盛夏万緑、みちのくへ。~ヤーヤドーに逢いたくて 8日目~

赤倉温泉湯守の宿三之亟で迎える静かな朝

山里の湯宿で迎える穏やかな朝。外から聞こえる川音に誘われ窓を開ければ、部屋へと流れ込む朝の川風。その爽やかさに一気に目が覚め、すっきりとした心持ちで朝風呂へと向かいます。

赤倉温泉湯守の宿三之亟1泊目朝食
緑豊かな大浴場ですっきりと汗を流し、お腹もすいたところで朝食の時間に。食卓には美味しい山形の野菜をたっぷり使った品々が並びます。

トマトやアスパラは瑞々しく、ナスとピーマンの味噌煮は程よい甘辛さがご飯にバッチリ好相性。木綿の冷奴はしっかりと詰まった食感で、手作りの漬物も野菜本来の味を残す程よい塩梅。焼鮭やたらこ、納豆の定番的旨さも手伝い、気付けばおひつのご飯を全部平らげてしまいました。

赤倉温泉湯守の宿三之亟午前の露天風呂で一人静かな湯浴みを
いやぁ、満足満足。前回泊まった時も思いましたが、ここのお宿は野菜が美味しい。旅先ではお肉やお魚に目が行きがちですが、新鮮で旨い野菜こそ、実は地元東京では縁遠いものなのかもしれない。いつも食べているはずの野菜の旨さにハッと気付くとき、やはり旅を趣味にしていてよかったとしみじみ感じるのです。

おひつひとつ平らげた満腹を何とか落ち着け、午前の陽射しあふれる露天風呂へ。すだれ越しに吹く風は爽やかさの中にも夏を感じさせ、若干の火照りを沈めてくれる小国川のせせらぎの音もまた心地よい。

赤倉温泉湯守の宿三之亟湯上りのいけない午前のビール
海も好きだけど、川もいいなぁ。良質な鮎を育てる清流をつまみに飲む、いけない午前の湯上りビール。さらさらと絶えず聞こえる川音に、何故こうも心が落ち着くのだろうか。水の音には、人の何かに浸透する不思議な力があるのかもしれません。

赤倉温泉湯守の宿三之亟うたた寝しつつ眺める夏の空
今日は朝ごはんを食べすぎたから、お昼はいいや。ビールの余韻にごろりと横になり、ぼんやり眺める夏の空。この雲を見るたびに、実は夏が好きだったことを思い出す。毎年訪れる東北の夏は、日常の中で忘れてしまいそうな季節を感じる心を取り戻してくれる。

赤倉温泉湯守の宿三之亟夕暮れに染まる小国川
うたた寝し、気が向いたら浴場へ。そんな怠惰な夏休みも、もうすぐ終わり。気付けば空には夕暮れが広がり、わずかな光で小国川が辛うじて輝きの名残りを漂わせるのみ。

赤倉温泉湯守の宿三之亟2泊目夕食
楽しい時間というものは、本当に瞬く間に過ぎてしまう。連泊という有り余るほどあるはずの時間も、あっという間に夕食時に。今日も食卓には美味しそうなお料理が並びます。

大好物の岩魚は山椒味噌で田楽にされ、ホクホクとした身に味噌の甘辛さがたまりません。冬瓜のそぼろあんはぎゅっと閉じ込められた瑞々しさが美味しく、山形名物の玉こんと鶏の煮物は味がしっかり染みています。

蕎麦がきは揚げ出しにされ、表面香ばしく、中もちもちとろり。ふわっと広がるそばの風味が、地酒をとめどなく進めてくれます。柔らかいローストビーフは粒マスタード入りのオーロラソースでサラダ風に仕上げられ、ほや酢やいんげんの胡麻和え、いかの和え物といった小鉢も献立の中いいアクセントに。

牛しゃぶにお刺身、茶碗蒸しまで平らげもう大満足。最後にきゅうり入りのお味噌汁と白ご飯で締め、もうお腹はパンパンに。手作り感溢れる美味しい夕食に、心まで満たされるのでした。

赤倉温泉湯守の宿三之亟夜のお供に出羽ノ雪純米大吟醸出羽燦々仕込
今夜が最後となる、お湯とお酒に酔う時間。そのお供にと選んだのは、鶴岡の渡會本店の造る出羽ノ雪出羽燦々仕込純米大吟醸。すっきりと飲みやすくも、日本酒の良い香りと甘さ、程よい酸味がすっと広がる美味しいお酒。

赤倉温泉湯守の宿三之亟夜のお供に初孫魔斬生酛純米本辛口
2本目に選んだのは、酒田は東北銘醸の初孫魔斬生酛純米本辛口。初孫は僕の好きなお酒のひとつですが、この魔斬は特に辛口の際立つきりっとした飲み口。フルーティーな地酒が増えつつある中で、いわゆる東北の酒らしい潔さが僕は好き。

赤倉温泉湯守の宿三之亟夜の湯けむり漂う大岩風呂
お酒に飽きたら、温泉へ。夜の大岩風呂は湯けむりに満たされ、苔むす岩盤に抱かれる湯屋は一層幻想的に。ここでしか味わえない湯浴み体験は、一度味わってしまうと病みつきに。

赤倉温泉湯守の宿三之亟独特の風情を持つ夜の大岩風呂
ひとり噛みしめる、静かな湯浴み。大きな湯屋にはお湯の落ちる音だけがこだまし、湯に煙り艶めく羊歯が現実と幻の境を溶かすよう。

やっぱり連泊して、正解だった。唯一無二のこの浴場は、じっくり味わわないともったいない。汗を掻いたら縁に腰掛け、植物園のような空気感を胸いっぱいに補給する。三之亟の持つ独特な世界観に、心ゆくまで酔いしれるのでした。

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