第2会場で昭和の記憶に触れ、田舎館村役場である第1会場へと移動することに。ここからは少し距離があるため、無料シャトルのたさあべ号に乗車します。
走ること約10分、天守閣を持つ田舎館村役場に到着。5年前に訪れた際は整理券をもらうほどの大混雑でしたが、今日はまだ時間も早いためかすんなり入ることができました。
そしてもうひとつ、その時と変わった点が。以前は6階の小さな天守でしか田んぼアートを見ることができなかったのですが、4階に大きな展望台が設けられ現在はそこから見た時に一番きれいに見えるように田植えされているそう。
今年のテーマはおしん。僕はこのドラマを見たことはありませんが、このシーンだけは知っています。遠く八甲田山を背に、稲の色彩だけで表現された見事な臨場感。遠近法を駆使した図案もさることながら、これだけの稲の品種があることにも驚き。
田舎館村の名を全国区にした田んぼアートに触れ、反対側へと回るとそこには雄大に聳える岩木山。優雅に裾野を広げる姿は、津軽富士という異名にふさわしい美しさ。
展望台からの壮大な眺めを楽しみ、村役場を後にします。間近で眺める、田んぼアートに使われるカラフルな稲。葉が勢いよく茂るこの時期が、一番の見頃だそう。それぞれの色味により異なる柔らかさの印象を持つ葉が、空を目指し元気に伸びています。
次の無料シャトルまで時間があったため、歩いて田舎館駅を目指すことに。その道中、ふと気になる神社が。生魂神社の扁額を持つ鮮やかな朱塗りの鳥居に誘われ、お参りすることに。
ひとつめの鳥居をくぐると、そこには見慣れぬ様子の注連縄が。よくよく見るとこの注連縄、金属でできています。津軽地方の神社は独特だとは聞きますが、本当にこれまで見たことのない雰囲気。
米俵を頂いたような金属製の注連縄をくぐると、左右一対で参拝者を出迎える牛の石像が。台座に彫られた昭和十三年の文字。奉納されてから80年以上も津軽の厳しい風雪に耐え、今なお穏やかな表情を見せています。
時の流れを木肌に感じさせる渋い拝殿にお参りを。5年ぶり、2度目となる田舎館。再びこの地へこうして訪れることのできたお礼をします。
そしてまた目を引く、独特な姿の狛犬たち。阿形の子はニカっと笑ったような表情を浮かべ、鼻ぺちゃ犬好きには堪らないかわいさ。
隣の吽形の子は、歯を見せニッと笑みを湛えているよう。狛犬、唐獅子、シーサーって、絶対パグの親戚。元パグ飼いとしては、神社へお参りするとついつい目が行ってしまうのです。
古くから地元の人々の信仰を集めてきた神社へのお参りを終え、再び駅を目指して歩きます。住宅地を抜けると、一面に広がる夏の田んぼ。すでに小さな青い稲穂が顔を出し、豊かな実りへの準備を始めています。
元気な稲越しに眺める、岩木山。あぁ、夏休みだなぁ。絵に描いたような日本の原風景に心灼かれ、津軽の夏空を全身に浴びるのでした。
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