2年ぶりに、本当のあおさを僕に授けてくれた今日の竹富島。今年も無事に出逢えた。その事実だけで、また来年まで頑張れる。久々に味わう本気の夏に満たされ、『八重山観光フェリー』の新造船やいまで石垣島へと戻ります。
いやぁ、それにしても今日は焼けた。ホテルへと戻り水シャワーを浴びてクールダウン。日焼け後の甘美な気怠さにふと微睡めば、あっという間にもう夕食の時間に。
今日は相方さんが焼肉を食べたいというので、焼肉屋さんを当たってみることに。やっぱりおととしとは状況が違い、どこのお店も予約でいっぱい。そんな中、繁華街から少し外れた場所にある『島んちゅ焼肉 豪』を発見。席も空いているというので、迷わずお邪魔します。
まずはキンキンに冷えたオリオンビールで乾杯。お肉が来るまで大根キムチをつまみます。あっさりとした辛さに感じる、大根の風味。バリバリとした食感とねぎやごまといった薬味の風味も手伝い、オリオンのアテにぴったりのおいしさ。
こちらのお店では、石垣牛と石垣産和牛を味わえます。ってその違いは何だろう?と聞いてみると、JAの認証を受けたものが石垣牛、それ以外の八重山郡で育てられた黒毛和牛が石垣産和牛なのだそう。どちらにしようか迷いましたが、今回は石垣産和牛の盛合わせを頼んでみることに。
待つことしばし、運ばれてきたお肉を見てびっくり。石垣牛でなくても、このピンク色。もう少し赤身っぽいのを予想していただけに、このお値段でいいの?と思ってしまいます。
特選カルビはその見た目ほど脂っぽさは感じさせず、くちどけの良い脂の甘味が印象的。特選ロースも上品な脂と柔らかな食感で、旨味甘味とともにすっと口の中で消えてゆきます。上ロースはたれが揉みこまれ、赤身の旨味をより感じられる肉質。それでいて柔らかく、八重山の牛のおいしさを今一度実感します。
続いては、大好物のホルモンを。シマチョウは程よい食感と適度な脂が美味しく、レバーはプリッとした食感に詰まる旨味が堪らない。大ぶりに切られたミノはしゃっきしゃきの歯ごたえで、噛めばじんわりとした旨さが広がります。
焼肉に来ると、やっぱり飲み気より勝ってしまう食い気。オリオンを2杯にとどめ、お肉とご飯をがっつり味わいます。満足感に包まれつつお店を出れば、まだこの明るさ。本当にこの島、どうなってるんだ。
時刻は19時半過ぎ。早めに夕飯を終えたので、のんびり散歩しながら宿へと戻ることに。その途中、JAには日本一早い新米の横断幕が。6月9日に新米販売開始って、やっぱりこの島どうなってるんだよ。
日本って、本当に広い。東西、そして南北に細長くのびる列島。自分の住む場所と同じ国とは思えぬ時間軸、そして季節感の違い。それを肌で感じたいからこそ、僕は旅に出るのかもしれない。
今日という一日を全力の青さに染めあげた太陽も、力を失いもう間もなくお休みの時間。昼から夜へと移ろう空に宿るかすかな青さ、雲間を染める陽の名残り。刻一刻と色彩が弱まりゆく様を、海風浴びて時も忘れて見つめます。
夜に向かい、静かに時が流れる港湾の突端。岸壁を打つ波と、係留された船の軋みだけが聞こえる世界。そんな中ぼんやりと佇めば、自分も一緒に夜の闇へと溶けだしてしまいそう。
眼前を染める、今日の最後の青さ。本当に、今日はあおい一日だった。そんな一日の締めくくりを彩る弱き光に、心の深い部分まで染められるのでした。
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