錦零れる秋いわて ~いで湯ともみじに染められて 4日目 ②~

東北本線701系普通列車北上行き

愛する盛岡に別れを告げ、いつもの701系に乗り込みます。これから向かうは、冬季休業のあの秘湯。冬を控えたこの時期、今年最後の輝きをみせてくれるはず。久しぶりの対面を目前に、弥が上にも心が昂ります。

北上駅東口
東北本線に揺られること50分、北上駅に到着。以前は西口から路線バスが運行されていましたが、残念ながら廃止に。現在は宿の送迎バスが、公共交通機関利用者にとって唯一の足となっています。

夏油温泉送迎バス車内から眺める秋色の山
さすがは秋真っ盛りのこの時期、送迎バスのりばは多くの人で賑わいます。この日は2台体制での運行、指定されたバスに乗り込み一路山奥目指して走ります。道はいつしか勾配を増し、色付く山々が迫りくるように。これから始まる秋色の時間に思いを馳せ、到着を今か今かと待ちわびます。

夏油温泉元湯夏油
送迎車に揺られること約50分、奥羽山脈に抱かれた秘湯、夏油温泉に到着。今回も『元湯夏油』にお世話になります。7年ぶりの再々訪ですが、そのときと変わらぬ佇まいに、思わずホッとします。

夏油温泉元湯夏油嶽館3階客室
今回通されたのは、元湯夏油でも唯一の3階建てである嶽館。前回もこの棟に宿泊したため、帰ってきた感が一層増します。部屋には布団がすでに敷かれており、くつろぐ体制は準備万端。これから始まる怠惰な時間に、もうニヤニヤが止まりません。

夏油温泉元湯夏油嶽館3階からの紅葉の眺め
窓を開ければ、この眺め。道も果てた山奥に位置するこの宿、背後には錦を纏った山がすぐそこまで迫るかのように聳えています。その秋色をより一層渋くさせる、夏油の風情。小さな温泉街のような独特の情景は、元湯夏油ならではのもの。

秋の夏油温泉元湯夏油紅葉の山を背負う自炊部
早速浴衣に着替え、お待ちかねの露天風呂へ。その道中、必ず通るのがこの道。旅館部と自炊部からなる元湯夏油には、いくつもの建物が両側に連なるように建ち並びます。この情緒に立ち会えるだけでも、ここまで来た甲斐があるというもの。8年前に訪れた時に、一発で僕の心を射抜いた罪な奴。

秋の夏油温泉元湯夏油渓流沿いの真湯と女(目)の湯
元湯夏油には7つの浴場があり、全てが源泉かけ流し。そのうち2つが男女別、1つが女性専用。4つある露天風呂は混浴となっており、それぞれ女性用時間帯が設けられています。部屋に時間割が置いてあるので、それを確認しながら湯めぐりのプランを考えるのもまた一興。

秋の夏油温泉元湯夏油夏油川を彩る紅葉した木々
まずは渓流沿いに位置する真湯へ。夏油川の刻んだ谷底に佇む大きな湯船には湧いたそのままの源泉が満たされ、響く川音と秋色に包まれながらの湯浴みを楽しむことができます。お湯は無色透明ながら若干の独特な香りがあり、体の芯へと沁み入るような浴感が印象的。

秋の夏油温泉元湯夏油紅葉に染まる山をつまみに湯上りの冷たいビールを
7年前と全く変わらぬ自然そのままの湯浴みに心躍らせ、身も心も火照ったところで冷たいビールを。錦を纏った山をつまみに喉へと流す、冷たい刺激。これ以上の幸せがあるのだろうか。これだから、温泉旅はやめられない。

秋の夏油温泉元湯夏油谷底に佇む大湯
湯上りの余韻を畳で沈めたところで、次なるお風呂へ。この大湯も湯船の底から自噴する源泉が満たされていますが、なにより特徴的なのがその熱さ。

熱い、熱い、本当に熱い。前回訪れた時は入ることができませんでしたが、今回は何とか頑張って入浴。入るときは肌を刺すように熱いのですが、一度入ってしまえば何とか平気。湯上りにはいつまでもポカポカ感が続き、体も頭も得も言われぬすっきりとした感覚に。

久々に噛みしめる、夏油での湯浴み。秋色に包まれ味わうお湯は、自然と一体となったかのような心地よさ。到着後、数時間にしてこの濃密さ。これからここへ、2連泊。身も心も解けてしまいそうな予感を抱き、湯の火照りだけではない何かに早くも胸を焦がすのでした。

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