窓から溢れ出す光の洪水。ついに列車は青函トンネルを抜け、北の大地へ上陸。この旅も新しいステージを迎えます。
ふと窓の外を見ると、そこにはしっかりと新幹線用のレールが敷かれていました。
北海道新幹線新函館開業まであと数年。いよいよその瞬間が近付いてきた。あと数年すれば、東京から新函館まで乗り換えなし、札幌までも乗り換えたったの1回という時代がやってきます。
青森ではすでに青々としていた田んぼも、北海道ではまだ田植え直後。海を隔ててここまで季節の違いがあることに驚きます。
この時期に北海道を訪れるのは高校の修学旅行以来。いつも真夏か真冬かという極端な季節ばかり来ているので、北海道のこんな感じの景色は初めて。いつも見ている景色も新鮮に映ります。
今日は北海道も生憎の空模様。初夏の爽やかな大地を期待していただけにちょっと残念。それでもこれはこれで、北への列車旅としては風情があるというもの。どんよりとした津軽海峡を眺めながら飲むワンカップ。これぞ演歌の世界。
いつもはきれいに姿を見せてくれる函館山も、今日はお休み。雲の中にすっぽりと隠れています。
ここまで来れば函館はもう少し。新幹線開通と共に消えると思われるこのスーパー白鳥。この列車も乗り納めかな、などと思いつつ、残りの時間を函館まで過ごすのでした。
列車は定刻に函館に到着。向かいに停まっているスーパー北斗に乗り換えます。僕の中でJR北海道の特急列車といえばやっぱりこの車両。噴火湾をイメージした鮮やかな青が印象的な、JR北海道の高速列車の元祖です。
真っ青なバッタ顔の側面に書かれたFURIFCO281のロゴ。以前はHEAT(Hokkaido Express Advanced Train)281と書かれており、僕はそのほうが馴染みがありました。
中学生のときに初めて見たこの車両。今までに無いダイナミックなデザインと、豪快なディーゼルの唸りと共に疾走する姿に強い衝撃を覚えたことを今でも忘れられません。
列車は豪快なエンジン音を轟かせ、函館駅を出発。森までの区間はその俊足を発揮せず、山道をクネクネと進みます。いつもは見える駒ケ岳も今日は雲の中に隠れています。
森駅を過ぎ、噴火湾沿いに韋駄天振りを発揮し始めた頃、車内販売が到着。北海道に来たらやっぱりこれ!というサッポロクラシックを購入。
高速で流れる海辺の景色をつまみに、北海道上陸を祝してクラシックで乾杯。噴火湾、キハ281、クラシック。この三拍子が揃ってこそ、僕の北海道上陸なのです。
巨体を左右に大きく揺らし、海辺を縦横無尽に力走するスーパー北斗。目指すはこの海沿いのずっと先。もうすぐ、ばあちゃんとの約2年振りの再会。その瞬間を楽しみに、この爆走を満喫するのでした。
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