた胸に響く太鼓の音
映像で見ていても、どうしても満たされなかったこの想い。眼前を流れる色彩の洪水、胸へと響く太鼓の音。その独特なリズムにのせ奏でられるお囃子と、生でしか味わえない感動があるからこそ毎年毎年逢いたくなる。

8月上旬夏の弘前為信公のねぷた
今年はねぷた300周年の記念の年。津軽の城下を照らしてきたこの火祭りを、津軽のお殿様もきっと悦んで見ていることでしょう。

8月上旬夏の弘前美しさと妖しさを併せ持つねぷたの世界観
武者絵や故事など勇壮な絵が特徴的な鏡絵に対し、妖艶な絵が描かれる見送り絵。美しさと妖しさの共存する独特な世界観に、思わず引き込まれてしまう。

8月上旬夏の弘前鳳凰の舞う見送り絵
幽玄の世界が描かれる見送り絵があったかと思えば、目の覚めるような鮮やかさに彩られたものまで、その個性は様々。

8月上旬夏の弘前巨大な組ねぷた
次から次へとやってくる、弘前の夜を燃やすねぷたの灯り。中には3階建ての建物に届くほどの組ねぷたもあり、見る者をその迫力で圧倒します。

8月上旬夏の弘前細部まで美しいねぷた
細部まで緻密な美しさに彩られる、弘前のねぷた。采配を振るう津軽のお殿様の上には、ヘルメットをかぶったたか丸くんが隠れています。

8月上旬夏の弘前古のねぷた祭が描かれた組ねぷたの裏側
躍動的な組ねぷたの裏側に描かれた、古のねぷたの様子。300年前から姿かたちを変えながら、こうして今なお人々に受け継がれているねぷた祭り。その一筋の流れに、こうして立ち会えるだけでも貴重なこと。

8月上旬夏の弘前独特の妖しさを持つ見送り絵
ただ勇壮なだけではない。ただ美しいだけではない。弘前のねぷたには、美しさのなかにも妖しさが宿っている。何でも都合の良いものだけを見ようとする今において、この独特な世界観が僕は好き。

8月上旬夏の弘前ねぷた美しいグラデーションに彩られる見送り絵
夜闇を染める、艶やかな色彩。力強く描かれた虎を彩るグラデーションに、思わず目は釘付けに。

8月上旬夏の弘前龍と虎の力強い見送り絵
街中を鮮やかな色彩で埋め尽くす、ねぷたの行列。次は何が来るかと待ち構え、過ぎゆく様をじっと見送る。津軽の短い夏の到来を待ちわび、過ぎゆく夏を儚む。弘前の人々のそんな想いが、ねぷたの表裏には宿っているのだろう。

8月上旬夏の弘前ついに来てしまった本日終了を告げるねぷた
そしてついに来てしまった、本日終了を告げるねぷた。待ち焦がれていたこの二夜が、あっという間に終わってしまった。

8月上旬夏の弘前青森県警のパトカーとともにねぷたの後を追う
ねぷたの終わりは、すなわち僕の夏の終わり。終わろうとする夏を惜しむべく、去りゆくねぷたの後を追う。毎度のことながら、この瞬間は切なすぎる。

8月上旬夏の弘前スマイルホテル弘前夜のお供に作田
唯一無二、かけがえのない時間だからこその、この喪失感。祭りのあと。その言葉を噛みしめつつ、静かにひとり飲む作田。その豊かな味わいは、今のこの寂しさを想い出へと変える助けをしてくれるよう。

3年ぶりに再会できた、弘前の夜を染めるねぷた。瞼に焼き付いた余韻を噛みしめ、弘前での最後の夜は更けてゆくのでした。

想い焦がれて夏つがる ~ヤーヤドーに逢いたくて~
3年ぶりとなる弘前ねぷた夜空に浮かぶ為信公
2022.8 青森/岩手
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●1日目(東京⇒弘前)
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●2日目(弘前滞在)
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●3日目(弘前⇒青森⇒盛岡⇒東京)
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