7月下旬、僕は再び盛りの夏へ。7年前に出会って以来、僕の夏を構成する必須要素となってしまった、弘前のねぷた。今年もまた逢える。その幸せと期待を胸に立つ、東京駅八重洲口。暮れゆく空に輝くビル群とも、しばらくはお別れ。僕の望む煌めきは、これではない。それを求めて、こうしていつも東京を脱出してしまう。
今回乗車するのは、『国際興業バス』のシリウス号。八戸、十和田市を経て七戸十和田駅まで運行する夜行バスです。
3列独立シートの快適なバス旅を楽しむこと9時間半、青森県は八戸へと到着。駅にも停車しますが、時間はたっぷりあるため八戸中心街ターミナルで下車。時刻はまだ7時過ぎ、あたりはまだシャッターが下りていますが、夜の賑わいの余韻が感じられるよう。
横丁の気配に次回訪問への期待を残しつつ、本八戸駅を目指して歩きます。その途中、ひときわ目を引く古参の建物。この門は、八戸城の遺構として唯一現存する角御殿の表門だそう。
城下町としての八戸の歴史に触れたところで、その向かいに位置する三八城公園へ。かつて八戸藩の中心であった城跡は、現在は市民の憩いの場として開放されています。
高台に位置する三八城公園から望む、八戸の街。遠くまで見渡せるこの場所には、かつて本丸と二の丸が設けられていたそう。街並みは変われど、お殿様も同じ山並みを見ていたことでしょう。
初めて訪れる八戸の街歩きを楽しみ、本八戸駅に到着。八戸の中心地の最寄り駅は、新幹線の停まる八戸ではなくここ本八戸。列車の時刻に合わせ、利用客があちらこちらから集まってきます。
程なくしてやってきた、八戸行きの普通列車。僕の好きな国鉄型の気動車が来るのかと思いきや、やってきたのは新型のキハE130。描かれた鮮やかなブルーが、海沿いを走る八戸線の情景を表すかのよう。
通学の学生で賑わうローカル線に揺られること10分、八戸駅に到着。実はこの後がっつり食べたいものがあったため、軽めの朝食ををとることに。今回は駅構内の売店で、青森市は幸福の寿し本舗が調整する笹寿司を購入。
青森県産の青天の霹靂を使った寿司飯は、押し寿司にされていても感じる弾力あるもちもち感が魅力。鯛やさば、そして青森県産のトラウトサーモンとの相性もバッチリで、ほんのり香る笹の香りが押し寿司の凝縮感に華を添えます。
これから乗り継ぐバスまではまだ時間の余裕が。ということで今回も駅前にあるユートリーへ。ロビーでは、三社大祭の立派な山車がお出迎え。西遊記をテーマにした山車には、お馴染みの顔ぶれが表情豊かに再現されています。
こうして始まった、今年二度目の熱い夏。耳の奥に聞こえる、ヤーヤドー。僕の夏は、八重山と東北にあり。こうして今年もまたこの地を踏めるという幸せと熱さの予感に、僕の心まで華やいでゆくのを感じるのでした。
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