盛夏万緑、みちのくへ。~ヤーヤドーに逢いたくて 5日目 ⑧~

夏の弘前ねぷた福々しい大黒様の組ねぷた

夜が更けるにつれ、更に熱を帯びる祭りの活気。賑やかな観衆の中を進む大黒様は、その福々しい表情で見る者皆に幸せをおすそ分けしてくれるよう。

夏の弘前ねぷた梅に雉の遊ぶ弁天様の見送り絵
大黒様の豊かな笑みの余韻に続き、優しい表情を湛える弁天様の見送り絵。傍には艶やかな梅が咲き誇り、美しい雉が楽しく遊んでいるかのよう。梅に国鳥、福舞の文字。令和こそは良い時代に、そんな人々の願いが込められているに違いない。

夏の弘前ねぷたモノクロと色彩の対比が美しい天岩戸の鏡絵
一筋の光が漆黒の世界に色彩を授ける様を描いた、天岩戸の鏡絵。伝説を具現化した美しさと陰陽の絶妙な対比に、思わず息を呑んでしまうほど。

夏の弘前ねぷた艶やかな天照大神の見送り絵
その見送り絵には、世に輝きをもたらす天照大神。厳しい自然や災害と向き合い暮らしてきたという歴史が、八百万の神々という概念と自然への畏怖の念として今なお受け継がれているのでしょう。

夏の弘前ねぷた夜空に鮮やかな色彩をあふれさせる児雷也の鏡絵
続いては、夏の夜空に躍動感を溢れさせる児雷也の鏡絵。ガマや蛇の妖しい姿と鮮烈な色彩の対比は、見る者をハッと目覚めさせるような不思議な迫力に溢れています。

夏の弘前ねぷた地獄の中で妖しく佇む地獄太夫
おどろおどろしい地獄絵図の中佇む、妖艶な美女。津軽の地に繰り広げられる、夏の夜の夢。地獄太夫の見送り絵を眺めていると、現実と幻の境すら怪しくなってきてしまう。

夏の弘前ねぷた夜空に滾る不動明王
弘前の夜空を朱く染めあげる、力強く輝く不動明王。大きなねぷた一杯に漲るその力は、これからの時代をきっと明るく照らしてくれることでしょう。

夏の弘前ねぷた夜空を焦がす勇壮な武者絵
夜闇に浮かぶ勇壮な鏡絵。かつて武将たちが繰り広げた激しい戦が、臨場感と美しさをもって紙一面に再現されています。

夏の弘前ねぷた躍動感あふれる三国志の組ねぷた
ビルの3階にも届くほどの高さを誇る、立派な組ねぷた。三国志を題材としたこの組ねぷたには、幾多もの動物が躍動感あふれる姿で再現されています。

夏の弘前ねぷた街を染める鮮やかな光の洪水
次々と襲い来る光の洪水。様々な表情に彩られたねぷたから発せられる灯りが、夜の弘前の街並みを鮮やかに染めてゆきます。

夏の弘前ねぷた弘前城に桜を咲かせる花咲かじいさん
幽玄な世界観が繰り広げられる中で、ときおりやってくる童話の和やかさ。地元の誇りである弘前城は、花咲かじいさんの手により咲き誇る桜で満たされています。

夏の弘前ねぷた頂上に太鼓が仕込まれた大きなねぷた
図案だけでなく、造作にまで様々な趣向が凝らされるねぷた。このねぷたの上には太鼓が仕込まれ、それを見せるために上端を折りたたむと絵が変化するという細かい工夫が施されています。

夏の弘前ねぷた二夜目の最後を彩るねぷた
3時間近くにも渡り繰り広げられる、弘前の熱い夜。そしてついに来てしまった、今宵の最後を彩るねぷた。今年はこれで、もう終わり。毎年毎年楽しみにしている夏の夜の夢も、もうすぐ儚く消えてしまう。

夏の弘前ねぷた本日終了のねぷたが告げる僕の夏の終わり
本日終了のねぷたが告げる、僕の夏の終わり。あぁ、切ない。楽しすぎるからこそ襲い来る、この計り知れない切なさ。ねぷたの表裏と同様に、この感情の対比があるからこそ、毎年訪れてしまうのかもしれない。

夏の弘前ねぷた最後のねぷたの後追いを
名残惜しい。もっともっと、見ていたい。その想いが自然と足を動かし、最後のねぷたの後追いをしてしまう。この瞬間が、永遠に続けば。そんな叶わぬ願いを想いつつも、限りあるものだからこそ来夏も訪れる口実ができるというもの。

夏の弘前ねぷたビルに映るねぷたの余韻
目に焼き付く光の残像、耳に残るヤーヤドーの余韻。本当に、終わってしまった。この後も次なる旅先が待っているにもかかわらず、やっぱり切なくなってしまう。この感傷は、弘前での最後の夜には欠かせない大切な儀式。再訪を固く誓い、祭りの名残をひとり深く噛みしめるのでした。