瑞々しき天上の箱庭へ。~神の降りる地、上高地。1日目 ②~ | 旅は未知連れ酔わな酒

瑞々しき天上の箱庭へ。~神の降りる地、上高地。1日目 ②~

初夏の松本駅 旅の宿

新宿を発ち2時間46分、あずさは定刻通り松本に到着。所要時間は高速バスより30分程短いはずですが、変化に富んだ美しい山の車窓を眺めながらの旅は、はるばる信州へ来た感を一層盛り上げてくれます。えきねっとを使えば高速バス並みの値段で乗れる、特急あずさ。松本へ来るなら、もうこの一択。

幼い頃から近くて遠い、憧れの存在に揺られて辿り着いたこの地。ここから2泊3日の濃厚な時間が始まります。ここからは日に1本のお宿の送迎車に揺られ、上高地の麓を目指します。

秘湯中の湯温泉旅館玄関

送迎車に揺られ、有数の電源地帯を縫うようにして梓川沿いを遡ること、約1時間。上高地へのゲートである釜トンネルの近くに位置する秘湯の宿、『中の湯温泉旅館』に到着。

それにしても、電車バスで来れば2,000円以上もかかるこの道のりを送迎してくれるなんて、僕のような車の無い旅行者には本当にありがたいことです。

秘湯中の湯温泉旅館客室

大きな窓から穂高連峰を望むロビーでチェックインし、お部屋へと向かいます。

老舗の秘湯である中の湯ですが、以前は釜トンネルの前にあったそう。安房トンネル工事での事故により、安房峠旧道沿いのこの地に移転してきたため、まだ建物は新しくきれい。

秘湯中の湯温泉旅館より眺める曇天の穂高連峰

谷底から旧道をかなり登った場所に建つため、部屋からも穂高連峰を眺めることができます。到着した日は生憎の曇りから雨へと向かう空模様でしたが、明日の天気に期待することとします。

秘湯中の湯温泉旅館湯上がりに新緑と冷たいビール

早速浴衣に着替え、お待ちかねのお風呂へと向かいます。この時は人が入っていたため、お風呂の様子は後でご紹介。

鮮やかな新緑と、まだ少しの冷たさを残す高地の空気を浴びながら入る温泉は、お湯の良さもさることながら、この時期ならではの爽快感が一層心地良さを高めてくれる。若々しい緑を見られただけでも、ここに来た甲斐があるというもの。湯上りのビールを飲みながら、いつになく爽やかな心持ちに包まれます。

秘湯中の湯温泉旅館サーモン刺身たけのこわらびの煮物こごみたらこマヨ

2度ほどお湯を味わい、ちょうど良くお腹も減ったところで夕食の時間に。多くの山を愛する人で賑わう食堂は、温泉好きのみならず山への基地として積み重ねてきたこの宿の歴史が感じられるよう。

新緑の溢れる大きな窓に目を奪われつつ席へと着きます。テーブルには美味しそうな山の幸が並んでおり、これからの景色と共に楽しむ晩餐への期待が膨らみます。

こごみのおひたしにはたらこマヨが適量載せられ、ふわっと香るこごみを一層美味しくしてくれます。サーモンのお刺身は適度な歯ごたえを感じる新鮮さで、筍と新蕨の煮物はこの時期ならではの山の恵み。

秘湯中の湯温泉旅館岩魚の塩焼き

そして山の宿に来て欠かせないのが、岩魚の塩焼き。ふっくらと焼かれた岩魚は塩加減も丁度良く、オリジナルの地酒との相性もピッタリ。

秘湯中の湯温泉旅館生湯葉かに豆乳茶碗蒸し

続いては蒸し物。ただの茶わん蒸しのように見えますが、生湯葉や蟹、豆乳が使われています。優しい口どけと共に広がる蟹の風味と、湯葉や豆乳の豆の香り。お酒の合間にホッとする美味しさです。

秘湯中の湯温泉旅館鴨鍋

ぐつぐついい音を立てて煮える、鴨鍋。上品な味付けのだしには鴨から出た旨味がしっかりと行き渡り、一緒に煮られた他の具材をより美味しくしてくれます。

秘湯中の湯温泉旅館サービスの山菜天ぷら山葡萄が美味

揚げたて熱々の山菜の天ぷらは、お品書きに載っていないサービスだそう。さくっと揚がった衣の中には、この時期ならではの香りが詰まっています。特に印象に残ったのが、山葡萄の葉。赤みがかったその見た目通り、ほんのりとした爽やかな酸味が広がります。

秘湯中の湯温泉旅館茹でたてそば

揚げたての次は茹でたてが。信州と言えばのぶっかけ蕎麦が運ばれてきます。この茹でたてが大事。つるっとコシのあるおそばは、旅館で並ぶものでは無く、しっかりと美味しいおそば。信州は本当にそばにハズレがありません。

旨い酒と暮れゆく山の姿と共に楽しむ、美味しい夕食。最後に大好物の野沢菜でご飯を楽しみ、もう大満足。

さあこれから、文字通り周りには何もない一軒宿での夜が始まる。その時間を楽しむべく、寝床に転がり一杯のお腹を落ち着けるのでした。

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瑞々しき天上の箱庭へ。~神の降りる地、上高地。~

初夏の上高地神々しさすら覚える明神岳と明神橋
2015.5 長野

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●1日目(東京⇒中の湯温泉)
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●2日目(中の湯温泉⇒上高地⇒白骨温泉)
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●3日目(白骨温泉⇒松本⇒東京)
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