三線ライブの余韻に抱かれいつしか眠りに落ち、すっきりとした心持ちで迎える石垣での朝。今日は竹富島に渡る予定。どうやら天気も良さそうだ。
ベランダから竹富方面の空を確認し、その青さに安心したところで朝食会場へ。パパイヤチャンプルーは程よい食感と優しい味付けがおいしく、ゴーヤのナムルはちょっとした心地よい苦みが箸休めにピッタリ。
今朝も相変わらずおいしいおかずに誘われ、ご飯をおかわり。腹ごなしにと食後のコーヒーを持ち出し、港湾散歩へと向かいます。
以前イーストチャイナシーに泊まった時から、ずっと気になっていた浮桟橋の遺構。調べてみると、離島ターミナルができる以前はここが桟橋として使われていたそう。
当時の写真を見てみると、今道路となっている部分が待合所だった模様。テントの下にベンチが並ぶ様子からは南の島感が溢れ出し、できればそのときに来てみたかったと叶わぬ願いを抱いてしまう。
そうか、道路に残る鉄柱を切った跡はかつての港の面影だったのか。港も空港も新しくなった石垣島しか知らない僕にとって、島を支えた交通の在りし日の姿に思いを馳せるだけでキュンとしてしまう。
そのまま海沿いの道を進み、埋め立て地へと続くサザンゲートブリッジへ。勾配を登り高度を上げるごとに、視界を占めるあおの領域が大きくなってゆく。
橋上には強い海風が絶えず吹き、それを浴びながら碧い海を望めばなんだか自分が翔んでいるかのような錯覚が。
視線を竹富方面へと向ければ、新しいターミナルに停泊する巨大客船。以前は沖止めされる姿をよく目にしていましたが、こうして接岸している姿を見るとその巨大さがより強く感じられるよう。
食後に爽快なあおさを浴び、ホテルに一旦戻り海支度。良き時間になったところで港へと向かい、乗船券を購入します。船に乗るにもバスに乗るにも、本当に楽で仕方がない。ミヤヒラの便の良さを知ってしまうと、もう戻れなくなりそう。
『八重山観光フェリー』のサザンクイーンに乗船しあっという間の10分ちょっと、今日も碧く染まる竹富港に到着。その日の気分で行く島を変えるとは、なんと贅沢なことなのだろう。
今日の竹富島も、絶好調に夏。燦々と降り注ぐ八重山の太陽を受けつつ、汗をぬぐいながら集落へ。夏の青空の鮮やかさに、竹富島を満たす天然色もその力強さを一層増すかのよう。
漲るような青さを湛える夏空と、力いっぱい弾けるように咲く百日紅。目を細めざるを得ないほどの強烈なコントラストが、胸の奥底まで焦がしてゆく。
もう本当に、嫌というほど全開の夏。どこをどう眺めても、視界を染めるのは鮮烈な夏空と竹富を包む唯一無二の空気感。これに逢いたいがために、毎年こうして通ってしまう。もう僕は、八重山の夏無しでは生きられない。
それにしても、今年は本当に天気に恵まれている。昨日の小浜島に引き続き、今日の竹富でも最高潮の夏を味わえそうだ。木陰に咲くハイビスカスの可憐な姿に、強烈な夏の予感を重ねるのでした。
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