盛夏万緑、みちのくへ。~ヤーヤドーに逢いたくて 9日目 ②~ | 旅は未知連れ酔わな酒

盛夏万緑、みちのくへ。~ヤーヤドーに逢いたくて 9日目 ②~

仙石線松島海岸駅 旅グルメ

石巻から高校時代の記憶に触れつつ揺られること約50分、仙石線は松島海岸駅に到着。日本三景のひとつである松島を見ようと、大勢の人々で賑わいます。

夏の日本三景松島五大堂とかもめ
駅から活気あるお土産屋さんの並ぶ通りを抜け歩くこと10分足らず、松島を見渡せる広場に到着。東の松島、西の象潟。つい数日前に訪れた象潟のかつての姿を、海原輝くこの眺めに重ねてみます。

夏の日本三景松島五大堂へと続く赤い橋
胸いっぱいに汐風を吸い込んだところで、五大堂にお参りを。浮かぶ小島に建つ五大堂へは、床板に隙間の空いた透かし橋を渡って向かいます。下を見れば、思わず吸い込まれそうな感覚が。その独特な造りには、自分の足元をしっかりと見つめなさい、という意味があるのだとか。

夏の日本三景松島五大堂から眺める美しい松島湾
赤い欄干の透かし橋を渡り切り、まずは穏やかに煌めく松島湾の絶景を。遠く遠く、どこまでも連なる無数の小島。そのそれぞれに松を頂く独特の姿は、海に浮かぶ盆栽のよう。

夏の日本三景松島五大堂にお参りを
小島に集う人々の波が収まったところで、3年ぶりのお参りを。長きに渡り風雪や災害に耐え続けてきたお堂に手を合わせ、再びこうして訪れることのできる幸せを噛みしめます。

夏の日本三景松島五大堂に彫られた十二支の彫刻
四度目となる松島、今回初めて気づいたことが。渋い佇まいのお堂の周囲には、躍動感あふれる十二支の彫刻が。自分の干支に再訪の願いを託し、五大堂を後にします。

日本三景松島五大堂近くのかき料理げんぞう
実は今日のお昼を軽くしたのにはちょっとした理由が。五大堂のすぐ近くに位置する『げんぞう』で、今回もかきを食べてやろうと企んでいたのです。

日本三景松島五大堂近くのかき料理げんぞう松島の海を見ながら待つひととき
カウンターで注文し、海を眺めながら料理を待つひととき。松の木立越しに見える入江の風情が、これから味わうかきと酒を一層美味しくしてくれるよう。

日本三景松島五大堂近くのかき料理げんぞう焼き牡蠣と伯楽星のもっきりセット
フライやチャウダー、チゲなど様々なかき料理が並ぶメニュー。本当ならばあれやこれやと食べたかったのですが、船の最終便まで時間もなかったため、焼き牡蠣と伯楽星のもっきりセットを選びました。

もう説明はいらないでしょう。見ただけでもわかる、至極の旨さ。夏の陽射しに輝くかきは、つまめば弾けてしまいそうなほどにぶりんぶりんの詰まり方。一口頬張れば、眼前の海がそのまま口へと流れ込んできたかのような幸福感。そしてそれを旨い伯楽星で流せば・・・。あぁ、この時間が永遠に続いてほしい・・・。

日本三景松島丸文松島汽船第三芭蕉丸
口中に溢れる濃厚な海の余韻に浸りつつ、桟橋に向かい遊覧船へと乗り込みます。今回乗船する『丸文松島汽船』は、HPからの事前予約がおすすめ。予約しておけば並ぶ時間も短く済み、更には運賃も割引に。

丸文松島汽船五大堂に別れを告げ松島を出港
乗船した第三芭蕉丸は、汽笛一声高らかに松島港を出港。器用に船体を回し、松島の街並みに背を向け海原へと進みます。エンジン音が高くなったかと思えば陸はどんどんと離れ、小さくなりゆく五大堂を見つめます。

