錦零れる秋いわて ~いで湯ともみじに染められて 1・2日目 ③~

休暇村岩手網張宿泊者限定無料送迎バス

朝から満喫した秋の盛岡に別れを告げ、今宵の宿へと向かうことに。これから向かうは、雫石の山奥に位置する網張温泉。以前は路線バスが運行されていたのですが、今年に入ってから廃止に。今ではこの宿泊者限定の送迎バスが、マイカーやタクシー以外の唯一の足となっています。

休暇村岩手網張送迎バス車窓から望む小岩井農場
バスは奥羽山脈の麓へとひた走り、人家もまばらになったかと思えば車窓には広大な農地が広がるように。時折現れる木造の古い畜舎や、放牧された牛たち。その雄大な光景は、バターやチーズのパッケージで見慣れた小岩井農場のものだとすぐにわかります。

休暇村岩手網張
秋色に染まる車窓を楽しみつつバスに揺られること約1時間、『休暇村岩手網張温泉』に到着。ここは数年前に立ち寄り湯で利用しようと思いつつも、急遽の予定変更で断念した場所。一度はと思っていた網張の湯との対面を目前に控え、期待が自ずと膨らみます。

休暇村岩手網張から望む秋の早池峰山
背後に感じる雄大な気配にふと振り返れば、どこまでも広がる岩手のパノラマ。今日はあいにくの曇天ですが、眼下には秋の色合いを纏った牧歌的風景が広がり、遠くには大きく横たわる早池峰山の山影が。

休暇村岩手網張温泉を染めつつある紅葉
視線を山手へと移せば、宿を包み込むように広がる秋の気配。裾野を落とす山並みは色付いた木々に彩られ、この天気ならではの渋く落ち着いた色合いもまた味わい深い。

休暇村岩手網張温泉東館森林側和室
早速秋の岩手の雄大さを感じたところで、チェックインし部屋へと向かいます。今回選んだのは、若干お手頃価格となる東館の森林側和室。眺望側の部屋を選べば、先ほどのようなパノラマを一望のもとに収めることができます。

休暇村岩手網張温泉雄大眺めを愛でつつ湯上りのビールを
浴衣に着替え、早速お風呂へ。このお宿は東館と西館2つの棟からなり、東館にはこじんまりとした白泉の湯、西館には露天風呂付きの大釈の湯という2か所の大浴場が設けられています。

大きな浴槽に掛け流される、網張の湯。硫黄臭漂う温泉らしい温泉と戯れ、すっかり茹だったところで至極のこいつを。暮れ始めた曇天のモノクロに、色味を添える秋の木々。この時期ならではの贅沢を愛でつつ飲むビールは、まさに格別の一言。

休暇村岩手網張温泉こぢんまりとした白泉の湯
部屋で久々の畳の感触を楽しみ、クールダウンしたところで再びお風呂へ。部屋から近い東館の白泉の湯へと向かいます。日によって、色が変わるという網張の湯。この日はほぼ透明なお湯に細かい湯の花が沈殿し、日本酒でいうところのささにごりといった趣。

泉質は、硫化水素型の硫黄泉。硫黄の中に金属を感じさせるような香りが漂い、細かい湯の花が肌を包む柔らかい浴感が印象的。ここから2㎞ほど離れた山中に湧く源泉は高温で、引き湯されても結構な熱さ。ですが一度入ってしまえば嫌な熱さは感じず、体の芯からしっかりと温めてくれます。

休暇村岩手網張温泉1泊目夕食バイキング
千三百年もの歴史を持つという網張の湯に満たされ、お腹もすいたところで夕食の時間に。今回はプランの関係で、バイキングの夕食。テーブルには、山の幸を中心とした和洋中のメニューが並びます。

そんな中、選んだのはこの品々。きのこや山菜を使ったおかずを少しずつ、色々と。大好物の根曲がり竹は皮ごと保存され、剥いてかじればシャキッとした食感と風味がたまりません。小岩井の乳製品を使ったというグラタンは、まったりと濃いミルク感を味わえます。

休暇村岩手網張温泉飲み比べセット
普段はあまり利用しなけれど、こんなバイキングならいいかも。山に泊まるなら、山の幸。そんな期待に沿ってくれるおつまみにと合わせるのは、数種の地酒から自分で選べる飲み比べセット。さすがは酒処岩手、どれを飲んでもやっぱり旨い。

休暇村岩手網張温泉1泊目夕食松茸の土瓶蒸し
予約したプランに付いていた松茸の土瓶蒸しが、いい具合に出来上がり。今季初となる松茸、シャキッとした歯触りの後に広がる香りが秋らしさを鼻へと連れてきます。だしはその香りを邪魔しない丁度良い塩梅で、一緒に加えられた鱧やえびの旨味がじんわりと染み出ています。

休暇村岩手網張温泉1泊目夕食ひっつみ汁ステーキ雫石長芋とつるなの天ぷら
続いては、1人1皿注文できるミニステーキを。岩手県産の黒毛和牛が目の前の鉄板で焼かれ、出来立ての熱々を楽しめます。正直、このお肉は期待以上。程よい加減で焼かれた赤身は柔らかく、噛めばじんわりと肉の旨味がしっかりと溢れてきます。

天ぷらもその場で揚げられたものを自分でチョイス。つるなは葉っぱらしい風味と食感が美味しく、雫石産の長芋は程よく熱が入りしゃっきりとした歯触りとホクホク感、そしてぬめりが魅惑の同居。長芋の天ぷら、旨いなぁ。思わずおかわりしてしまいました。

その左にあるのは、岩手の郷土料理であるひっつみ汁。たっぷりのきのこや野菜、肉団子から出ただしを、もっちりぺろんとしたひっつみが思い切り吸っています。地味だけど、旨い。すいとんとは似て非なるひっつみは、心身の芯まで沁みるような素朴な旨さに溢れています。

休暇村岩手網張温泉夜のお供にあさ開南部流寒造り純米吟醸
思った以上に郷土色ある夕食に満腹のお腹を抱え、部屋に戻ってだらだらごろり。お腹も落ち着いたところで、今夜のお供を開けてみます。

今回選んだのは、僕の好きな銘柄であるあさ開の南部流寒造り純米吟醸。南部流とは、米、水、そして杜氏を始めとする職人も岩手にこだわって造ったシリーズなのだそう。あさ開らしいきりっとした味わいの中に、香りや旨味、甘味が広がる美味しいお酒。

ずっと気になっていた、歴史ある名湯網張温泉。シルキーなお湯から立ち上る硫黄の香りに満たされ、岩手の地酒にほんのり酔わされ。休暇村に泊まるのは初めてだけれど、お湯は掛け流しだしバイキングも意外といいかもしれない。新たに知った旅のかたちに、早くも訪れてよかったと実感するのでした。

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