僕が湯治にチャレンジする勇気をくれたのが、この食堂やはぎ。自炊部にある、和洋中様々な味が楽しめる食堂です。
朝食は予約制で事前に帳場に申し込む必要がありますが、昼、夜は自由に利用することができます。お値段も手頃なものが多く、何より美味しい。自炊をしなくてもここへ来れば食べるには全く困らない、これこそが大沢温泉で湯治をしてみるきっかけとなりました。
滞在2日目、最初のお昼に選んだのはもちろんおそば。こちらは石臼挽きそば粉を使用した十割そばが売りで、更科と田舎を選ぶことができます。
今回は太めのしっかりとした食べ応えが嬉しい、田舎そばのてんぷらそばを注文。運ばれてくると、大きなえび天2本の存在感が目を引きます。このボリュームで680円。
つゆは塩分控えめのすっきりとしたつゆ。東京の濃いそばつゆが好きな僕ですが、ここのそばつゆなら薄めでも全然OK。しょう油がたたない分、そばやだしの風味をしっかり楽しむことができます。
そばは十割なのにつるつるしこしこ。ありがちなボソボソ感、もっさり感はありません。そしてプリプリとした大ぶりなえび天。適度に纏ったころもがつゆを吸い、これこそがてんぷらそばの醍醐味!という美味しさを感じさせてくれます。
翌日は、情熱のナポリタンを注文。前回も注文しようかどうか最後まで悩み続けたメニュー。今回やっと食べることができます。
玉ねぎ、マッシュルーム、ピーマン、ウィンナー。想像通りのナポリタンのおでましに、童心に帰って思わずウキウキしてしまいます。一口食べてみると、べったりケチャップかと思いきや、トマトソースが活きたジューシーなタイプのナポリタン。
ナポリタンって、ケチャップメインも美味しいし、トマトメインも美味しいんですよね。タバスコと粉チーズをたっぷり掛けて、一気に平らげてしまいました。わかめスープもついて680円、お得です。
最後のお昼にと注文したのは、カツカレー。昨日の昔懐かしいナポリタンに気を良くし、今日も洋食メニューにしてみました。お皿の上にはドカンと存在感のあるカツが載り、ボリュームのあるサラダも付いてきます。これでお値段840円。
カツはさくっと揚げられており、カレーの他に掛けられたソースがいいアクセント。カレー自体はスパイスのとがった感じの無い、オーソドックスなカレー。
味、盛り付け共に、いい意味で古き良き昭和の風情を感じさせる一皿。レトロ感あふれる木造の室内で頂けば、お腹だけではなく心まで満たされます。
最後の夜、部屋で軽く飲んだ後に繰り出し、注文した哀愁支那そば。〆にこのラーメンを食べたかったので、敢えて食材は買い足さずに残り物だけで適当におつまみを作りました。
ほろ酔い気分で待つことしばし。もうここで過ごす夜も最後なんだなぁ、なんてしみじみしていると、これまたしみじみとした見た目の中華そばが運ばれてきました。
すっきりと澄んだ、しょう油の香るシンプルなスープに沈む縮れ麺。具はチャーシュー、めんま、なるとに海苔とねぎ。
最近はラーメンが進化しすぎていて、こんな必要十分なラーメンを食べる機会はめっきり減ってしまいました。飾り気は無いけれどもじんわり美味しい。やっぱり食べに来て正解でした。
行くたびに色々目移りしてしまう豊富なメニュー。ボリューム満点でお手頃な値段。何より、どれもきちんと美味しいという、当たり前のようでいて実はなかなか難しく大切なこと。
やっぱり次回は、自炊ではなくやはぎ湯治をやってみたいなぁ。じんわりと心に沁みるスープを飲みながら、早くも次の訪問に期待を膨らませるのでした。
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