生まれて初めてのエアバス機で2時間半の快適飛行を味わい、那覇空港に到着。目的地はまだ先ですが、まずは一旦めんそ~れの島に降り立ち小休止。直行便で向かう便利さもありがたいのですが、こうして少しずつ八重山へと近づいてゆく感覚が僕は好き。
乗継便まで1時間半ほどの余裕があるため、まずは展望デッキへと向かい南国感を浴びることに。梅雨明け間近の空からは力強い陽射しが降り注ぎ、その熱さとともに肌を包む独特のムワッとした空気。
あぁ、今年もこうして沖縄に来ることができた。飛行機で空輸された体に吹き込む南国の風に、ようやく自分の中のもうひとつの体内時計が動き始めるのを感じます。
時刻はまだ11時。がっつりお昼という気分ではなかったため、軽めに飲んで食べてできそうな『キリンビア&スナック』に入ってみることに。
キリンビールさん、ごめんなさい。やっぱり沖縄での一発目は、オリオンだわ。ということでまず注文したのは、75BEERクラフトラガー。
いつものゴクゴクいきたいオリオンとは表情の違う、コク深い味わいが印象的。って実はこれ、凄いことだと思う。キリンのお店でアサヒ系列の商品を出してくれるなんて。
はじめて飲んだオリオンのクラフトビールに、未だ沖縄にいるという実感が掴みきれていない僕。そんななか運ばれてきた、島とうがらし餃子。カリッと揚げられた餃子を頬張れば、肉の旨味とともに広がる島唐辛子の華やかかつ潔い辛味。これがビールに合わない訳がない。
続いては、炙り軟骨ソーキガーリック味を。とろとろに煮込まれたソーキは、ほどける肉と軟骨部分のぷるぷるとした食感が美味。家で作っても、こうはならないんだよなぁ。
これまたビールに合う沖縄っぽいものをと思い、タコスを注文。サクッとしっとりが同居したおいしい皮に挟まれる、タコミートや野菜、チーズといったたっぷりの具。爽やかな酸味と辛さのサルサソースを掛けて頬張れば、やっぱりビールをグイっといきたくなる。
ビールにばっちり合うつまみに一番搾りのハーフ&ハーフをおかわりし、良き時間になったところで再び搭乗口へ。今朝のエアバス機に続き、人生初搭乗となるJTA。日本トランスオーシャン航空、声に出して言いたいカッコよさ。
機内へと入ると、耳へと届く沖縄のBGM。CAさんの挨拶は到着地である八重山の言葉でアナウンスされ、配られる飲み物はさんぴん茶。なんかもう、機体にも描かれているうちなーの翼感満載。南西航空の時代から沖縄の島々を結んできたという矜持が滲み出てくるかのよう。
那覇空港を離陸したB737型機は、八重山の空へと向けグングンと高度を上げてゆく。眼下にはうつくしいエメラルドグリーンの海が広がり、ようやく沖縄まで来たという実感が湧いてくる。
さんぴん茶を飲みつつ眺める、青い世界。この瞬間も、着々と愛する八重山に近づいている。一旦那覇で自分の体内時計を起動させ、首を長くして着陸の瞬間を待ちわびる。やっぱり僕は、乗継便での石垣入りが好き。
逸る気持ちをうちなーの翼に託していると、ついに今年もこの瞬間が。いくつかの島を眼下に見送り、しばらくして現れるひときわ大きな島影。珊瑚礁に囲まれ横たわる平久保崎に、今年もこうして逢えたことの歓びを噛みしめずにはいられない。
飛行機はどんどんと高度を下げ、ふらりふらりと着陸態勢へ。機窓を染める数々のあおさに、嬉しいはずなのに切なくもあるような、自分では処理しきれない感情が一気に溢れてくる。
この地上の楽園に初めて降り立ったのは、7年前のこと。そのときは、こうして何度も何度も戻ってくることができるとは思ってもみなかった。あの日感じた鮮烈な感動とはまた違う、帰ってきたという穏やかでふくよかな歓び。もう間もなく、僕の本気の夏が始まる。
心を染める嬉しさに胸を焦がしていると、飛行機は轟音とともに南ぬ島石垣空港に着陸。1年間、待ち焦がれてきたこの夏休み。八重山で過ごす日々への期待に心躍らせ、ベルトサインが消える瞬間を今か今かと待ちわびるのでした。
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