やぁ~やど~!の掛け声に合わせ、勢いよく天を突く市章入りの提灯。卍のあしらわれた提灯が姿を現せば、市役所のねぷたはもうすぐ。
これまで以上に大きなねぷたが次々とやってくる祭りの後半戦。それに備えるべく、次なるお供を開けることに。六花酒造のりんご酒が満たされた、こぎん刺し模様のりんごの絵がかわいいワンカップを開けます。
地酒とりんごの良いとこどりといった爽やかな甘酸っぱさを味わっていると、真っ赤な卍の市役所ねぷたが。一目惚れし、通い続けてもう8年。今年も運よく休みと宿が取れ、こうしてここに立ち会えることの幸せを噛みしめます。
たか丸くん、今年も本当にありがとね!こうして君に会えるのも、今年は今夜が最後。また来年も、絶対に会いに来るからね!
かわいいたか丸くんの後を追い、連なるように流れ来る大きな市役所のねぷた。その巨体をゆっくりと回転させ、沿道を埋める人々にその美しさを余すことなく披露します。
夜空にひときわ輝く、為信公の組ねぷた。江戸時代からの伝統を受け継ぎ光に彩られる城下町を、藩祖である為信公もきっと眺めていることでしょう。
扇ねぷたに組ねぷた、タコや福助さんなど様々な形のねぷたが並ぶ隊列。次から次へとやってくる灯りの応酬に、飽きる暇などあるはずがありません。
建物の高さに匹敵するほどの大きさを誇る扇ねぷた一面に描かれる、勇壮な鏡絵。光に輝く眼力が、その勇ましさを一層印象深いものとしています。
猛る馬に跨り、鋭く睨みを利かす為信公。幾多ものねぷたに描かれるその姿に、いかに弘前の人々に愛されているかが伝わるよう。
夕空に黒々と聳える岩木山に、雲海を舞う二羽の鷹。古くは鷹岡と呼ばれていた弘前の象徴が、見事な美しさをもって描かれています。
夜空に燦然と輝く、細川ガラシャの見送り絵。紙に再現されたステンドグラスの鮮やかな美しさに、思わず目が釘付けに。
キリシタンの儚さに彩られたねぷたが去ったかと思えば、夜の街を颯爽と駆ける光り輝く騎馬の姿が。骨組みと紙でできているとは思えない躍動感に、命が宿っているのではと錯覚してしまうほど。
津軽の夜空に再び姿を現した、騎馬に跨る為信公。それぞれのねぷたに描かれる様々な表情を見比べるのも、幾多ものねぷたが次々と運行する祭りの醍醐味のひとつ。
存在感ある鏡絵や見送り絵に目が行きがちですが、ねぷたはその細部にまで美しい装飾が施されています。額と呼ばれる台座には凛々しい武者が描かれ、その上の開きには牡丹やそれに見立てた獅子が華やぎを添えています。
くるくると回りながら、沿道に愛嬌を振りまくかわいい金魚ねぷた。動くごとに夜風を受け、大きなひれを艶やかに揺らします。
今年は特に目立つように感じる、虎の見送り絵。龍と対で描かれているものが多く見受けられましたが、こちらは吉兆の象徴とされる龍魚と共に睨みを利かせています。
重厚さを感じさせる鬼瓦と、福々しさ漂う七福神。静と動、モノトーンと色彩の見事な対比に、思わず言葉を忘れて見入ってしまう。
目の覚めるほど、鮮やかに夜空を舞う不死鳥の姿。令和という新しい時代を迎えた今年、人々の寄せる思いが様々な形で描かれています。
夜の街を優雅に泳ぐ、艶やかな津軽錦。大きくひらひらとした尾びれに、ふっくらとした丸みを持つ美しい金魚。厳しい弘前藩の財政を支えようと生まれた金魚は、今では縁起物として津軽の夜を彩り続けています。
鮮烈な色彩で描かれる、川中島の戦い。光と色彩の洪水が、臨場感をもって津軽の夜空を焦がします。
漆黒の夜空に、激しく猛る龍虎の図。躍動感ある迫力ある姿も、ひと夏限りの儚い絵巻。7日限りという短さが、その美しさに若干の切なさという彩を与えているのかもしれない。
勇壮な武者にも負けず、凛々しい表情を見せる騎馬。荒ぶる鬣からは、今にも絵から飛び出してきそうな生命力すら感じさせるよう。
弘前の夜空を染めあげる、幾多もの光の洪水。次から次へと繰り広げられる目くるめく色彩は、現実離れした夢の世界へと迷い込んでしまったかのよう。
途切れることなく繰り返される、真夏の世の夢。津軽の夜を焦がす熱さは、更に激しさを増してゆくのでした。
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