日本三景松島丸文松島汽船浅い松島湾を島沿いに進む
抜けるような夏空と、その青さを映す海。浅い湾内には無数の島々が浮かび、丸いものから平たいものまで、大小様々な趣で見る者の眼を悦ばせます。

日本三景松島丸文松島汽船デッキで浴びる海風と夏の陽射し
やっぱり船旅は、気持ちが良い。デッキで全身に海風と夏の陽射しを浴びれば、自ずと心は空っぽに。機関の振動に身を任せ、のんびり眺める過ぎゆく小島。午後の日に煌めく海が、その光景を黄金色へと染めあげるよう。

日本三景松島丸文松島汽船青空と海原、浮かぶ小島
街から離れ、のんびりと波に揺られる遊覧船。そのリズムに心身を委ねていると、次から次へと現れる奇景の数々。湾に浮かぶ島にはそれぞれ名前がついていますが、自分なりの見方をするのも楽しみのひとつ。僕にはこの島、E5系はやぶさに見えて仕方がない。

日本三景松島丸文松島汽船遠く島影連なる穏やかな松島湾
三方を陸地に囲まれる松島湾。近くの小島が減ってきたかと思えば、遠くにずらりと連なる霞む島影。日本三景松島は、陸地からだけではもったいない。この爽快かつ密度の濃い眺めは、船上ならではのもの。

日本三景松島丸文松島汽船牡蠣筏の脇を通る
沖へと進むと、いくつも見える養殖筏。リアス式ならではの地形が栄養豊富な海を創り、その海に育まれる牡蠣や海苔。いつも旨い旨いと味わっている食材の故郷を、船はゆっくりと進みます。

日本三景松島丸文松島汽船並ぶ海蝕洞が印象的な鐘島
きれいに連なる海蝕洞が印象的な、鐘島。洞穴にぶつかる波の音が響き渡ったことから、この名が付いたそう。今日はその洞穴の先まで、はっきりくっきり見通すことができました。

日本三景松島丸文松島汽船地蔵島灯台が見えれば塩釜はもうすぐ
船は右へと大きく方向転換し、灯台が印象的な地蔵島のすぐ脇を通ります。白亜の灯台もさることながら、岩盤の白さもまた美しい。松島の美しさの理由は、青々と茂る松を引き立てる島の白さなのかもしれない。

日本三景松島丸文松島汽船島めぐりを終えて塩釜湾内へ
地蔵島を過ぎれば、もうそこは塩釜湾。日本でも有数の漁港として名高い港町へと、船は名残惜しそうにゆっくりと近づきます。

日本三景松島丸文松島汽船真新しい塩竈市魚市場
ふと横を見れば、真新しい立派な魚市場が。前回訪れた時にはまだ完成していなかった、この建物。白く輝く大きな建物に思わず目を細め、自分の中に色々な想いが駆け巡ります。

日本三景松島丸文松島汽船船上から望むマリンゲート塩釜
松島から爽快な船旅を愉しむこと50分、まもなく塩釜港へと接岸。今日も美しい姿を魅せてくれた松島に別れを告げ、陸へと降り立ちます。

東の松島、西の象潟。そう称される東北きっての名勝を、この旅で一度に味わえるなんて。幸運なことにどちらも晴天に恵まれ、その鮮烈な美しさは強い印影となり胸へと焼き付くのでした。

盛夏万緑、みちのくへ。~ヤーヤドーに逢いたくて~
青い田園の先に聳える岩木山
2019.7-8 青森/秋田/山形/宮城
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●1・2日目(東京⇒八戸⇒蔦温泉)
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●3日目(蔦温泉滞在)
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●4日目(蔦温泉⇒青森⇒弘前)
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●5日目(弘前・黒石周辺)
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●6日目(弘前⇒象潟)
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●7日目(象潟⇒酒田⇒赤倉温泉)
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8日目(赤倉温泉滞在)
●9日目(赤倉温泉⇒松島⇒仙台⇒東京)
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