銀嶺つむいで大糸線 ~鉄路でなぞる塩の道 2日目 ③~ | 旅は未知連れ酔わな酒

銀嶺つむいで大糸線 ~鉄路でなぞる塩の道 2日目 ③~

2月上旬姫川温泉湯の宿朝日荘湯上りの瓶ビールと単行の大糸線キハ120 旅の宿

銀世界と昭和レトロを愛でる昼下がりのさんぽを終え、宿へと戻りふたたびお風呂へ。誰もいない大岩風呂でじっくりと姫川の湯と戯れ、茹だったところでプシュッと開ける瓶ビール。冷たい刺激を味わいつつ、走り去る単行の気動車を眺めるひととき。とても静かで、満たされる時間。

2月上旬姫川温泉湯の宿朝日荘夕暮れ時の山並み
愉しいときというものは、本当にあっという間。日がな一日銀世界とお湯を楽しんでいたら、気づけばもう夕暮れ時に。山の背後に消えゆく陽の名残り、それとは対照的に灯りの存在感は増してゆく。

2月上旬姫川温泉湯の宿朝日荘2泊目夕食
今日一日たっぷりと、その美しさを味わわせてくれた白銀の山並み。その白さが闇に飲まれゆく様を眺めていると、夕食の用意ができたとの電話が。

夕食会場へと向かうと、今宵もおいしそうな品が並びます。白和えはほんのり甘さのある優しい味わいで、鶏と舞茸の煮物はだしを感じる上品な味付け。地酒とともに、手作りのおいしさが沁みてゆきます。

火にかかっているのは、おそばの入ったお鍋。かき揚げや卵といったボリュームある具とともに載せられた赤巻きに、やはりここは日本海側との結びつきが強い地なのではと考えつつ地酒を傾けます。

ぶりの焼き物やチャーシュー、山深い地ながらしっかりとおいしいお刺身と、色々な味覚とともに味わう新潟の酒。〆にごはんをしっかりと平らげ、今夜も大満足で夕餉を終えます。

2月上旬姫川温泉湯の宿朝日荘夜のお供に月不見の池吟醸
休みが取れたら、今度は3泊くらいで来たいな。そんないけない妄想を抱きつつ、ひとり静かに過ごす夜。そんな時間のお供に開けるのは、糸魚川は猪又酒造の月不見の池吟醸生貯蔵酒。すっきりとしながらフレッシュ感のある、するりと飲めるおいしいお酒。

2月上旬姫川温泉湯の宿朝日荘夜闇に浮かぶ天望露天風呂
お酒を含み、ぼんやりと眺める窓の外。夜闇に浮かぶ白銀の山並みに誘われ、今宵最後の天望露天風呂へと向かうことに。

2月上旬姫川温泉湯の宿朝日荘夜の白い山並みを愛でながら湯浴みを愉しむ天望露天風呂
日中は温かさすら感じる陽気でしたが、日が暮れると一気に気温は冬へと逆戻り。凛とした夜風を頬に受けつつ、身を沈める姫川の湯の温もり。肌にするりとなじむ優しい浴感、湯けむりの切れ間から覗く夜の銀世界。いつまでもこんな時間が続いてくれたら。そんな叶わぬ願いを抱いてしまう。

2月上旬姫川温泉湯の宿朝日荘天望露天風呂から見上げる明るい満月
出たり入ったりを繰り返し、芯まで温まったところで部屋へと戻ることに。脱衣所から階段へと歩いていると、なんだかやけに明るく感じる空。そう思い見上げてみると、木々の輪郭までをもしっかりと浮かび上がらせる見事な満月。

2月上旬姫川温泉湯の宿朝日荘天望露天風呂から見上げる満天の星空
月の眩しさに視線をずらせば、そこに広がるのは満天の星空。うわぁ、凄いやこれ。思わずそう独り言が出てしまうほどの、こぼれんばかりに瞬く星。

2月上旬姫川温泉湯の宿朝日荘夜のお供に雪鶴本醸造生貯蔵酒
姫川の刻む谷を満たす星空の余韻に浸りつつ、ひとり噛みしめる穏やかな時間。そんな夜を彩る2本目は、糸魚川は田原酒造の醸す雪鶴本醸造生貯蔵酒。水の良さを感じさせる、柔らかい口当たりのおいしいお酒。

2月上旬姫川温泉朝日荘客室から望む大糸線夜汽車の情緒
なんだろう、ここで過ごす時間はなんだかしみじみする。湯と酒の余韻に浸っていると、遠くから聞こえてくるディーゼルの音。

ガタン、ガタンゴトン、ガタン。規則正しいリズムを刻み、夜闇に灯りをこぼしつつ走るローカル線。その姿を静かに見守る白い山、そして空に輝く幾多もの星たち。

人が苦難のうえに通した鉄路と自然の共演に、ひとりでに涙が零れそうになる。旅好きで、温泉好きで、酒好きで、そして鉄道好きで本当に良かった。夜汽車というものを体現したかのような情景に、心の深い部分が切ない温かさで満たされるのでした。

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銀嶺つむいで大糸線 ~鉄路でなぞる塩の道~
2月上旬姫川温泉朝日荘客室から望む大糸線夜汽車の情緒
2023.2 新潟/長野
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●1日目(東京⇒糸魚川⇒姫川温泉)
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●2日目(姫川温泉滞在)
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●3日目(姫川温泉⇒大町⇒穂高⇒松本⇒東京)
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