昨晩は山陰の美食美酒に酔い、いい時間を過ごしました。そんな初めての島根県ともお別れ。松江駅から特急に乗り、鳥取県を目指します。
ガラガラとディーゼル特有の小気味良い唸りを響かせて入線してきた、スーパーまつかぜ。振子車独特の断面をそのままフロントのデザインにした、六角形のようなシルエットが印象的。
そしてなにより驚くのは、その短さ。なんとなんと、特別急行が2両編成で運転しているのです。1両は指定席、1両は自由席。それでも座席にそれなりの余裕があるところを見ると、陰陽連絡の需要とは違い、山陰間の都市間移動はあまり需要がないのでしょう。なんとものんびりした雰囲気の特急列車です。
シンプルな外観とは打って変わり、車内は温か味のある雰囲気。座席はグレー系でシックにまとめられていますが、窓周りに使われた木目調や電球色の照明が落ち着いた雰囲気を演出します。
日本全国銀色の車両ばかりが増えていますが、車内はまだまだ各社特有の雰囲気が健在。西と東、列車の雰囲気の違いを感じるのも、鉄道旅行の楽しみのひとつです。
金太郎飴(笑)のようなストンとした外観からはイメージさせない、時速120キロの力走。床下ではエンジンが唸り、車体を左右に振って走る。振子ディーゼルには、何ともいえぬダイナミックさがあります。
力強い走りに身を任せていると、車窓には冬の日本海。大きな波が打ち寄せる、これぞまさに日本海!といった光景です。
鉛色の空と海に包まれるようにして並ぶ、低い家並み。言葉で上手く表せないことがもどかしいのですが、やっぱり東北、北海道とは違う雪国の表情。
同じ日本海側の雪国でも、地方地方で景色が違う。こんな狭い島国でもたくさんの表情を見せる日本。叶うならば死ぬまでに全都道府県を訪れてみたい。僕の夢です。
途中、いくつもの海岸線で見られた風力発電。大きな羽が、風の力で勢い良く回っていました。低く垂れ込めるねずみ色の雲。予報はこれから下り坂。大寒波がやってきているので、これからの天候が心配です。
島根側では殆ど見られなかった雪景色に彩られた車窓を堪能し、あっという間に倉吉駅に到着。ここ倉吉は、世界に誇るラジウム泉である三朝温泉をはじめ、はわい温泉、東郷温泉といった温泉地の玄関口です。
倉吉の市街地は駅から少し離れたところらしく、そちら方面へのバスが頻繁に運行されています。
僕らもそのバスに乗車。目指すは白壁土蔵群・赤瓦。三朝へ向かう前に、倉吉の古きよき町並みを堪能することとします。
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