瑞々しき天上の箱庭へ。~神の降りる地、上高地。3日目 ⑥~ | 旅は未知連れ酔わな酒

瑞々しき天上の箱庭へ。~神の降りる地、上高地。3日目 ⑥~

松本城を模った古本屋さん 旅グルメ

歴史が苦手な僕ですが、お城や石垣を見るのは大好き。その中でも、子供の頃に強烈な印象を受けて以来、何か強く魅かれるものがある松本城。そんなお城に後ろ髪を引かれ、予定より長い時間お城に見入っていました。

そしてもうそろそろ、ご飯を食べないといけない時間。再訪を決心し、お城を離れる決心をします。駅へと向かう途中には、そんな名残惜しい松本城の姿を模した本屋さんが。

城下町の日常の中に溶け込む松本城

お城からのびる大通りは歩いたことがあるので、今回は歩いたことの無い道を歩いてみることに。赤い鳥居や古い街並みの先に見える烏城。自分の住む街がお城に見守られているという感覚は、どのようなものなのでしょうか。経験したことの無い僕にとっては、憧れであります。

松本藩酒場酒楽

そしてこの旅最後の信州グルメを楽しむため、まだ明るいうちに今宵の酒場へと到着。今回は駅から近い『松本藩酒場 酒楽』にお邪魔することに。

松本藩酒場酒楽馬のもつ煮おたぐり

まずは僕の好物、おたぐりで冷たいビールをきゅっと。馬のモツを信州の味噌で煮込んだつゆはまろやかで絶品。歩きつかれた体に染みこみます。

松本藩酒場酒楽殿様納豆と徳川献上品松本一本葱

続いては納豆好きとしては堪らない一皿、殿様納豆と徳川献上品[松本一本葱]。大粒のふっくらとした納豆に、信州の郷土料理であるやたら漬けやしょうゆ豆、そして瑞々しいネギがたっぷり添えられています。

これらをガっと混ぜてひと口。納豆の風味もさることながら、やたら漬けの食感や複雑な旨味、しょうゆ豆の香りが一体となり、口の中は幸せいっぱい。納豆好きには本当に堪らない。

松本藩酒場酒楽一頭買い馬ハツ刺し塩胡麻油

こちらは、一頭買い馬ハツ刺し塩胡麻油。今では生食が出来る貴重な馬。その心臓はハリとつやがあり、見るからに美味しそう。にんにく生姜醤油と、塩胡麻油、二つの味で楽しめます。心地よい歯ごたえとじんわりとした旨さを、信州の地酒ともにしみじみと味わいます。馬、旨いなぁ。

松本藩酒場酒楽凍み豆腐のステーキと醤油豆

そして信州名物「アノ逸品」をアテに地酒を堪能し、〆のひと品を。ちなみにアノ逸品は、最後にご紹介。苦手な人はここで戻るをクリック!!

〆に選んだのは、凍み豆腐のステーキと醤油豆。バターで焼かれた凍み豆腐はふっくらジューシーな新食感。お肉では無いのにすごく食べた感のあるボリューム。バターと醤油豆の相性ももちろんよく、火の通ったねぎの甘味も良いアクセントに。

ここからは、僕が触れないのに食べられる魅惑の食材、虫さんの登場。苦手な人は見ないでね♪

瑞々しき天上の箱庭へ。~神の降りる地、上高地。~

初夏の上高地神々しさすら覚える明神岳と明神橋
2015.5 長野

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●1日目(東京⇒中の湯温泉)
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●2日目(中の湯温泉⇒上高地⇒白骨温泉)
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●3日目(白骨温泉⇒松本⇒東京)
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松本藩酒場酒楽信州珍味三点盛(いなご・蜂の子・蚕のさなぎ)

旨い信州の酒をグイグイと進めてくれちゃう罪な奴、信州珍味三点盛を注文。ざざむしが出てきたらどうしようという軽い恐怖を感じつつ、そうでもしないと食べる決心がつかないだろ!と自分を鼓舞して頼みました。

そして出てきたのは、もう克服したどころか好物になってしまった、お馴染みのいなごと蜂の子。そして見慣れないもうひとつ。

いなごの佃煮は香ばしさとほんのりとした若葉の香りを感じる安定の美味しさ。蜂の子は前回長野で初めて挑戦した、一段階虫感の強い見た目ながらとても美味しい食材。その時は甘露煮でしたが、今回は塩炒めで登場。

これが旨いのなんのって!塩炒めにすることで、蜂の子の持つ甘味と、ピーナッツのような香ばしい風味がシンプルに味わえます。これなら、酒のアテだけでなく、ごはんにたっぷり掛けて食べても美味しそう。虫ご飯、おっとそんなことを想像するのは止めよう・・・。

そして左の初対面のこの子は、蚕のさなぎ。もうね、見た瞬間ね、あ!虫(怖)とインパクトのあるルックス。生前に出会っていたらと思うと、ゾッとします。僕、虫、死ぬほど嫌い、怖い、キモチワルイ・・・。

それでも、いなごも蜂の子も旨かったじゃぁないか。現代でも栄養補給以外の理由で食べ続けられているには訳がある。自分の舌で確かめねばならない。誰に頼まれるわけでもなく無駄な使命感を燃やし、意を決して一匹パクッと。

結論から言えば、もちろん美味しい。また食べたいかと問われれば、もちろん食べたい。でも、これまで口にしたこの三種の中では、一番虫感があるかも。

食感はもそっとした、よりタンパク質が詰まっていそうなもの。噛むと甘辛味の奥から旨味が十分に出てくると同時に、舌では感じたことの無い、記憶の奥に引っかかる香りが。二匹目、三匹目と食べていくうちに、思い当たりましたよ、その香り。

そう、それは古民家の匂いのような独特な風味。古の時代、蚕が飼われていたであろう天井裏の光景が舌から脳へと広がるような・・・。でも僕が声を大にして言いたいのは、僕はこれ嫌いじゃない!!決して不快な風味では無いのです、僕にとってですけど。

僕は小さい頃から雑食性。ここに来て改めて自分が雑食であることに驚きました。だって、触れないし直視したくないものが、調理されれば口へと入れられるのだから。そしてそれを美味しいと思えるのだから。

でもそれは、決してゲテモノ喰い(長野の皆さま、御免なさい。)の観点からではありません。

やはり、物流が整いタンパク源などいくらでも手に入る現代において、それでもコアなファンを持ち食べ続けられているには、絶対的な理由がありました。好きな人は好き、美味しいから。ただそれだけのこと。

僕は松本で蚕のさなぎを食べられるようになった。長野でまたひとつ、ランクアップした。これだけ虫が裏切らないとなると、次はざざむしさんにもご挨拶してみないとなぁ。

なんだかこれまで紹介した一般的な美味しい料理の印象が、虫で上書きされてしまったようですが、こちらのお店は一軒で長野の味を楽しめる美味しいお店。駅からも近いので、ギリギリまで飲んでいられる、当たりの一軒に出会えました。満足、満足♪

瑞々しき天上の箱庭へ。~神の降りる地、上高地。~

初夏の上高地神々しさすら覚える明神岳と明神橋
2015.5 長野

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